L→R 古賀隼斗(Gu&Cho)、飯田祐馬(Ba&Cho)、谷口 鮪(Vo&Gu)、小泉貴裕(Dr)

L→R 古賀隼斗(Gu&Cho)、飯田祐馬(Ba&Cho)、谷口 鮪(Vo&Gu)、小泉貴裕(Dr)

【KANA-BOON インタビュー】
カップリングでの挑戦は、その後に
つながっていくことがよくある

「夜の窓辺から」はただの新曲ではなく
バンドの未来を照らしていく曲

カップリングの曲は歌詞で結構ドロドロした感情を描いていることがあるのも興味深かったです。

谷口
シングルの2曲目はソリッドめなものになることが多いから、歌詞も怒りだったり、強いエネルギーを持つことになるんですよ。あと、人生観が歌詞に出たりもしますね。

「ミミック」は怒りを感じました。

谷口
「ミミック」は「結晶星」(2014年2月発表の2ndシングル)のカップリングだから、デビューしてすぐくらいの時ですね。当時、イライラしていたというか(笑)。外の世界と触れ合うようになって、“勝手なことを言う奴が多いな”という負のエネルギーに包まれることがあって、それを跳ね返したかったんです。顔が見えないのにめちゃくちゃなことを言う人がいるっていうのを感じていた時期ですから。

9枚目のシングル「Wake up」(2016年10月発表)のカップリングだった「Weekend」からも沸々としたものを感じます。

谷口
その頃はひとりっ切りで夜に音楽を聴いていることがよくあったので、そういうのが出ている歌詞ですね。デビューしてからしばらくの間は、どんどん自分の殻に閉じこもっていくような感じだったんです。
古賀
「Weekend」は曲調が明るくて、ギターのカッティングも楽しくやっていたから、歌詞を見てびっくりしました。曲だけの段階では“KANA-BOONでここまで陽の成分であふれ返っているのは珍しいな”と思っていたんで。
谷口
そうなのに、これ(笑)。でも、大きい意味で言うと“音楽、楽しいな”っていう歌詞やけどな。

それぞれの曲ならではの魅力がありますね。「街色」っていい曲だなと改めて思ったんですけど。

谷口
「街色」は僕も好きです。変に肩に力が入っていない感じで、ふとした時に聴きたくなるような雰囲気の曲だと思うので。こういうのをどれだけ生み出していけるかが勝負のような感じもあります。パワー系の曲は作ろうと思って自分の中のスイッチを入れると作れるんですけど、「街色」みたいな曲は作ろうと思ってもなかなか作れないんです。

こういう穏やかな叙情性が漂う曲はKANA-BOONを語る上で欠かせないですよ。“素朴さ”と言ってもいいんですかね? メンバーのみなさんもずっとそういう感じですし。

谷口
ご覧の通り、メンバーにパリピはいませんから(笑)。

(笑)。みなさんの外見も素朴さを保ち続けていますよね。服の好みもずっと同じような感じですし。

古賀
僕ですか?
谷口
服が変わらない代表がここに(笑)。

新曲の「夜の窓辺から」もいい曲ですね。

谷口
ありがとうございます。最近は自分ひとりで曲を作ることも多く、暗い狭い部屋で夜中にやっているので、そういう孤独の中から生まれたものが自分のもとから羽ばたいていってみんなのものになっていくというのは、やっぱり音楽の魅力的な部分なんですよね。そういうことを歌っています。

“音楽を作って届ける”っていうことに対する気持ちがすごく表れている曲ですよね。

谷口
はい。でも、いろんな想いがこもっているんです。最初は地元でやる『ヨイサヨイサのただいまつり!2018 in 堺』に新曲を持って行きたくてセッションで作り始めたんですけど、そのあとに歌詞を書き始めたら西日本の豪雨災害があったんですよね。そこで思った“今歌うべきことって何だろう?”とか“自分は音楽で何をしたいんだろう?”とか、そういう気持ちも反映されたものになりました。いろんな環境にいる人たちの力になれるような曲にしたかったんです。聴く人が“これは自分の歌なんだ”と感じるような曲になってくれたらいいなと思っています。
飯田
いつもあまり歌詞について話し合ったりはしないんですけど、この曲に関しては“こういう曲だから”ということと、“これからのKANA-BOONはどうあるべきか?”っていう部分も踏まえた話をしました。“この曲をちゃんと鳴らせる4人にならないと!”ということも思っています。演奏する楽しさとか自分たちの音楽のカッコ良さを知ってほしいっていうことじゃなくて、気持ちをちゃんと乗せて届けたいということをすごく感じている曲です。
古賀
メンバーが気持ちを共有したことによって、すごく大事な曲になりました。思いっ切り感情が見える音で録れたんじゃないかなと。この曲を録れたことによって、ギタリストとしても次のステップに進めるんじゃないかなとも思っています。プレイヤーとしても、バンドとしても成長することができる曲になりそうです。
小泉
ちゃんと想いを込めて叩かないといけないって考えましたし、今後ライヴでやることによって一段階上のものに仕上がるのかなと思っています。こういう広い空間を感じられるようなビートはこれまでの曲にはなかったので、そういうものもライヴでちゃんと表現したいです。
谷口
ただの新曲ではなくて、バンドの未来を照らしていく曲だと思っています。これをちゃんと心の底から鳴らすことで、ミュージシャンとしても、人間としても変わっていくのかなということも感じるんです。だから、この曲ができたことによって、この先が楽しみになりました。

なるほど。あと、今作には「盛者必衰の理、お断り (和和和 version)」も収録されていますけど、琵琶、尺八、和太鼓とかの音が入った新しいアレンジには意表を突かれました。

谷口
和っぽい感じをもともと意識していた曲なんです。『KBB vol.1』で「さくらのうた」をアコースティックアレンジにしたので、今回は違うことをしたくてこうなりました。でも、自分たちだけではできないなと思って亀田誠治さんの力をお借りしたんです。“カッコ良すぎて笑う”みたいなものになったと思います。

デビュー5周年はいろんな企画が着々と実現していますけど、10周年の頃にはどんなバンドになっているんですかね?

谷口
そんなに変わっていない気がします。でも、5年後くらいには古賀あたりがそろそろ…
飯田
翼が生える?
小泉
なんや、それ(笑)。
谷口
マントを着だすとか?
飯田
ケースに入れずにアコギを背負ってさすらうとか?
古賀
いつでも弾けるように(笑)。

(笑)。10月から来年の3月にかけて55公演を行なうワンマンツアーもありますが、これも楽しみです。

谷口
5周年だから55公演なんですけど、多すぎるんじゃないかなという話もあります(笑)。でも、47都道府県を回れるのが嬉しいです。本当の意味での全国ツアーをずっとやりたかったので。「夜の窓辺から」という曲もありますし、ちゃんと各地を回る意味、理由があるし、楽しみにしています。

取材:田中 大

アルバム『KBB vol.2』2018年9月19日発売 Ki/oon Music
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • KSCL-3087~8 ¥3,600(税抜)
    • ※どうでもいいオマケ019封入
    • 【通常盤】
    • KSCL-3089 ¥2,500(税抜)
    • ※初回仕様:どうでもいいオマケ019封入
    •  

ライヴ情報

『KANA-BOONのGO!GO!5周年!シーズン3 野外ワンマン「ヨイサヨイサのただいまつり!2018 in 堺」』
9/24(月) 大阪・大浜公園

『KANA-BOONのGO!GO!5周年!シーズン4 ワンマンツアー「Let’s go 55 ONE-MAAN!!」』
10/01(月) 千葉・LOOK
10/03(水) 東京・Zepp Tokyo
10/04(木) 東京・Zepp Tokyo
10/07(日) 山梨・甲府 CONVICTION
10/10(水) 茨城・水戸 LIGHT HOUSE
10/13(土) 北海道・帯広 MEGA STONE
10/14(日) 北海道・北見 ONION HOLL
10/20(土) 高知・CARAVAN SARY
10/21(日) 香川・高松 festhalle
10/25(木) 愛知・Zepp Nagoya
10/26(金) 静岡・LIVE ROXY
10/28(日) 群馬・高崎Club FLEEZ
11/02(金) 北海道・Zepp Sapporo
11/04(日) 北海道・函館 club COCOA
11/10(土) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
11/11(日) 広島・BLUE LIVE
11/15(木) 長野・CLUB JUNK BOX
11/17(土) 福井・響のホール
11/18(日) 富山・MAIRO
11/22(木) 岩手・盛岡 CLUB CHANGE WAVE
11/24(土) 秋田・Club SWINDLE
11/25(日) 青森・Quarter
12/01(土) 島根・出雲 APOLLO
12/02(日) 鳥取・米子 AZTiC laughs
12/04(火) 兵庫・神戸 VARIT.
12/06(木) 京都・KYOTO MUSE
12/08(土) 愛媛・松山SALONKITTY
12/09(日) 徳島・club GRINDHOUSE
12/13(木) 埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
12/15(土) 神奈川・Yokohama Bay Hall
12/18(火) 大阪・梅田 Shangri-La
12/19(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside
[ 2019年 ]
1/10(木) 山口・RISING HALL
1/12(土) 福岡・DRUM LOGOS
1/13(日) 福岡・小倉LIVE SPOT WOW!
1/17(木) 栃木・HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
1/19(土) 新潟・LOTS
1/20(日) 石川・金沢 EIGHT HALL
1/26(土) 鹿児島・CAPARVO HALL
1/27(日) 宮崎・WEATHER KING
1/29(火) 大分・DRUM Be-0
1/31(木) 長崎・DRUM Be-7
2/02(土) 佐賀・GEILS
2/03(日) 熊本・B.9 V1
2/08(金) 山形・ミュージック昭和 Session
2/09(土) 宮城・SENDAI GIGS
2/11(月) 福島・郡山 HIPSHOT JAPAN
2/14(木) 静岡・LiveHouse 浜松 窓枠
2/16(土) 岐阜・club-G
2/17(日) 三重・松阪 M'AXA
2/21(木) 奈良・NEVERLAND
2/23(土) 和歌山・SHELTER
2/24(日) 滋賀・U★STONE
3/02(土) 沖縄・ナムラホール
3/09(土) 台湾・THE WALL

KANA-BOON プロフィール

カナブーン:大阪・堺出身のロックバンド。2012年に開催された『キューン20イヤーズオーディション』にて4,000組の応募者の中から見事優勝し、13年9月に1stシングル「盛者必衰の理、お断り」でメジャーデビュー。14年8月には地元大阪で野外凱旋ライヴを行ない、デビューから1年足らずでありながら16,000人超を動員。15年には大阪城ホールと日本武道館での単独公演を、16年には初の海外公演を含む全21公演の全国ツアーを敢行し大成功を収めた。そして、18年にメジャーデビュー5周年を迎え、5シーズンにわたる5リリース・5イベントを企画し、現在遂行中!KANA-BOON オフィシャルHP

L→R 古賀隼斗(Gu&Cho)、飯田祐馬(Ba&Cho)、谷口 鮪(Vo&Gu)、小泉貴裕(Dr)
谷口 鮪(Vo&Gu)
古賀隼斗(Gu&Cho)
飯田祐馬(Ba&Cho)
小泉貴裕(Dr)
アルバム『KBB vol.2』

「夜の窓辺から」MV

OKMusic編集部

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