L→R セントチヒロ・チッチ(BiSH)、アイナ・ジ・エンド(BiSH)

L→R セントチヒロ・チッチ(BiSH)、アイナ・ジ・エンド(BiSH)

【セントチヒロ・チッチ(BiSH)
/アイナ・ジ・エンド(BiSH)
インタビュー】
この曲で寄り添うことができたらいい

BiSHのセントチヒロ・チッチ、アイナ・ジ・エンドが両A面シングル「夜王子と月の姫 / きえないで」でソロデビュー! 前者はGOING STEADY/銀杏BOYZのカバーで、チッチとリーガルリリー(アレンジ&演奏&プロデュース)のタッグで制作。後者はアイナ作詞作曲のオリジナル曲で、プロデュースに亀田誠治を起用。初ソロ作に懸ける意気込みをふたりに直撃した。

WACK総選挙(所属事務所の行事)で1位、2位となり、今回のソロデビューが決まったわけですけど、最初に抱いたソロのイメージは?

チッチ
1位を獲った時に私に票を入れてくれた人たちのためにも、自分が自信を持ってやれるものを選ぼうと思って。
アイナ
私は歌える環境があるだけでいいので、ソロデビューが決まった時はすごく嬉しかったですね。

楽曲のセレクトはどういうふうに?

チッチ
最初は峯田和伸さんにプロデュースをお願いしたいと思っていたんですけど、いろいろ考えてカバーをやることにしました。
アイナ
今回はひとりの女性という立ち位置で、自分で作詞作曲した曲を選びました。ソロはBiSHとまったく別の楽しさがありましたね。

今作は2曲ともにものすごく切なくて、BiSHでは聴くことができないふたりの表現力にびっくりしました。

チッチ
私は高校生の頃に孤独だなって時期があって、その時に寄り添ってくれた曲だったんです。最初にGOING STEADY(以下、ゴイステ)にハマったんですけど、この曲はひとりぼっちの自分と一緒にいてくれる気がして。今回、私がカバーすることで聴いてくれた人もそういうふうに感じてくれたらいいなと。

ゴイステのバージョンを先に聴いたんですか?

チッチ
はい。ゴイステを聴いて、あとで銀杏BOYZも聴いたんですけど…歌詞がちょっと違うんですよね。《眠れない大人はみた》(ゴイステ)、《眠れない僕等はみた》(銀杏BOYZ)と歌詞が変わってるんですよ。私自身は大人になり切れてないと思ったので、ゴイステのバージョンで歌いました。ゴイステの純粋さ…銀杏BOYZからは大人になった切なさを感じたので、それを私なりに表現したかったんです。

アイナさんはチッチさんの曲を聴いてどんな感想を持ちました?

アイナ
いいなって思いました。お父さんがゴイステ好きなんで、昔のライヴ映像が家にあったし。チッチのカバーを聴いたら、がむしゃらなりのきれいさが出ているなと。

チッチさんは「夜王子と月の姫」のどこに惹かれました?

チッチ
飾らないのに放つ魅力が凄まじくて、ただただ惹かれるばかりなんですよ。峯田さんはずっと少年なんだろうなって。なんか、心の中にお花が咲いてそう。

(笑)。そんな楽曲の編曲や演奏をリーガルリリーにお願いした理由は?

チッチ
彼女たちは銀杏BOYZを通ってなくて、それが良かったんです。まっさらな状態で編曲したほうが、私たちなりの「夜王子と月の姫」ができるだろうから。

原曲のイントロはアコギを用いてますが、チッチさんのはアカペラで始まりますよね。これもすごく良かったです。

チッチ
アコギにするかアカペラにするか、ギリギリまで悩んだんですけど、アカペラのほうがいいなと思って。

あと、ブレイクのあとに《もういいかい まあだだよ》の歌詞が入るパートは、この曲の見せ場になってますよね?

チッチ
あそこはテンポをわざとはずしてフリーで歌ったんですよね。そこはこだわりました。もっと切なくなるというか、声が消え入りそうになった時に、めちゃくちゃカッコ良い楽器が入ってくる感じにしたかったんです。

ええ、そこもグッときました。そして、アイナさんの「きえないで」はオリジナル曲ですけど、これはいつ頃に作ったんですか?

アイナ
18歳の頃ですね。人生で初めて作った曲なんですよ。楽器ができないので歌詞とメロディーを付けて、コードも勝手に“アイナC”とか付けて曲を作ってました(笑)。

《味のない たらこパスタ》の歌詞も耳に残って(笑)。

アイナ
お母さんは料理が苦手で、いつもたらこパスタを作ってくれるけど、味がなくて。そんな感覚を入れてみました(笑)。

全体的に歌詞は日記を読んでるような赤裸々ぶりで。

アイナ
生々しいですよね。

チッチさんはこの曲を聴いてどう思いました?

チッチ
これがアイナなんだろうなって。女としてのアイナを見たことがないのでドキドキしちゃうというか。見ちゃった!みたいな気持ちになりました(笑)。でも、18歳でこういう曲を作るのは大人だなと。18歳の時に好きな人に“きえないで”とか思ったことがないですからね。
アイナ
なぜか身の周りに死が多かったんですよね。で、骨になったらみんな一緒だなと思ってて。そういうのが出てるのかなって。

18歳の時に作った曲を今回はどんな気持ちで歌いました?

アイナ
私の親友のお母さんが亡くなった時、その友達から電話が来て、長い沈黙のあとに泣きながら「きえないで」を歌ってほしいと言われて。でも、私は震えて歌えなくて…とても悔いが残ったんです。だから、その子のために歌いたいと思ったんですよね。その子に届くといいなと。でも、そういう感覚は他の誰かの心にも刺さるって信じてるので、自信を持ってやり切りました。

亀田誠治さんのプロデュースはいかがでした?

アイナ
オリジナルのイメージを尊重しながら、亀田節を入れてくれました。サビのイメージを膨らませて、いっぱいアレンジしてくれました。寂しい夜を乗り越えられる女の子はカッコ良いと思うので、この曲で寄り添うことができたらいいなと。

今作の2曲ともに“星”“夜”という言葉が入っていたり、歌詞の内容もどこか通じるものを感じました。

チッチ
そうですね。直球の歌詞とロマンチックな歌詞というだけで表現は違うけど、どちらもいいなと思います。

また機会があればソロはやってみたいですか?

アイナ
そうですね。曲はずっと作ってますからね。
チッチ
私は曲を作ったことがなくて。今回の作業を通して曲を作ってみたいと思うようになりましたね。

取材:荒金良介

シングル「夜王子と月の姫 / きえないで」2018年9月19日発売 avex trax
    • 【初回生産限定盤(Blu-ray+PHOTOBOOK付)】
    • AVCD-94153/B ¥4,800(税抜)
    • ※デジパック仕様
    • 【通常盤(CENTCHiHiRO CHiTTiii盤)】
    • AVCD-94154 ¥1,000(税抜)
    • 【通常盤(AiNA THE END盤)】
    • AVCD-94155 ¥1,000(税抜)

『BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE"』

12/22(土) 千葉・幕張メッセ 9~11ホール

BiSH プロフィール

ビッシュ:2015年3月に結成。16年5月にシングル「DEADMAN」でメジャーデビュー。17年11月に発表したメジャー2ndアルバム『THE GUERRiLLA BiSH』は3作連続となるiTunes総合アルバムチャート1位を獲得。18年3月に発表したメジャー3rdシングル「PAiNT it BLACK」は自身初となるオリコン週間シングルチャート1位を獲得。同年5月22日に開催した自身最大規模となる横浜アリーナでのワンマン公演も平日にも関わらず即日完売。今夏全国の大型フェスに多数出演、10月より初のホールツアー、12月に2万人規模のワンマンライヴ『BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE"』を千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催する。BiSH オフィシャルHP

セントチヒロ・チッチ(BiSH)
アイナ・ジ・エンド(BiSH)
シングル「夜王子と月の姫 / きえないで」【初回生産限定盤(Blu-ray+PHOTOBOOK付)】
シングル「夜王子と月の姫 / きえないで」【通常盤(CENTCHiHiRO CHiTTiii盤)】
シングル「夜王子と月の姫 / きえないで」【通常盤(AiNA THE END盤)】

「夜王子と月の姫」
/セントチヒロ・チッチ(BiSH)
MV

「きえないで」
/アイナ・ジ・エンド(BiSH)
MV

OKMusic編集部

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