Superfly

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【Superfly インタビュー】
“あるから”という
肯定的な言葉の引力

Superflyのニューシングル「Gifts」はNHK全国学校音楽コンクール『Nコン』中学校の部課題曲用に書き下ろされたやさしいバラード。志帆はどんな想いを込めて歌詞を書き、どんな気持ちで歌ったのだろうか。

この夏は久しぶりにフェスの出演がいくつか続きましたね。7月に横浜アリーナで開催された『J-WAVE LIVE SUMMER JAM 2018』のステージを観ましたが、すごく楽しんで歌っているように感じられました。

ああいう大きなところで歌うのは2年以上振りでしたけど、意外と落ち着いて歌えましたね。なんか、前より緊張しなくなったんですよ。「タマシイレボリューション」とか「Alright!!」のようなロックナンバーは、今までは“いくぞーっ!”って感じでとにかく盛り上げるように歌っていたんですけど、ああいう曲でも今は軽やかに歌えるようになった。演奏やアレンジが大きく変わっているわけではないんですけど、私の気持ちの入れ方と抜き方が以前とは違うんです。そうやって年齢によって曲に対する向き合い方が変わるのを素直に受け入れたら、この先も長く歌っていけるんだろうなって思いましたね。

ニューシングル「Gifts」の話をしましょう。この曲はNHK全国学校音楽コンクール『Nコン』中学校の部の課題曲として書き下ろされたものですが、その話があって初めにどんな曲にしようと考えたのですか?

どんなメッセージを込めるのがいいのか、メロディー的にはどんなものが中学生に合うのかと考えて。最初はいかにも合唱曲といった感じのものより、明るいノリでクラップが入るようなものがいいんじゃないかと思ったんですけど、たぶん合唱をやっている子たちはそういうシャッフルのリズムに慣れてないだろうから、じゃあ思考を変えてやさしい気持ちになれる曲がいいなと。歌詞に関しては、その頃の自分を思い出しながら考えていきました。あの頃にこういう曲があったらもっと自分は明るい気持ちで過ごせただろうなと思えるようなもの。歌いたい!って素直に思えたであろう曲を作りたいと思ったんです。

中学生たちの気持ちに寄り添えて、しかも自分の気持ちも重ねられる歌詞ということですね。

そうですね。じゃあそれはどういうものかと言ったら、自分に“ない”ところに目を向けるんじゃなくて、自分に“ある”ものに目を向ける歌がいいんじゃないかと。自分には光るものがあるんだってことをちゃんと言える曲にしたいって。“ない・ない・ない”じゃなくて、“あるんだ・あるんだ”っていう気持ちに引っ張られる歌。言葉の引力がある歌にしたいと思ったんです。

初めに自信のなさなどネガティブな感情を歌って、でもそこから自分には大切なものがあるんだというポジティブな考えや希望へと反転させる曲は、これまでのSuperflyの楽曲にも少なくなかったですよね。そういう意味で、これもすごくSuperflyらしい曲だし、考え方が一貫していると思いました。

あぁ、言われてみると本当にそうですね。嬉しい。

だから、大人が聴いても心に響く。大人になっても誰かと自分を比較して劣等感に苛まれることはありますからね。

そうそう。私自身、中学生の頃は“ない・ない・ない”って思っているような子供で、じゃあ大人になってそれが完全になくなったかというと、やっぱり心の中が満たされてないことを自覚することは今でも時々あることで。だからこそ、表現を続けているんだろうなとは思うんですけどね。でも、中学生とかそういう一番多感な頃に“ない・ない・ない”ではなくて“あるんだ・あるんだ”って思いながら過ごしていけてたら、大人になっても寂しいという気持ちが減って、人に対してもやさしい気持ちでいられるんじゃないかなって思うところもあって。

なるほど。

だから、“ある”ものは特別な才能とかじゃなくて、もっと身近なことがいいと思ったんです。当たり前にみんなが持ってることを書きたいなと。まず、誕生日がない人なんていないじゃないですか。それから名前。生まれた日があって名前があるっていうだけでも価値があるんだよって。

“聴きたい歌や声”“泣いた本や映画”があるからというところに自分はグッときました。そういうものがあるから生きてることを実感できる。それは大人になった今、よりそう思う。

泣いた本や映画があるってことは、感動する心があるってことなんですよね。そして、感動したり憧れたりしたら、それが夢にもつながっていく。あと、どういうものに感動するかは人それぞれで、それがその人の個性でもあるんだよって言いたくて。

曲は《下弦の月が あんなに輝くように》というフレーズで始まりますが、“下弦の月”にどんな想いを託しているんですか?

月って満月もあれば三日月もあってかたちを変えるけど、どれも美しいじゃないですか。影になって見えない部分があっても光量は変わらないし、堂々と光を放っているように見える。満月と比べたら下弦の月は欠けてるけど、そう見えるだけで本当はまあるいんだよってことを言いたくて。だから、二番では《強く まあるい 心が あるから 輝くはず》って歌っているんです。

タイトルは“Gift”じゃなくて“Gifts”で。複数形ですね。

一個じゃなくて、持ってるものはたくさんあるんだよってことを表現したかったから、そうしました。

改めて自分でレコーディングするにあたって、歌う際に意識したのはどんなことでしたか?

合唱曲ってことを意識すると自分もそういう歌い方になってしまうので、そこは切り離して考えました。ちょうどその頃、ジャニス・イアンの曲をよく聴いていたんですよ。だから、フォーキーな中にもソウルフルな節回しを入れて合唱曲との違いを出そうと。あまり声を張らないように歌えればいいなと思ったんですけど、途中で結構熱くなっちゃいましたね(笑)。

この曲がどう広がったら志帆さんは嬉しいですか?

聴いた人が自分のGiftsを見つけることで、今度は誰かのGiftsをその人が教えてあげられる。そうやって広がっていくことにこそ、この歌の意味があるんだろうなと今は思ってます。

“あるからの輪”が広がっていく。そんな感覚ですね。

“あるからの輪”(笑)。そう、それ。そうなっていくといいな。

取材:内本順一

シングル「Gifts」2018年10月10日発売 WARNER MUSIC JAPAN
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • WPZL-31510〜1 ¥2,000(税抜)
    • 【通常盤】
    • WPCL-12938 ¥1,200(税抜)
Superfly プロフィール

スーパーフライ:2004年結成。07年にシングル「ハロー・ハロー」でデビュー。08年に1stアルバム『Superfly』をリリースすると、2週連続1位を記録! その後も連続アルバムランキング1位と大ヒットを記録中。志帆の圧倒的なヴォーカル、ライヴパフォーマンス、そしてオリジナリティーあふれる独自の音楽性から、現在もっとも注目を集めているアーティストのひとりだと言えるだろう。Superfly オフィシャルHP

Superfly
シングル「Gifts」

「Gifts」リリックビデオ
(Short Ver.)

OKMusic編集部

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