『みねこ美根の“映画の指輪のつくり方”』

『みねこ美根の“映画の指輪のつくり方”』

『みねこ美根の
“映画の指輪のつくり方”』
- 第十四回 -
「ローズマリーの赤ちゃん」の指輪

2017年から本格的に活動を開始したシンガーソングライター〈みねこ美根〉が大好きな映画の世界から作り出す紙粘土細工と指輪の制作過程をお見せします。ミニチュア好きな方、アクセサリーづくりに興味のある方は是非見ていってください。指輪はライブ会場にて展示しております。

動画監督・撮影・編集・演奏:みねこ美根

「いわくつきのところには住むな」
(1968年「ローズマリーの赤ちゃん(Rosemary’s Baby)」)

 「母性本能をくすぐられる」という表現が大嫌いだ。それを言う女性も嫌だ。「私はそういう本能を秘めているの、My little boy…」そういわんばかりだ、オーマイガー。女性性を他者に対して表現することが、私にはどうしても分からない、訳が分からない。小さい子どもや赤ちゃん、生まれたての動物…とっても可愛いし、好き。しかし、それは本能によるものなのだろうか?ところで、母の友人に、私と同じ誕生日の女性が二人いて、そのお二方とも双子の子どもがいるという。

…………。

未来は神のみぞ知る……。…いや悪魔のみぞ…かもしれない。
 1968年ロマン・ポランスキー監督の「ローズマリーの赤ちゃん」は、夫婦であるガイとローズマリーが、あるアパートに引っ越してくるところから始まる。お節介な隣人の老夫婦、売れない俳優から一転、抜擢続きとなった夫、ローズマリーが親のように慕うハッチの忠告、いわくつきのアパート…。あるときローズマリーは、夢とも現実ともわからない謎の儀式を目にし、その後、ローズマリーは自身が妊娠していることを知る…。

 グロいシーンは一切なし、しかし、緊張感、精神的な圧迫感が半端ない。こんなに疲れた映画は久しぶりだ。見終えた後も、まだ映画の世界を漂う気持ち。私が初めて映画館で映画を見た作品は、「千と千尋の神隠し」だった。当時4歳頃、見終えた後、「自分は千なんだ」と夢見心地、どっぷり世界から抜け出せないまま数日過ごした覚えがある。あの感じ。

 妊娠中とあって気持ちも体調も不安定なローズマリーに、さらに襲い掛かる不安と恐怖。序盤は、これからホラー映画が始まるとは思えない色合いと雰囲気だが、部屋をのぞき込むようなアングル、少し下に位置したカメラから、後ろ姿を捉えるだけで、人物の“得体のしれない感”がこんなにもでるのかと、不気味な世界に引き込まれていく。ローズマリーの夢のシーン、儀式のシーンなど、芸術的な場面にも驚かされる。ぐわんぐわんと酔うような感覚を、ベッドを海に浮かせるように見せて表現したり、壁が消えたり…。ただのびっくり系ホラーではない、精密さと緩急を感じて映像としても見ごたえあり。
 そして、なんといっても最高なのが、ローズマリーの衣装! もう、めっちゃくちゃに可愛い!! 部屋着もよそ行きのワンピースも、ショートヘアにチェックのベレー帽もたまらない。部屋のセットも淡い黄色で揃えられており、キッチンとか最高。見どころ満載とはこのこと。さらにローズマリー演じるミア・ファローの華奢な体つき、どこか弱々し気な足取り、驚き怯える繊細な表情に、心奪われる。

 母になるということは、喜ばしいことであるのと同時に得体のしれない恐怖や不安が常にまといつくものなのではないかと思う。自分の中に新しい生き物が存在すること、自分の中で育っていくこと。この映画、悪いことは言わない、妊婦さんは見ちゃだめ! しかしその経験を経たら、本作をまた新たな視点で見ることができるかもしれない。
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モチーフ:ゆりかご、お守りのペンダント、ハッチが残した本、
     ローズマリーが買った赤い本、電話の受話器、
     こぼれる特性ジュース、アルファベットのパズル、ナイフ
音楽:「Lullaby」Krzysztof Komeda(オルゴールver. cover)
みねこ美根 プロフィール

ミネコミネ:東京都出身の現役大学生シンガーソングライター。幼少時よりバレエ、ピアノを習い、6歳の時にピアノで初めて作曲。11歳からはギターでの作曲を開始し、現在はピアノとギターを用いて活動中。映画をテーマにデザインした指輪の制作なども行なっている。みねこ美根 オフィシャルHP
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みねこ美根 オフィシャルYouTube

OKMusic編集部

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