金爆、スカパラ、10-FEET、ももクロ
、森山直太朗、HYDE、THE ALFEEら、
たくさんの夢と魔法と奇跡を生み出し
た『氣志團万博2018』2日目レポート

シミズオクト Presents 氣志團万博2018 ~房総爆音爆勝宣言~

【DAY2】2018.9.16(日)千葉県・袖ケ浦海浜公園
『シミズオクト Presents 氣志團万博2018 ~房総爆音爆勝宣言~』2日目。曇り空ではあるけど、雨も降っておらず、海風が涼しく心地よい袖ケ浦の朝。今日も海沿いに開場を待つオーディエンスが長蛇の列を作っている。KISSES(氣志團ファン)と共に『氣志團万博』の歴史を作ってきたモノノフ(ももクロファン)の姿も多く見られるが、『氣志團万博』自体の知名度やブランド力、信頼度が上がっているのか、以前に比べて若い観客が目立ったりと、明らかに客層が広がってるのもよく分かる。
DJダイノジ 撮影=釘野孝宏
入場ゲートをくぐると、MOSSAIステージからは“Welcome DJ”を務めるDJダイノジのプレイが聴こえてくる。まだお客さんが会場に入りきっていないにも関わらず、フィールドから溢れるほど集まっている観衆。アゲ曲連発のアッパーなプレイに、知らない曲でも速攻で楽しめるように振り付けや掛け声をレクチャーしながら歌い踊るダンサー。世界チャンプ・大地洋輔によるエアギターも飛び出し、オーディエンスは朝から大熱狂! ジャンルレスに無条件で楽しい曲、カッコいい曲ばかりをセレクトし、「みんなの“好き”を肯定しに来ました!」と叫ぶDJダイノジの強い意志とこだわりを感じるステージは、『氣志團万博』の存在そのものを肯定しているようでもあった。
AMEMIYA 撮影=上山陽介
ゴールデンボンバー 撮影=上山陽介
ゴールデンボンバー 撮影=上山陽介
YASSAIステージでは“OPENING CEREMONY ACT”を務める、AMEMIYAが「氣志團万博に捧げる歌」を披露。2003年の初開催から現在に至るまで、『氣志團万博』の歴史を綴った大作を歌い上げると、<『氣志團万博』はじめました>とオーディエンスも巻き込んで合唱し、出演者代表として『氣志團万博』の開催を高らかに宣言。胸躍るオープニング映像を挟み、2日目のトップバッターとしてYASSAIステージに登場したのは、ゴールデンボンバー。ゾンビ姿からなぜか全裸になり、「カメラを止めるな!」と叫ぶ“金爆劇場”と呼ばれるオープニングVTRで笑わせると、「酔わせてモヒート」でライブがスタート。喜矢武豊(Gita-)が「今朝、潮干狩りをしていたら潮吹貝がいて」と語り、樽美酒研二(Doramu)は「袖ケ浦市のマスコットキャラを知ってますか?」とガウラくんを紹介する丁寧なネタ振りから、「抱きしめてシュヴァルツ」でガウラくんが描かれた樽美酒のケツに向けて、喜屋武が潮吹貝で潮を吹かせる。本物のガウラくんも登場したハチャメチャなステージは、ラスト「女々しくて」で会場をひとつにして大団円。朝から観客のテンションを沸点に持っていくという特攻隊長としての役割を果たしつつ、今年もガッツリ爪痕を残した。
ゴールデンボンバー 撮影=上山陽介
グループ魂 撮影=釘野孝宏
グループ魂 撮影=釘野孝宏
さらにYASSAIステージには、煽りVTRで綾小路が「バカの梁山泊」と最高の褒め言葉で紹介したグループ魂が登場。 終始フザケっぱなしだったグル魂は「君にジュースを買ってあげる」でやっとフェスっぽい盛り上がりを見せ、ラストは「ペニスJAPAN」でフザケきってフィニッシュ。観客も、金爆からグル魂とおバカの大物が続けて登場して午前中から下ネタを連発しても、呆れるどころか大喜びで受け入れる度量の広さを見せていた。
ベリーグッドマン 撮影=青木カズロー
LiSA 撮影=上山陽介
MOSSAIステージのトップバッターは、万博初登場のベリーグッドマン。「僕たちのステージを見るのは初めてという人?」の質問にたくさんの人が手を挙げるアウェイ状態の中、気がついたら一緒に歌い、気がついたら振り付けを合わせてタオルを振っているという、魔法のようなステージでオーディエンスを虜にする。「ライオン」では力強く美しいハーモニーでしっかり歌心を聴かせ、見る者の心にその名を刻んだ。続いてMOSSAIステージに登場したLiSAは「後輩としてキメてきました」と、『氣志團万博』への強い愛を感じる刺繍入りセーラー服で登場し、背中に背負った“愛羅武 氣志團”の刺繍をアピール。「会うと冷たい團長に、ライブを通じて愛を伝えていきたい」と、とびきりの笑顔と溢れるピースで会場を沸かすと、「せっかくセーラー服だから」と「ムーンライト伝説」のカバーまで披露するスペシャルなステージでたくさんの愛を振りまいた。
東京スカパラダイスオーケストラ、TAKUMA 撮影=青木カズロー
「『氣志團万博』は人生の花道、晴れ舞台」とまで言い切る東京スカパラダイスオーケストラは、「SKA ME CRAZY」で熱狂を生むと、TAKUMA(10-FEET)を迎えての「Samurai Dreamers」、ゲストボーカルとしてのCDリリースを懇願し続ける綾小路を迎えての「ちえのわ」と、万博ならではの華やかなステージで魅了。MOSSAIステージに登場した初登場のORANGE RANGEは超満員の観客に迎えられて登場すると、「上海ハニー」で始まるキラーチューンの連発で袖ケ浦に沖縄の暴風を吹かせる。その風は曇り空さえ吹き飛ばして、太陽と青空を呼び込み、「これが俺らのパワーです!」と「イケナイ太陽」で会場をぶち上げる、奇跡的なステージで伝説を残す。
ORANGE RANGE 撮影=釘野孝宏
ももいろクローバーZ 撮影=上山陽介
ももいろクローバーZ 撮影=上山陽介
ももいろクローバーZ 撮影=上山陽介
『氣志團万博』を“ももクロ万博”と言い続け、自分たちのイベントくらい愛情をもって出演している、ももいろクローバーZは、恒例の国歌斉唱から百田夏菜子の力強い独唱で始まる「吼えろ」でライブがスタート。「行くぜ!怪盗少女」では、宇宙犯罪組織マドーに突然襲われるというトラブルに見舞われるも、「宇宙刑事シャリバン」の伊賀電(渡洋史)がシャリバンに変身し、みごと敵を退治。『氣志團万博』に賭ける半端ない気合いを感じるステージで大興奮させてくれたが、特筆すべきはこの日初披露された、新曲「あんた飛ばしすぎ!!」。配信リリースが『氣志團万博』直前だったこと、ゲストとして登場した早乙女 光(氣志團)がMVにも出演してることなどから、『氣志團万博』のために作られた新曲だったのでは? と推測されるこの曲。攻撃的なパンクナンバーが『氣志團万博』の雰囲気にどハマリして、オーディエンスは大熱狂! 『氣志團万博』でしか見れないパフォーマンスや演出がモノノフの間でも注目を集めているももクロだが、この日に照準を合わせて新曲までリリースしたとしたら、本当にすごいことだし、そこには愛しか感じない。
10-FEET 撮影=青木カズロー
10-FEET 撮影=青木カズロー
氣志團を巻き込んでの即興コント“10-FEET劇場”が毎年のお約束になっている10-FEETも、ここでしか見れないパフォーマンスで『氣志團万博』への愛を表現。「おい、こんな所に楽器が置いてあるぞ」と氣志團メンバーが登場して始まったステージに「また始まった!」と観客をニヤつかせると、「君たち、何してるんだ!」と警察官の衣装で登場した3人が登場。落とし所の見つからないミニコントを観客が笑顔で見守り、警察官の格好のままでライブがスタート。相変わらずコントはグダグダだったが、一番大事なのは心意気。10-FEETが『氣志團万博』を思い、毎年頭をひねってネタを仕込む心意気にも、愛しか感じない。警察官の格好で「太陽4号」や「その向こうへ」といったシリアスな歌を歌い、熱いメッセージを届ける10-FEETが見られるのなんて、『氣志團万博』以外に絶対ありえないのだから。ま、他でそれをする必要もないんだけど(笑)。
the GazettE 撮影=中野修也
森山直太朗 撮影=釘野孝宏
森山直太朗 撮影=釘野孝宏
MOSSAIステージでは、ヴィジュアル系の特攻隊長として登場したthe GazettEが、袖ケ浦の野外ステージを怪しく美しい漆黒の世界に染める。「まさかの4回目の出演になります」と小さな笑みを浮かべると「UGLY」、「TOMORROW NEVER DIES」とハードなナンバーを叩き込み、ヘドバンの嵐が激しく波打つ異質な空間を生み出す。続いてMOSSAIステージに登場した森山直太朗は、この季節や情景にピッタリな「夏の終わり」でオーディエンスを魅了すると、「ここに集まった全ての馬鹿野郎へ」と、しっとりしたストリングスアレンジで氣志團「愛 羅 武 勇」のカバーを披露。しかし、途中から適当になっていく歌詞に、見ていられないと綾小路が乱入。二人で仲良く歌い上げると「あの曲歌ってよ、氣志團が応援するから」と綾小路のリクエストで「群青」を披露。ステージに登場した親衛隊姿の氣志團に応援されながら熱唱するも、<Hey Siri>の歌詞に合わせて尻を出す悪ふざけに、歌唱後の直太朗が激怒! 「新曲が台無しだよ!」と怒るも、「どうもありがとうございました」とステージを去る彼も尻が出ていたという、綺麗なオチで大爆笑を生んでステージを去る。初日の開会宣言もそうだったが、綾小路の相方として抜群の相性の良さを見せる直太朗も、現在の『氣志團万博』の影の立役者となっている。
森山直太朗 撮影=釘野孝宏
HYDE 撮影=上山陽介
HYDE 撮影=上山陽介
袖ケ浦が夕闇に包まれるころ、YASSAIステージに登場したのはHYDE。『氣志團万博』にはVAMPSとして毎年出演していたが、現在活動休止中なので、「『氣志團万博』にひと区切りつけるのにちょうど良い機会だと思ったんだけど」といいながら、ソロでの出演を決めた男気溢れる彼。「知らない曲ばっかりだと思うけど」とコーラス指導して披露した「ANOTHER MOMENT」などソロ楽曲を披露した後、突如始まったL'Arc~en~Cielの「HONEY」にはフィールドに観客が殺到し、会場中が大興奮&大熱狂! さらに「ピリオドの向こうに行こうよ」と言って「RISE UP」、「AHEAD」といったVAMPSのナンバーを叩きつけ、強烈な盛り上がりを生んだ。『氣志團万博』皆勤賞となるHYDEも、ソロで初出演を果たし、またここから始まる新しい物語の予感を感じさせた。
ヤバイTシャツ屋さん 撮影=中野修也
MIYAVI 撮影=青木カズロー
MIYAVI、HYDE 撮影=青木カズロー
「ずっと出たかった」という『氣志團万博』に初出演を果たすも、綾小路に贔屓される盟友に「いつも岡崎体育ばっかり!」と嫉妬をあらわにしていたのは、ヤバイTシャツ屋さん。「初出演の爪痕を残したいんです!」と「あつまれ!パーティーピーポー」、「ヤバみ」など、キラーチューンを連発して、MOSSAIステージをめちゃくちゃに掻き回す。岡崎体育との因縁には来年以降へと繋がりそうなプロレス的アングルが見え、ステージ下での物語も楽しみ! MOSSAIステージのトリとして出演したのは、サムライギタリスト・MIYAVI。世界基準のギタースラップ奏法を多様した、圧倒的なギタープレイで魅了すると、スペシャルゲストとしてHYDEを呼び込み、「翔やんに捧げます」と「All My Life」で奇跡の共演を果たす。才能と才能が共鳴し合う圧巻のステージは、2日間に数々のドラマと奇跡を生んだMOSSAIステージを締めくくるのに十分すぎるものだった。
THE ALFEE 撮影=hajime kamiiisaka
THE ALFEE 撮影=hajime kamiiisaka
THE ALFEETHE ALFEE 撮影=hajime kamiiisaka
すっかり陽も暮れて、YASSAIステージがきらびやかにライティングされる頃、壮大なオープニングSEをバックに降臨。1曲目「STAR SHIP -光を求めて-」が始まった瞬間、3人の美しいハーモニーとバンドアンサンブルで全ての人を圧倒したのはTHE ALFEE。「メリーアン」、「FLOWER REVOLUTION」と続き、卓越した歌とパフォーマンス、演奏で魅了すると「バンド結成45周年を40分間に凝縮してお送りしたいと思います」と、このステージに賭ける想いを語る。名曲「星空のディスタンス」は、センターステージに並ぶ3人のマイクを使わない生歌のアカペラで始まり、あいにく星空こそ無かったが、美しい歌と演奏でキラキラ光る夜空を想起させた。こうして、普段はなかなか観る機会のない本物のステージを体感出来るのも『氣志團万博』の醍醐味! 3人がステージを去った後も、とんでもないステージを体感したオーディエンスの拍手が鳴り止まなかった。
THE ALFEE 撮影=hajime kamiiisaka
氣志團 撮影=上山陽介
たくさんの夢と魔法と奇跡を生み出してきた2日間のお祭り騒ぎもいよいよラスト。YASSAIステージには、初日に続いてトリを務める氣志團が登場! 煽りVTRでは、自らを夏の甲子園で大活躍した金足農業高校に例えて「仲間だけを信じて決勝までたどり着いた」と語り、オープニングナンバー「スパトニック・シティ・ブビブビ」に続き、仲間との強い絆を表現する氣志團にとって大切なナンバー「鉄のハート」を披露。
森山直太朗 撮影=上山陽介
ももいろクローバーZ 撮影=上山陽介
ももいろクローバーZ 撮影=上山陽介
ももいろクローバーZ 撮影=上山陽介
ももいろクローバーZ 撮影=上山陽介
MCでは「今年はたくさんの痛ましいことが起きて……俺たちは大した力は持ってないんだけど、俺たちに出来るのは音楽だけなんだと思ってます」とシリアスに語ると、「なんでもアリだぜ、『氣志團万博』! なんでもアリだってことでゲストを紹介します」とスカパラホーンズ、そして西城秀樹に扮した森山直太朗を呼び込み、スカのビートにホーンアレンジを加えた、西城秀樹のカバー「走れ!正直者」を披露。さらに、ももいろクローバーZを呼び込むと、ちびまる子ちゃんのキャラ、あと、なぜか高城れにだけはコジコジに扮した4人が登場し、ZO-3ギターを背負って近藤房之助に扮した綾小路と共に、氣志團の演奏で「おどるポンポコリン」を披露。言うまでもなく、今年亡くなったさくらももこ先生、そして西城秀樹への感謝と追悼の意を込めたパフォーマンスだったが、最高の音楽でみんなで明るく楽しく偲べたのが最高だったし、平成最後の夏に、平成を駆け抜けた昭和ヤンキーが、ともに時代を生きた仲間たちと平成を代表する国民的アニメソングを披露するということになんとも意味があったし、感慨深いものがあった。
氣志團 撮影=上山陽介
氣志團 撮影=上山陽介
最高だった『氣志團万博2018』を締めくくったラストソングは「ゆかいな仲間たち」。氣志團のGIGでもラストに演奏されることの多い曲だが、<愉快 痛快 面白 可笑しな仲間たち>や、<長い長い一日が終わりまた過ぎてゆく 夢か幻か そんな日だ>といった歌詞、明るく楽しく牧歌的かつ、どこか寂しさや切なさを帯びたこの曲が、お祭り騒ぎのラストにあまりにハマりすぎていて、“あ~、楽しかった!”と心から満足できたし、来年の『氣志團万博』に向けて、“また明日から仕事や生活を頑張ろう”とすごく前向きな気分になれた。こうして、氣志團が大トリという大役をみごと務め上げ、大団円の中で終幕を迎えた『氣志團万博2018』。空には美しい花火が上がり、平成最後の夏の終わりを告げていた――。
取材・文=フジジュン
撮影=青木カズロー、上山陽介、釘野孝宏、中野修也
氣志團 撮影=上山陽介

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着