【Sunrise In My Attache Case×LOC
AL CONNECT対談】名阪ツアーを控えた
相思相愛バンドの馴れ初めと意外な共
通点とは

関西を中心に活動するサーフロックバンド・Sunrise In My Attache Case(以下・サンライズ)が、ニューアルバム『Light The Fire』を携えたツアー『Light The Fire Tour』を開催中。今回、11月4日に大阪VARONで、11月9日に名古屋ell.FITS Allで対バンすることが決定している、京都のバンドLOCAL CONNECT(以下、ローコネ)からISATO (Vo)とDaiki (Vo/Gt)のボーカル2人を迎えて、サンライズのKazuya(Vo/G)、cubs(B)が対談を実施。出会いは最近にも関わらず、かなり相思相愛の様子。その理由や、せっかくだからお互い聞いてみたかった話も交えながら、今回のツアーに向けての意気込みを大いに語り合った。
ISATO (Vo)・LOCAL CONNECT
――2組のファーストコンタクトって、いつ頃ですか?
ISATO:去年の9月に、京都MUSEで対バンした時が最初ですね。
Daiki:The Winking Owlのツアーで偶然、ご一緒させてもらってね。
cubs:それ以来ですね。なので、今回のツアーで2回目。
――え、今回でまだ2回目なんですか!?
ISATO:まだ2回目なんです。
cubs:もう、1回目で意気投合しすぎて……(笑)。
Kazuya:打ち上げでね(笑)。
ISATO:でも、お酒を飲みまくって騒いだとかではないですよ。
Kazuya&cubs:飲んでたけどな!(笑)。
ISATO:飲んでたんですけど、お酒飲んでスイッチ入る瞬間の楽しみ方が似てる人だったのでグッと近寄らせてもらったんです。
Daiki:だから、1回の打ち上げで5回分ぐらいの濃密な時間を過ごせたんですよね。
Kazuya(Vo/G)・Sunrise In My Attache Case
――対バンするまでのお互いの印象というのは?
Kazuya:もちろんローコネのことは前から知っていて、歌がすごく上手くて、“何やこのバンドは!”と思っていました。
cubs:アニメ『俺物語!!』のED曲に「幸せのありか」が流れていたのをKazuyaが知ってて、そこからサンライズ内ではずっと「歌がめっちゃうまいバンドがいる」という話をしていたんですよ。地元奈良の先輩で、PAしている人がローコネも担当してたそうで、その人からずっと話を聞いていたのもあったから、なんとなく僕たちの中では昔から付き合いのあるような親近感は勝手に抱いていましたね。
Daiki:僕は普段から、サウンドプロデューサーに「こういうアーティストを聴いてみたら」と色々なアーティストを薦められて聴いてるんですけど、その中で「このバンドいいよ」って教えてもらったのがきっかけでサンライズを聴いていました。その1か月後ぐらいに偶然、対バンが決まったので嬉しかったのを覚えていますね。
ISATO:The Winking Owlが繋いでくれはったので、感謝ですね。僕はそれまでサンライズのことを知らずで…。だけど、ライブがほんまにカッコよかったから、その後に『FM802 RADIO CRAZY』とか、『COMING KOBE』にDaikiと二人でライブを観に行きましたね。
――その時、感想を直接伝えたりもされました?
ISATO:直接はできずで、LINEで「実はレディクレとか、全部観ましたよ」って送りました。
Kazuya:くれたね。
――もしかして、直接会って話すのって今回が……。
全員:そう、そのライブぶり(笑)。
――なのに、すごいなのに凄く仲いいですよね(笑)。打ち上げが盛り上がったということは、それだけお互いのライブに対してもビビっときたからとかかなと思うのですが。
Kazuya:そうですね! やっぱり音源よりもライブは声に迫力があって凄かったです。バラードもノリの良い曲もガツンとくる。あと、歌の強弱が綺麗やなと思いました。なんでも歌えるやんって。腹立つぐらい、上手いな。しかも、2人とも歌えるツインボーカルなところが凄くいいなって。
cubs:まさに二人の掛け合いやったりコーラスワークを生で観た時は、素直にヤバいと思いました。僕もコーラスをしますけど、どちらかというと下手だからキーが高くて歌えないこともあって、悔しい思いをすることがあるんです。なのに二人は、それを綺麗にできてるのを見ていて、それだけでめっちゃええなと思いましたよ。また二人の声が相性めっちゃいいから余計に良く聴こえるんですよね。
ISATO:ちょっと……、こんな褒められることないからどこに目線をやったらええんかわからへん(笑)。
Daiki:すごく気持ちがいいですね(笑)。
cubs(B)・Sunrise In My Attache Case
――では相思相愛の状態で、今回はサンライズが新しく対バンという接点を作る立場に。
Kazuya:今回は絶対にローコネを呼んで対バンしたいなと、メンバーたっての希望でした。
cubs:全員で、ローコネはファイナルシリーズで呼びたいという話をしました。
Kazuya:ほんとライブが、胸アツな感じで好きなんですよ。僕らもどちらかというと、“お洒落だ”と言われることがあるんですけど、ライブは胸アツな感じでいきたいなという思いがあるから、そのあたりは共通するところがあるなと思ってるので、ローコネとは絶対にやりたかった。
――声がかかった時はいかがでしたか?
ISATO:そりゃもう、めっちゃ嬉しかったですね。サンライズはボーカルが好きになる音楽やと思うんですよね。
――というと。
ISATO:歌っていて気持ちよさそうやなと思うし、歌を立てながらも個性を出してる楽器陣もかっこいいなと思う。それにさっき言ってもらったみたいに、僕らは熱量をグッとライブに込めたいバンドなんですよね。だけど音源だけ聴いていると、サンライズってそういうタイプのライブがあんまり好きじゃないかなと、勝手に思っていたんですよ。正直、対バンするまでは。
Kazuya:なるほど。
ISATO:けど、俺らのそういうアツいところも良かったって、ライブ後に言ってくれた時、これは今日、お酒飲もうと思えました。そう思えたのが、僕の中ではすごく大きかったんです。サンライズみたいなサウンドで、しかもアツい部分を持ってるバンドって、もうカッコいいに決まってるじゃないですか。何より、自分の好みの音楽だし。それぐらい、めっちゃ好きになっていたから、ツアーに誘ってもらえた時は他のメンバーもめっちゃ喜んでたよな。
Daiki:即決でしたね。「よっしゃ!」って思いましたよ。
Daiki (Vo/Gt)・LOCAL CONNECT
――嬉しい反面、世代も近いだけにライバル視もあったりしますか?
Daiki:数年前までは、そういう気持ちもあったんですけど、今はそんなことより一緒にできることが嬉しいんですよね。
Kazuya:めっちゃ分かる(笑)。
Daiki:だからって、仲良しこよしをしようという意味ではないんです。この年まで音楽を続けてやってるということに対する仲間意識だったり、まだまだ高みを目指してバンドをやっている意識を尊重し合いたいんです、今は。それと同時に、辞めずに続けていこうなという、ガッと肩を抱き合えるような仲を作っていきたいんですよね。
ISATO:別に負けたくないとか、メラメラした気持ちがないわけではないですよ。なんなら昔よりこういうところでは負けたくないとかあります。だけど、ここまで続けているということは、苦労していないわけないと思うんです。それでも踏ん張って、ステージに立ってるということに、ライバル心よりも先にすごく敬意を持つようになりました。
Kazuya:まさに、その感覚ですね。僕も昔、バンドをやっていて一度、終わった過去があります。またイチから始めたバンドが今のサンライズで、ローコネも同じような経緯があった上で今も続けているから、そういうところでも似ている部分がきっとあるんだと思います。辞めずにバンドを続けているぐらい、音楽に対しての強い気持ちがあるっていうところは何より信頼できる部分ですから。自分と同じように色々あったやろうし、それでも音楽の道を進んでるというところが素直に嬉しいなと思うようになりました。
cubs:聞いてみたかったんですけど、お二人はどんな音楽を聴いてるんですか?
Daiki:実は、20歳ぐらいまでロックバンドを全く知らなくて、二人ともサンライズみたいなR&Bをずっと聴いて今まで育ってるんですよね。だから、いわゆるロックって、バンドを始めてみてから聴き始めたんです。
Kazuya:そういわれると確かに、歌とかR&Bなところありますよね。
Daiki:そこは、無意識に大事にしているところがあると思いますね。逆にロックバンドってほど泥臭さはあんまり出せないかもしれないです。その代り、歌そのものの中に熱量を込めるということ。いい意味で叫び散らかすロックもカッコいいけど、自分たちが作ったメロディと歌詞の中に感情を込められるような歌をすごく意識しています。
cubs:そこは共通していますね。今、お互いにバンドとして出しているサウンドは違うけど、歌だったり曲のメロディを大事にしているところはリンクするなと音源を聴いていても思ってました。僕らも王道のポップスの歌も好きで、そういう共通認識もローコネが好きだなと思った理由の1つかもしれません。
Kazuya(Vo/ G)、cubs(B)(Sunrise In My Attache Case)×ISATO (Vo)、Daiki (Vo/Gt)(LOCAL CONNECT)
――歌とメロディでリンクする部分があると。サンライズのお二人はどんな音楽を?
cubs:僕もR&Bが好きで、最近だと個人的にはSIRUPって日本人のR&Bのシンガーがめっちゃ好きで聴いています。
Kazuya:カッコええよな。僕は最近だとJess Glynneとかめっちゃ聴いてるなぁ。
ISATO:僕はあんまり色々な音楽を聴くのが得意じゃなくって、好きってなったらそのアーティストをとことん聴くタイプなんですよね。たとえば、女性ボーカルとかめっちゃ好きでよく聴いています。
Daiki:実は、僕も他のメンバーもみんな女性ボーカルが好きなんですけど、ジャンルが少し違うというか。ドラムとベースはaikoさんが好きやったり、最近はAimerとか二人はよく聴いてるね。僕たちはGLIM SPANKYとかSuperfly阿部真央さんらみたいにソウルフルな感じが好きなんですよね。それって何が違うか考えてみたら、彼らはどちらかというと曲を聴いていて、僕たちは歌唱力とか技術が気になるので歌を聴いているところはあるかもしれないですね。
ISATO:そう。だから、僕たちはしっかり歌いはるバンドのボーカルが好きなんですよ。そういう意味でも、サンライズは歌がアツいから好きなんです。せっかく考えた歌詞をセリフのようにメロディーにのせてワーって歌う人らもカッコいいと思うし、そういう人らに今まで刺激をたくさんもらってたんですけど、ここ最近あまりにそういうバンドと一緒になることが多すぎていろいろ考えることがあったんです。だけどサンライズのライブを観た時、改めて、やっぱこれやなと。俺はこういうのが好きやったなと、再確認させてもらえたんですよね。
――その日の対バンがひとつのターニングポイントになったと。サンライズもそういう、節目になるライブとかってありますか?
Kazuya:個人的には、今回のツアーですね。今回は僕らのやりたいことを全面的に出したいなというのがあるので、一旦、お客さんを突き放すようなライブをやってみたいなと思っているんですよね。これを機会に。
――それはリリースを経て?
Kazuya:そうですね。
――新しい段階に。
Kazuya:そのギャップをうまいこと作っていきたいなと。ここではグッと持っていくけど、次は突き放したりとか、そういうのをできるようになりたいなと。
――緩急じゃないですけど。
Kazuya:そうですね。
――cubsさんは?
cubs:僕らワンマンをやったことがなくて、でもローコネは結構やってるんですよね。その経験値の差じゃないですけど。物理的に体力面の違いとか、ライブを1時間やるっていう経験値を今まで感じることが多かったので、今回はワンマンじゃないにしてもある程度ロングセットになるのでそういった意味でも新しい一面を見せれたらなと思っています。今後、ワンマンも視野に入れてやっていきたいし、そのロングセットでのいいライブみたいなのを勉強しつつやりたいなと。
Kazuya(Vo/ G)、cubs(B)(Sunrise In My Attache Case)×ISATO (Vo)、Daiki (Vo/Gt)(LOCAL CONNECT)
――次のステップを踏もうという大事なタイミングで、一緒にツアーを回れるのはいい関係性ですね。
ISATO:めちゃくちゃ嬉しいですね。何よりファイナルシリーズを設けたツアーで、ここに自分たちを呼んでもらえるのは相当光栄なことだと思います。たった一回しか対バンしてないですし、そこまで長い時間を一緒に過ごしたわけじゃないですけど、互いに必要としているなというのを、ライブじゃなくこうして話しているだけでも感じる存在なので、サンライズの大事なファイナルシリーズで僕らの色をしっかりと出して、綺麗ごとではなく、来てくれたお客さんが僕らとサンライズの化学反応とか、深いところも感じてほしいなと思います。2組の関係性とか、共通する部分とか、こんなに繋がってるんやというのを音楽で伝わった時に、お客さんは一番高ぶってくれるんじゃないかなと思うので、そこまで伝えられるライブにしたいなと思いますね。
cubs:僕らが今までやってきたイベントの中で、1番良かったなと思うイベントがいくつかあって。それは豪華なゲストが出てくれたというよりは、馴れ合いじゃなく、出演者全員が心で通じ合った上で、良いライブをそれぞれできたイベントが良かったと思えたんですよね。それをどのステージでも、常に出していきたいなと。今回の名阪に関しては、かなりそこを追求できるなと感じているというか……。サンライズとローコネの深い部分とか熱い部分を、お客さんと共有できるイベントになるんじゃないかと思っています。僕たちはそういう部分を120%出せるライブにしたいですね。
取材・文=大西健斗 撮影=森好弘

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