【速レポ】<中津川ソーラー>怒髪天
、「意志が見えるから、選ばれると嬉
しい」

午前中から降り注ぐ強い日差し以上に、煮えたぎる熱きロックを響かせたのが2年ぶりの出演となった怒髪天だ。
祭りの到来を告げるSEを背に、坂詰克彦(Dr)、上原子友康(G)、清水泰次(B)が順に登場。大きな拍手が巻き起こる中、増子直純(Vo)が颯爽と姿を表し、ビシッとクシで髪の毛を整えて、「裸武士」から始まったライブはもう迫力満点。この曲に限らず、全編を通してそうだったが、増子の指先からつま先まで神経が行き届き、力がみなぎっていることが遠くからでもわかるパフォーマンスは強烈だ。観るものすべての心に火を点けていき、気持ちいい青空の下、会場中から上がる“スッポンポン”の大歓声も痛快。最高のスタートダッシュを決める。
続けざまに「明日への扉」をドロップすれば高ぶったオーディエンスが前へと詰めかけ、増子の「飲めー! 昼間から飲めー!」という絶叫から放った「酒燃料爆進曲」でその盛り上がりをさらに加速。“朝焼けの空”を“中津川の空”と変えて歌う粋な計らいも嬉しいところだ。

「ちゃんとセレクトする意志が見えるから、選ばれると嬉しい」と<中津川 THE SOLAR BUDOAKN>への気持ちを語ってから、皆々がはしゃいで両手を振りまくり、大汗をかいた「オトナノススメ」を経て怒涛の後半戦へ進んだのだが、怒髪天が持つパワフルさで熱演された松田聖子の「夏の扉」にはヤラれた人も多いのではないだろうか。増子自身が「バカバカしいと思ってる人がいるかもしれないけど、やってる本人がおもしろおじさんだから」と自嘲気味に話す場面もあった。しかし、コミカルな動きも熱すぎる気持ちもすべてがつながって、全身全霊で他にはないロックを表現しているのが怒髪天というバンド。どれもが欠けてはならない要素に違いない。
また、会場中からピースマークが掲げられた、大きな包容力を持つラブソング「セイノワ」に続けて、最後に叩きつけた「HONKAI」は忘れられぬ名シーン。キャリアを重ねてきたバンドだからこそ生まれる説得力に満ち、この<中津川 SOLAR BUDOKAN>を象徴するような“ロックバンドが理想や夢歌わずにどうする”、“ロックバンドが本気で信じないでどうする”という歌詞がどこまでも突き刺さっていく。10月からはニューアルバム『夷曲一揆』のリリースツアーも始まる怒髪天は、すこぶる絶好調だった。
取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎上山陽介

【怒髪天@REVOLUTION STAGEセットリスト】

01. 裸武士
02. 明日への扉
03. 酒燃料爆進曲
04. オトナノススメ
05. 夏の扉
06. 愛の出番だ!
07. セイノワ
08. HONKAI


■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>

2018年9月22日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ

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