Easycome、The Wisely Brothers、ナ
ードマグネットら今注目の3組が競演
『YOUNG POP CLUB~お盆編~』

『YOUNG POP CLUB~お盆編~』2018.8.15(Wed)Live House Pangea
8月15日(水)、大阪心斎橋のLive House Pangeaにて『YOUNG POP CLUB~お盆編~』が開催された。今後ブレイクが予想される「今のうちに要チェック」なアーティストを集めるイベント『YOUNG POP CLUB』は、昨年11月と今年5月にも行われ好評を博し、この~お盆編~で早くも3回目。今回もジャンル・エリア問わず今話題の3組が登場し、お盆休みど真ん中の一夜をグッドミュージックで彩った。
●Easycome
Easycome
『YOUNG POP CLUB』2回目の出演となる4人組Easycome。トップバッターにも関わらず、1曲目の「strange」から、さわやかで耳なじみのいいメロディでリラックスした空気を創出。観客はすんなりと音楽に身を任せ始める。透明感あるボーカルも清々しく、フロアとアイコンタクトを取りながら見せるちーかま(Vo/G)の笑顔は彼らの音楽を表しているようだ。さらに続く「風の便りを教えて」と「つつじ」では、軽快なハミングのようにもメロウにも響くギターや、伸びやかかつ艶もある歌声で、美しくどこか幻想的でもある音世界を広げ、会場は夢見心地のムードに! 
Easycome
さらにテンポアップして進む「ginger」では70 ‘sのノスタルジックさも隠し味にして懐の深さを見せると、新曲の「旅気候」も披露。弾むベースにはうねるギター、パワフルなボーカルが乗って観客は思わずクラップの盛り上がり。
Easycome
またMCでちーかまは、「私にとってうれしいスリーマンです!」と語り、The Wisely Brothersについては「女の人がかっこいいのが、めちゃ好きなんですよ」と、ナードマグネットについては「初めてライブを見た時、泣いちゃって……」とそれぞれを絶賛。「YOUNG POP CLUB」の魅力は演者側にとっても変わらないことを教えてくれる。
Easycome
そして「Easycomeと(競演)できたぜ! って言われるようになりたいね」(ちーかま)というキラキラした言葉から、結成当初から大切にしてきた曲「夢中にならないで」と再度新曲の「想い出にさよなら」を続けてプレイ。かわいい毒もあるポップから甘くせつないロックへと続け、存分に観客のハートを揺さぶり、イベント一番手の大役を果たした。
Easycome
●The Wisely Brothers
The Wisely Brothers
登場のSEから会場はクラップでメンバーを迎えると、それにこたえるかのように切れのいいドラムがリードする「庭を出て」で走り出し、さらにビートが体を突き抜ける「彼女のこと」へ。陰と陽を自在に行き来するような展開とHaruko Madachi(Vo/G)の淡いボーカルが他にはない「Wisely ワールド」を早々に完成させ、曲後にはフロアから“Fu!”の歓声があがる。すると次は3人のコーラスワークでも浮遊感を作る新曲「柔らかな」。
The Wisely Brothers
曲後半に向けて徐々に熱を上げたかと思えば、スローな「マリソン」へとつなげ、“サハラ砂漠”の大サビのリピートを強く耳に焼き付ける。またその長めのアウトロは彼女たちの唯一無二の質感を色濃くし、今度はスモークに浮かび上がる3人のシルエットが脳裏に焼き付く。
The Wisely Brothers
そして続く「おいで」と「The Letter」ではウイスパー、アップダウンするBPM、ガーリーな歌声で綴る英語詞、パワーあるベースライン……と、緩急つけて色とりどり。あの手この手で飽きさせない。さらに中毒性の高い「Fu、Fu」のコーラスを乗せた「Season」のロックで温度を上昇させて全員をビッグスマイルにし、その盛り上がりの頂点から「ツアーでも(大阪に)来たいと思っているので、また会いましょう!」(Haruko Madachi)と、スパートの2曲を鳴らし出す。
The Wisely Brothers
キャッチーなサビで綴る甘酸っぱいラブソング「サウザンド・ビネガー」では“センスなし子”と歌いワードセンスも炸裂させ、ラストの「メイプルカナダ」ではキュートなビジュアルとは裏腹に、体をよじらせる渾身のアクトからノイジーなサウンドを生み出し、エンディングをクールに締めくくった。
●ナードマグネット
ナードマグネット
登場直後、会社で仕事終え舞台に立つ須田(Vo/G)からは「(会社帰りの)電車の中でタイムラインを見てると(熱いコメントに)俺、ELLEGARDENちゃうか?って……(笑)」といきなりひと笑い&ヤル気全開! さすがライブバンドの余裕のスタートだ。そして、頭をリピートする“あの” ベースのイントロが鳴り出せば観客は“Wo!”の歓喜で「C.S.L」へ。さらに「イマジナリーフレンド」で疾走を続け、コーラスでは高揚感を煽る。さらに王道感ある「(Let Me Be)Your Song」と「Mixtape」を連投し、その“We are infinity!”のリフレインでは観客の胸をがっちりわしづかみ。当然、高らかな合唱も起こる。そんなグッとくる空気を今度は前川(B)が「今日出てた女の子はみんなキラキラしてて、自分の汚れ具合に気付いたんですけど……生きてます!」と再びさすがのMCでリセットし中盤戦へ! 
ナードマグネット
まずは「DUMB SONG」「ばくだんベビー」で、パワフルなアンサンブルそして藤井(G)の変顔&ゴリッと直球のギターソロを見せ付ける。さらにアッパーな「ラズベリー」そして「FREAKS & GEEKS」で追い打ち。「FREAKS & GEEKS」のストップモーションではフリーズするメンバーを横目に「いつもここ自由なんでもうちょっと待ってみようかな(笑)」(須田)と“焦らし”までも操る。その楽しさとライブへの入魂具合は続くMCにも。「どこぞのコラムニストがアラフォーになったらロックTシャツを着るのはよくないと……うっさいわ(笑)。
ナードマグネット
ライブハウスってのはそういう変な人のたまり場なんです。そんな変な大人に捧げます!」(須田)と観客を熱くして「THE GREAT ESCAPE」! 呼びかけるような《ヘイボーイ》《ヘイガール》の詞には拳が突き上がり、ラストの「ぼくたちの失敗」ではそのスピード感にのせられて《こんなはずじゃなかった》のシンガロングも発生。超新星並みの大爆発で本編は打ち上がった。
ナードマグネット
そしてお盆休みのこの日は、お代わりも大盛りでダブルアンコール! まず1回目は水曜日とあって「ウェンズディ」。《こんな日には》のキラーフレーズも休日の今夜はどこかハッピーに響き、2回目はなんと観客のリクエストから「プロムクイーン」。力強いビートが盆休み最終日の人も多いであろう観客の背中を明日へと押し、痛快にイベントの幕を下ろした。
3組それぞれの個性を感じる圧巻のライブに、今後も彼らの活動から目が離せないのはもちろん、新しい音楽の刺激を与えてくれる『YOUNG POP CLUB》の次回開催が今から待ち遠しい!
取材・文=服田昌子 撮影=日吉“JP”純平

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