はじまりの予感とTempalayの「革命前夜」

はじまりの予感とTempalayの「革命前夜」

はじまりの予感とTempalayの「革命前
夜」

Tempalay(テンパレイ)。

小原綾斗(Vo, Gt)、竹内祐也(Ba)、藤本夏樹(Dr)にサポートのAAAMYYY(Syn)を加えた彼らは、いまの東京のインディーシーンでは台風の目のような存在だ。
2014年に結成され、これまでにFUJI ROCK FESTIVALやSXSWなど大型フェスにも出演。
エッジの立ったマイルドさ、という相反する個性が混じりあった彼らの代表曲が2ndアルバム「from JAPAN 2」に収録された「革命前夜」。
Tempalay「革命前夜」

海外、ハイジャック、宇宙。
イメージを喚起する言葉がメロディーに乗った瞬間に別の意味が立ち上がる。
君、美しい世界、惑星の片隅にいる自分。
届かない月、そして革命。
Tempalayのサウンドは、さまざまなジャンルのエッセンスが凝縮された濃厚な味わいが特徴だ。
音数が少ないシンプルなサウンドと意表をつく展開が、彼らの音楽に独特の風通しの良さをもたらしている。
はじめて耳にしたときそのユニークさに驚いたが、彼らと仲の良いドミコMONO NO AWAREにも通じる空気感だ。
そんな空気に乗せて歌われる「革命」。
届かない場所から君に向けられた言葉には、ここにないものをつかもうとするたしかな意思がにじむ。
彼らがもたらそうとするものの正体

ほかに代わりがいない「君」を絶滅危惧種と表現する言葉のセンスに、そこはかとなく醸し出される詩情。
1人の人を好きになることと、世の中を革命することのどちらが難しくて、どちらがより意味のあることなのだろうか?
オブラートにくるんだ言葉の底にはそんな疑問もひそんでいる。
そして、革命という言葉は今あるものに取って代わる意思を含んでいる。
オルタナティブであろうとすること、それがこの曲の裏テーマであり、彼らがもたらそうとするものの正体だ。
新時代のアンセムといえる1曲
その柔らかさと新しさでオルタナティブを再定義するTempalay。
文化祭前日の誰もいない教室のような、何かがはじまりそうな予感が漂っている。
静けさの中に狂騒の気配をもった「革命前夜」は、新時代のアンセムといえる1曲なのだ。
TEXT:石河コウヘイ

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