キャストの“死ぬ気”が全開! 初の
舞台化『家庭教師ヒットマンREBORN!
』the STAGEゲネプロレポート

2018年9月21日(金)、天王洲 銀河劇場にて『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGEゲネプロ公演が行われた。囲み会見には、リボーン役のニーコ、沢田綱吉役の竹中凌平、獄寺隼人役の桑野晃輔、山本武役の山本涼介、雲雀恭弥役の岸本勇太、六道骸役の和田雅成が登壇した。
原作・天野明による『家庭教師ヒットマンREBORN!』は、2004年から2012年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載され、2006年から2010年にはテレビアニメ化もされた人気少年漫画。勉強もスポーツも不得意な男子中学生“ダメツナ”こと沢田綱吉が、家庭教師のリボーンと出会ったことをきっかけに、マフィアの10代目ボスを目指し成長していく物語だ。
初の舞台化となる本作品の演出・脚本は、力強い演出が特徴の丸尾丸一郎(劇団鹿殺し代表)。テレビアニメでもリボーン役の声優をつとめたニーコは、囲み会見で「リボーンは私にとっての声優デビュー作でもあり、特に思い入れのある大事な作品」と、コメント。リアルタイムで原作を読んでいた竹中は、「ツナ役が俺でいいのかな?」と、キャスト決定時の心境を明かした。会見中は、事前に考えてきたコメントをド忘れしてしまい、「あれ、俺ちゃんと考えてたんだけどな……」とうろたえる一場面も。すかさず獄寺役の桑野が「大丈夫です、時間はいっぱいあります!」とフォローするも、骸役の和田に「そんなにないよ」と冷静なツッコミを入れられていた。原作キャラクターの関係性がそのまま反映されていたようなキャスト陣による“死ぬ気”がみられる会場より、ゲネプロ公演の模様をお届けしよう。
<あらすじ>
うだつのあがらない男子中学生・沢田綱吉の元に突然やってきた謎の赤ん坊家庭教師・リボーン。その正体は、イタリアからやってきたヒットマン!「オレの本当の仕事はお前をマフィアのボスにすることだ」と告げられた日から、ツナの日常は一転、“死ぬ気”の修行がはじまった。個性的な面々に囲まれ、慌ただしい日常を送っていたツナ。そんなある日、並盛中の生徒が次々と襲撃される。犯人は黒曜中の生徒で、その狙いはボンゴレ10代目のボスであることが明らかになり……。

ボンゴレファミリーとの出会いを描いた前半
物語前半は、ツナがリボーンや仲間と出会い、ゆるくて穏やかな日常生活が一転する様子をテンポ良く描いている。獄寺に山本、笹川、雲雀やヒロインたちとの各エピソードがコンパクトに凝縮され、違和感なくつながっていた。特徴的な声のリボーン(ニーコ)を舞台上で見られるのは、ファンにとっては懐かしくもあり、うれしい体験になるのではないだろうか。味わいある声によって、無表情のリボーンに愛らしさが増し、本作で見られる様々なコスプレ姿も見逃せない。
囲み会見で、「舞台化されたら、ツナのパンイチ姿はどうなるんだろう?」と疑問に感じていたと話す竹中だったが、劇中では、その姿を何度も披露している。リボーンに“死ぬ気弾”を撃ち込まれると、パンツ一丁の姿になってしまう初期設定を活かした中、パンイチ姿になるたび、ツナの下着デザインが変わっている細かな演出にも注目したい。
ツナのパンイチ姿が印象的
高身長で爽やかな笑顔が印象的な山本(山本涼介)や、5歳児と成長後の演技を巧みに使い分け、表情豊かなランボ(KIMERU)、しなやかなアクションと乱暴な言葉遣いのギャップが魅力的な雲雀(岸本勇太)、ツナのサポート役として気配りを欠かさない獄寺(桑野晃輔)など、個性豊かなキャスト陣が、それぞれのキャラクターを見事に演じきっていた。
映像を使ったアクションシーンも見逃せない!
物語後半は、襲撃を受けたツナ達が、敵のアジトに乗り込む戦闘シーンが中心となっていく。
今回の舞台では、映像とキャストの演技を合わせた演出も見どころの一つ。獄寺のダイナマイトを使った技をはじめ、骸(和田雅成)の幻覚を使う技では、桜の花びらが舞う中、雲雀と対戦するシーンが一際美しい。無数の毒針が飛び出すヨーヨーを使う柿本千種(稲垣成弥)や、獣化して戦う城島犬(椎名鯛造)の戦闘も、映像がアクセントになっている。「骸は今までに演じたことのない役」と、囲み会見でコメントしていた和田だが、後半は圧倒的な存在感で観客を惹きつける。骸の妖しい雰囲気だけでなく、特徴的な笑い声も違和感なく使いこなしていた。物語終盤、他人の体に憑依できる“憑依弾”を使って、それぞれのキャラクターの体を乗っ取っていく骸。こちらの場面では、各キャストによる骸の演技が見せどころだ。
左から、平山りの、稲垣成弥、和田雅成、椎名鯛造、川上将大
前半は、次々とハプニングに巻き込まれ、忙しなく舞台上を動き回っていた竹中も、後半の骸戦では静かな闘志を見せる。“ダメツナ”が成長していく姿を見届けて、これからの展開に期待を膨らませつつ幕が下りた。
囲み会見キャストコメント
——出演が決まった時の感想を教えてください。
ニーコ(リボーン役)
アニメと原作が終わった後も、またいつかこの作品が、どういう形であれ復活したらいいなと思っていたら、「舞台化します」と電話がきたので、思わず「リ・ボーン!(復活)」と叫んでしまいました。今度は身も心も外見も、すべて含めてリボーンになりきれるので、すごく嬉しいです。
竹中凌平(沢田綱吉役)
死ぬ気になった時のパンイチの姿や、リボーンにランボ、イーピンなどの二頭身キャラはどうなるんだろう?ということを不思議に思っていました。
桑野晃輔(獄寺隼人役)
獄寺を演じるにあたり、自分への期待感と、勝負できる役だなと感じていました。死ぬ気になって役作りに取り組んだつもりです。学生の頃から大好きだった作品に、こうした形で携われることが本当に嬉しくて、高揚感もいっぱいありました。
山本涼介(山本武役)
山本が一番好きなキャラクターなので嬉しかったですし、苗字も一緒なので、とても縁を感じています。大好きなキャラだからこそ、一生懸命演じないと、という気持ちがあります。
岸本勇太(雲雀恭弥役)
リボーンの世界を三次元でどのように表現するのかが楽しみだなと思いました。雲雀は原作でも人気のキャラクターですので、プレッシャーは感じましたが、僕にしかできない雲雀をやろうと心がけました。
和田雅成(六道骸役)
骸は今までに演じたことのない役というか、新しい扉をしっかり開かないと、この役とは向き合えないなと感じました。役をいただいた時は、プレッシャーをかけられつつ、「お前にこの役を任せたぞ」と言ってくれる人がいたような気がするので、しっかり応えようと思いました。
——意気込みや見どころは?
ニーコ(リボーン役)
全キャスト全スタッフが一丸となって、熱く熱く一ヶ月稽古をしてきました。その一方で、繊細な面もありまして、作品の大事な世界観を絶対に壊さないように大事にしてきました。暑苦しさと繊細さを兼ねそろえた舞台になったと思っているので、それをナマで感じていただければいいなと思っています。
見どころとしては、生身の人間が演じるキャラクターの魅力や、アクションシーン、リボーン作品の大事なスパイスになっているギャグの面。いろんな小ネタが舞台上に仕込まれているので、そういうところも合わせて、楽しんでください。
竹中凌平(沢田綱吉役)
稽古場はハードでしたが、体が資本なので、とにかく怪我なく無事に最後まで走りきれるように頑張りたいと思います。
桑野晃輔(獄寺隼人役)
僕の見どころは彼(竹中を指して)、10代目です。稽古場でも一切弱音を吐かず、必死に取り組んできた姿が舞台上でもみられると思います。そこをサポートする我々ファミリーだったり、敵チームだったり、いろんな個性豊かなキャストが取り囲んでいますので、ぜひ彼の頑張りを、そしてその次でいいので、僕らの頑張りを見届けてください。
山本涼介(山本武役)
すごく個性的なキャラが多い中、本当に普通の中学生っぽい役なので、それが山本武らしい天然の部分であり、舞台上で良いアクセントになっていると思っています。
岸本勇太(雲雀恭弥役)
ツナの頑張りや成長ぶり、リボーンの可愛らしさや強さに加えて、演出の丸尾さんがよく言っていた「熱さ」という部分を舞台上で感じられると思います。雲雀としては、骸とのシーンは必見だと思いますので、目を凝らしてみてください。
和田雅成(六道骸役)
リボーンという分かりやすくて素敵な作品を、僕たち人間が舞台上で表現することに、みんなそれぞれの命を削って挑んできて、あらためて、この作品は舞台にする意味があったなと感じました。その思いがお客さんにも伝わると嬉しいです。
——最後に、お客様へのメッセージをお願いします。
ニーコ(リボーン役)
舞台の魅力はナマの空気を、スタッフ・キャスト・お客さん、みんなで一緒に吸うとことだと思っているので、一緒に楽しんでほしいなと思います!
竹中凌平(沢田綱吉役)
お客様と一緒にリボーンの世界観を楽しめれば良いなと思います。よろしくお願いします。
桑野晃輔(獄寺隼人役)
この日のために僕らはやってきました。すべて舞台の上に置いていく覚悟です。劇場及び映画館でお会いしましょう!
山本涼介(山本武役)
原作やアニメとも違う、人間が演じるナマのリボーンの世界というものを肌で感じてください。
岸本勇太(雲雀恭弥役)
舞台を見ている間は感情が忙しくなると思うんですけど、皆さんの想像以上に楽しめると思いますので、ぜひ遊びにきてください。
和田雅成(六道骸役)
僕たちも楽しみたいと思いますし、皆さんも楽しむ心を持って会場に来ていると思うので、一緒に楽しみましょう!
なお、2018年10月6日には大千秋楽公演のライブ・ビューイングが全国の映画館で上映されることが決定している。リボーンの新たな世界が広がる機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

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