尾上松也、大原櫻子ら、若さと個性あ
ふれるキャストが熱演!新感線☆RS『
メタルマクベス』disc2舞台稽古披露

2018年9月15日(土)より、東京・IHIステージアラウンド東京にて「ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 Produced by TBS」が、上演される。初日を一週間後に控えた9日、舞台稽古の模様が公開され、稽古前にはランダムスター夫妻を演じる尾上松也と大原櫻子が会見に臨んだ。
メタマク名物の三魔女、今回はさらにパワフルです!
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
『メタルマクベス』とは、シェイクスピア四大悲劇の一つ『マクベス』を、劇団☆新感線の主宰・演出家のいのうえひでのりと人気脚本家・宮藤官九郎がタッグを組み、メタルサウンドに彩られ生まれた新感線の代表作。2218年の人類が衰退した世界と、空前のバンドブームに沸く1980年代の日本を行き来しながら人間の愚かさが描かれる。
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
本番まであと7日、前日に劇場で初めて1幕を通したというタイミングで二人に現在の心境を聞いてみたところ、松也は「稽古場では理解できなかったことが、劇場に入って身体で理解できるようになりましたね。この劇場のスペシャル感を肌で感じました。お客様に楽しんでいただける要素が満載の劇場で、初日には大盛り上がりで楽しんでいただけるよう、また僕らも楽しめるよう、稽古に励みたいと思います」と語った。
尾上松也
大原櫻子(衣裳にハートの飾りが!)
夫ランダムスターに主君殺しを煽る妻役の大原は、「先日disc1のカーテンコールを見学したんです。(濱田)めぐみさんと(橋本)さとしさんからエネルギーをたくさんいただいたので、一週間後、そのエネルギーをお客様に届けたいです。でもまだ(自分たちが『メタルマクベス』を演じる)実感がないんですが」と本番に向けて現在充電中といった心境を述べる。「めぐみさんからは『死ぬ気で頑張ってね。死ぬ気で応援するから!』とエールをもらいました」と笑顔を見せていた。
公の場でメタルを歌う機会がこれまでなかったことについて二人は「生バンドなのでより激しさを感じ、音楽が身体の中で鳴る感じを味わえました」(大原)「気持ちいい。この劇場で音楽を聴くと好き嫌い関係なくテンションがものすごくあがります。一緒に共有したいです」(松也)
マジメに話している二人だが…
ツボにハマって大笑い!
劇中で夫婦役を演じる松也と大原はそれぞれの存在について質問が及ぶと「(大原は)僕を見事に導いていただいてます。僕がキッカケを忘れるんですがその都度奥様が肩をトントンと叩いて教えてくれるんです。年齢も10歳下なんですが、牽引力がすごいです。役的にも主導権を妻が握っています」と口にすると、大原は「(松也は)優しい方なので、わざと優しくされているのかな」とこちらも「夫」への信頼を示していた。
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
稽古は1幕のみ披露された。今回特にdisc1を観た方にとっては両者の違いが気になるところだろう。両者の骨組みは同じだが、演出はかなり変えてきている、それがまた実におもしろい、と答えておきたい。また1幕だけの比較ではあるが前作より「笑い」の要素が多め。重厚感溢れるdisc1より、「メタマク」初心者には入って行きやすいかもしれない。昨年の『髑髏城の七人』でいうならseason鳥の雰囲気と言ったところか。
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
キャスト別に見どころ、魅力を簡単に触れていく。
松也演じるランダムスターはまさにこれから王座を狙う若さゆえの野心、そして愚かさを全身で表現していた。殺陣などアクション時の身体の動きはさすが。そして歌唱力もこれが初メタルとは思えないくらい堂に入ったものだった。
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
大原は、キュートでワガママな奥方を好演。夫を振り回しながら野心を果たそうとする女の毒の部分をストレートに表現していた。また歌唱シーンでの迫力は胸を打つ。本人が弊社インタビューで「自分の歌には怨念があると言われる」と語っていたが、その言葉の意味を体感できる仕上がりだ。
エクスプローラー役の岡本健一。クール・イケメン・セクシーのイメージを持つ男がどうやったら橋本じゅんが演じてきたこの役を演じ切れるのか。幕が開くまで正直未知数だったが、それは杞憂に終わった。三枚目もヨゴレも出来てしまうそのギャップを劇場で堪能(?)していただきたい。もちろん本業であり得意のギター演奏シーンもお楽しみに。
レスポールJr.役の原嘉孝。キレッキレのダンス能力はレスポールJr.であっても、1980年代の元きよし役の方でも、その場の空気を全部自身に吸い寄せるような力を発揮していた。ダンスだけでなく、罪を着せられる悲劇の王子としての役どころにもうまくハマっていた。Jr.は2幕でさらに活躍を見せるので、ここからがさらに楽しみだ。
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
グレコ役の浅利陽介は、普段映像作品で見せる姿とはかなり異なる、武人の猛々しさを見せる。驚くべきはその身体能力の高さ。剣をダイナミックに振り回しながら敵を次々と倒していく姿はお見事。こちらも2幕での活躍が非常に期待できるものだった。
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
そしてレスポール王の木場勝己。ちょっとふわっとした王様と見せかけつつ、ここ一番では王者の風格で場をぐっと引き締める、この作品では貴重な年配キャラ。木場の「特技」を披露する場面もあるので、楽しみに。
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
disc2の個性を高める存在の一つとして、レスポール王への報告係を務める徳永君(徳永ゆうき)の存在がある。演歌歌手という本業を活かし、2016年には宮藤✕いのうえの『Vamp Bamboo Burn』にも出演した徳永は、本作でも見事なこぶし回しで「炎の報告」を歌い上げる。また鉄道マニアである彼の車掌ものまねも織り込まれ(舞台写真の衣裳でご想像を!)何度も笑いを誘っていた。
メタマク3チームでいちばん若いはずのdisc2なのに、何故か要所要所に「加齢」ネタが投下される。稽古公開時にいちばん客席から笑いが起きていたのは客層の年齢によるのかもしれない。さて、そのやり玉にあがるのが誰なのか、どういじられるのか。
散々笑ったあとで起きるこの物語の「悲劇」。笑いと悲劇のギャップが大きければ大きいほど『メタルマクベス』の面白さを堪能できるに違いない。今回も見逃せない!
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
新感線☆RS『メタルマクベス』disc2
取材・文・撮影=こむらさき

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