【My Hair is Bad・山人音楽祭2018】
結果を残し続ける今も、まだまだ自問
自答し続ける格好良さ

山人音楽祭 2018【赤城ステージ】 My Hair is Bad
本番ギリギリまでリハをして袖に戻らず、そのまま本番突入。リハの時から感じていたが、大きなステージが似合う。ボーカルの椎木知仁は27歳という若さだが、バンドキャリアは10年あり、日本武道館2日間も満杯で埋めている。その自信の表れなのか、1曲目「アフターアワー」からノリにノッている事がビシバシ伝わってきた。2年前に大阪のフェスのサブステージで観た事がある。その時は若手が噛みつく感じで、語りというか叫びというか、歌ではあるが、そのまま想いをぶつけるような、まさに爪痕を残しにいくステージだった。だが、今は全く違う。2年も経って、経験を積んでいたら、そりゃ全く違うのは当たり前だし、こちらが2年観れてなかっただけなのだが、こんなに進化を遂げていたのかと本当に驚いた。
My Hair is Bad
My Hair is Bad
3曲目「ドラマみたいだ」の前に、椎木は「ちょっと自己紹介を」と1992年に自分が生まれた事や少年時代の事や音楽と出逢った事を即興で語っていく、ギターを弾きながら。まさしく弾き語りだな、なんて思うが、ただ曲を歌うだけでなく、ギターにのせて、頭にこのような語りを入れるだけで、こちらへの伝わり方も変わってくる。それを尚一層感じたのが、終盤の「フロムナウオン」だった。
My Hair is Bad
先輩のBRAHMANMONOEYESに出順を挟まれた事を話しながら、キャリア15年、20年、30年の先輩たちがロックシーンの先頭に、夏フェスのトリにいる現在を語り、じゃあ自分たちがやるべきことを自問自答していく。MCで壮大なテーマを話すのだなと思ったが、想いをぶちまけるMCは、どうしても一言一句聞き逃したくないと思ってしまう。そう、自分たちがやるべき事という自問自答の結果は……、生意気をやるという事。若者らしくて素晴らしい答え。そこから語りという叫び、まさに2年前に大阪で観た、あの強烈な想いが伝えられ、「フロムナウオン」に入ってからも、即興のような歌詞で歌われていく。観客は立ち尽くすしかないが、椎木の強烈な想いは伝わっただろう。
My Hair is Bad
「ブームはブームだよ。どういうバンドが残っていくと想う? 本物が残るよ。俺らの事、本物か偽物か、どっちだと想う?」……、その場にいた全員に問いかけられた椎木の言葉が忘れられない。間違いなく皆同じ答えを胸に秘めて、ライブを観終えたはずだ。

文=鈴木淳史 撮影=HayachiN
My Hair is Bad

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