《前編》山口県のアイドル山口活性学
園はヤバい!?

　頭悪そうなタイトルで申し訳ありません。いまや全国津々浦々にアイドルグループが活動する世の中ですが、その中で山口県を代表するアイドルグループといえばこの山口活性学園、略して山活なんです。
　この山活、昨年発売された1stアルバム『NOTE』が良曲揃いで、常々観たかったグループなんですが、昨年は3回くらいしか観られず。というのも山口県のグループなので、活動拠点はもちろん山口県。おいそれと行くことができません。いや、もちろん、観たいアイドルを観るのに、ちょっと遠いからって「行くことが～」ってどんだけヌルいんだって話ですが。ただ、僕が最も推しているアイドルはひめキュンフルーツ缶というグループでして、そちらの活動拠点は愛媛。愛媛まで度々行きつつ山口まで、となると、下流社会のまっただ中を生きる僕なんぞでは生活的に、ねえ。
　ということで、CDはヘビーローテションで聴きつつも、なかなかライブを観ることができませんでした。12月23日、山口県の方で2回公演があって、それはワンチャン行けないかなあ、とも思ってたのですが、仕事が忙しい時期で断念。
　しかし、今年になって、2月19日にシングル「IDREAM」を発売するということもあって、都内で5回ほど観る機会に恵まれました。で、これが観るたびに素晴らしくて素晴らしくて。というわけで、そのまんま何のひねりもなく山活素晴らしい！ って話を書きたいな、と。

“静”のアイドルと“動”のアイドルがいるとすれば山活は確実に“動”。まあ、そもそも今のアイドルの主流は、アップテンポに観客を盛り上がらせる“動”のグループで、じっくり聴かせる“静”のアイドル（例えば、東京女子流とかドロシーリトルハッピーとかでしょうか）の方が少ないというのはありますが（だから、このご時世、まず盛り上げありきじゃなく、“静”で魅せられるグループというのは逆に凄いことだと思います）。
　とはいえ、山活の“動”は他のアイドルと比べてもスペシャルに感じられます。「全力」とか「エモい」とか使い古された表現がまず最初に浮かんできてしまいますが、それらの言葉が、山活にもまさに当てはまります。それから山活の特徴としては（ここからは本っっ当に適当な話で恐縮なのですが……）、“静”から“動”への移り変わりの瞬間の圧倒的なカッコ良さでしょうか。例えば代表曲「RUN!!」のピアノ音による美しい前奏からブーブーカッコ良い重低音が加わり、そこからボーカルが始まると、観てるこちらの感情も一気に大爆発する高まり具合。
　もちろん、観てると踊りださずにはいられないし、楽曲の中で盛り下がる瞬間がないんですよね。色んな音の瞬間瞬間がカッコ良くて、どうでもいいメロディーがなく、常にドキドキワクワクさせられるというか。静かな時は静かな時で、その後の爆発を想起・期待させる静寂さが、これもまたカッコ良くて。

　音楽なんて全く詳しくなく、貧困なボキャブラリーにも関わらず、音の話になってしまいましたが、メンバーのパフォーマンスは音に全く引けをとっておりません。とうか、音とメンバーの肉体がまさに一体となったパフォーマンスなんです。
　先ほどの“静”から“動”という話でいえば、“静”の時の、暗いシルエットで佇む姿は息もつかせない雰囲気を醸し出して、そこから“動”にはじけた時の開放感の表現にはただただ圧倒されます。カッコ良い音を最大限に自身の肉体で表現すべく踊り・歌う姿は物凄いインパクトで……適当なことを書いちゃえば、青春の躍動感に満ち溢れているんです。グループ名に「学園」という言葉が入ってますが、まさにここに「学園」と冠する女の子達にしか表現しえない青春があるんです。
　ちなみに、学校をモチーフにしたグループは数多くあって、制服衣装のグループは基本文化系の佇まいなところが多いですが、この山活に関してはバリバリの体育会系なのです。

（文・ソレン）

オススメCD：『NOTE』（BounDEE by SSNW）／山口活性学園アイドル部