【KANA-BOON インタビュー】
カップリングでの挑戦は、その後に
つながっていくことがよくある
シングルのカップリング曲を集めたアルバム第二弾『KBB vol.2』は、5年間の活動の中でのKANA-BOONの進化を鮮やかに示している。新曲「夜の窓辺から」と新アレンジの「盛者必衰の理、お断り」も収録されている同作について語ってもらった。
“B面にこそ!”みたいな
謎のエネルギーがある
3月にカップリング曲を集めたアルバムの第一弾が出ましたけど、最初から第二弾も出す予定だったんですか?
谷口
そうです。『KBB vol.1』(2018年3月発表)と『KBB vol.2』は同じタイミングで選曲しましたから。バランス良く2枚に分けたかったんですよ。こういうかたちで出すというのは古賀案でした。
古賀
シングルは毎回カップリングが2曲入っているので、1曲ずつ選ぶのはどうかなと。あと、それぞれのアルバムが1枚としていいバランスになる分け方にしたいというのも思っていましたね。
谷口
“B面にこそ!”みたいな謎のエネルギーがあるバンドでもあるので、面白い内容になったと思います。
小泉
表題曲も自由にやっているんですけど、カップリングはもっと自由に作っているんですよね。だから、聴いていて面白い曲が多いです。
飯田
表題曲は“こういうのが王道”っていうのがメンバー内で固まっているところもあるんですけど、カップリングの曲はそういうのを打ち破ろうとしているのが見えるんですよね。久しぶりに聴いたら“なんや、この展開!?”っていう曲もあるからわくわくします。
谷口
カップリングでの挑戦は、その後につながっていくことがよくあるんです。デビューしてから5年間頑張ってきたことも感じてもらえると嬉しいです(笑)。自分でも“よく頑張ったなぁ”って感じて、自信にもつながっていますから。例えば「ワンダーソング」は自分たちの枠の中から飛び出せている曲だなと感じますね。
ちょっとカントリー&ウエスタンみたいな牧歌性が漂うサウンドの曲ですよね。
谷口
はい。そろそろ今までやってきたのと大きく違うことをやってみたいと思ってトライした曲なので。それでもKANA-BOONになるっていうのも感じました。
古賀
いつかこういう曲でバンジョーとか弾いてみたいですけどね。弾くんだったら本物のほうがいいので。
谷口
古賀のパートが“バンジョー&コーラス”に(笑)。
古賀
カップリングはギターソロを結構わがままに弾いている感じもありますね。曲のダークな部分を引き出したり、ソリッドなものが多かったり、シングルごとにいろんなアプローチを更新できていると思います。
リズム隊に関しても、カップリングを辿るとアプローチがどんどん広がっているのがよく分かります。
小泉
4つ打ちでもいろんなフレーズをやってみたり、手数を増やしたりしてきましたからね。そういう中で身に付けたものを他の曲に活かしていけることが多いので、カップリングは大事な挑戦の機会です。
飯田
ベースの音に関してもカリカリの音が好きだったんですけど、いろんなサウンドが混ざった上でのベースの役割を考えるようになって、その点も変わっていきました。そういう変化も今回のアルバムを聴くと分かると思います。
歌声も変化しましたよね。
デビューした頃は少年の面影を感じる声ですよ。
谷口
そうですね。もう僕も28歳ですので、さすがにそういう声ではなくなりました(笑)。それは自分としてはめちゃくちゃ嬉しいことです。今も変化中ですし、ちゃんとレンジの広い声になれたというか。そういうことによって、やれることが増えてきたのも嬉しいです。でも、逆に声質上、やれないことも多いんですけど。しゃがれた声は出せなかったりしますから。
ハードコアな感じの曲には合わない声ですからね。
谷口
やってみました感が半端ない(笑)。そういう曲やるんだったら、歌うのはこいちゃん(小泉の愛称)やな。
飯田
その曲で古賀がバンジョーを弾いて、こいちゃんがデスヴォイスで歌うんやろ?