11年ぶりの新演出『マリー・アントワ
ネット』花總まり、笹本玲奈、ソニン
、昆夏美、田代万里生、古川雄大、吉
原光夫らが熱唱!

2018年10月8日(月・祝)から、東京・帝国劇場にてミュージカル『マリー・アントワネット』が11年ぶりに上演される。遠藤周作の原作「王妃マリー・アントワネット」を基とした本作は『エリザベート』『モーツァルト!』などを手掛けたミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞を、シルヴェスター・リーヴァイが音楽・編曲を務めている。さらに今回は韓国版『マリー・アントワネット』を演出したロバート・ヨハンソンが新演出版を手掛ける。
本作の製作発表会見が9月2日(日)都内にて行われ、主人公マリー・アントワネット役の花總まりと笹本玲奈、マルグリット・アルノ―役のソニン昆夏美、フェルゼン役の田代万里生と古川雄大、オルレアン公役の吉原光夫が登壇した。会場には約1万人の応募者の中から抽選で選ばれた約400人の一般オーディエンスも同席し、この会見の行方を見守っていた。
花總まり
マリー・アントワネット役の花總について、東宝のプロデューサー岡本義次から「2006年の世界初演の段階で花總さんはキャスト候補として名前が挙がっていたが、当時まだ宝塚歌劇団に在籍中だったため実現しなかった経緯がある。今回ついに出演が叶った」と紹介された。これを受け、花總は「2006年にお受けできなかったこの役を、今回改めてお話いただけることとなりました。身の引き締まる思いです」と挨拶。
笹本玲奈
花總と共にWキャストでマリー・アントワネット役を演じる笹本は、2006年の初演時にはフランス革命に身を投じていく貧しい娘マルグリット役を演じていた。今回マルグリットとは真逆の立場であるマリー役を演じるにあたり「嬉しく思います」と素直にコメント。続けて「小さい頃から、いつか帝国劇場で大きなドレスを着てお芝居をしたいという夢を抱いており、その夢を叶えてくださった皆さまに感謝しています」と笑顔を見せた。笹本はマリーと同様、現在は子を持つ母親でもあることからマリーの役作りにも思うところがあるようで「彼女は4人の子どもを母乳で育てていたという事がヒントになりました。この時代の王族は出産すると乳母が育てるのが普通でしたが、マリーが自分で子どもたちを育てようとしていた点に強さを感じました」と逸話を紹介していた。
ソニン
マルグリット役を演じるソニンは「マルグリットはこの中では唯一架空の人物で、だからこそこの作品が持つメッセージを今、現代の皆さんに伝える役割を持っているんだなと感じています。稽古をしていると、ひたすら(マルグリッドになるために)心を病んでいます(笑)」と笑いを誘う。ソニンは直近で上演されたミュージカル『1789』でも、フランス革命に身を投じる女性ソレーヌを演じ、「こういうエネルギーのある役が似合う」と紹介されていた。これについてソニンは「『1789』は、革命家が英雄的に描かれていますが、『マリー~』は革命後半の恐怖政治が描写されていて、演出のロバートが『フランス革命は“世界最悪の革命”と言われている』と教えてくれたときは衝撃でした」と2作品の違いに触れる。その上で「マリーはベルサイユという小さな世界の中だけで生きていますが、マルグリットは外でいろんなモノをたくさん見てきた人だと思うので、“目”で勝負したいです」と役作りのこだわりを見せていた。
昆夏美
同じくマルグリット役をWキャストで務める昆は「12年前の世界初演時に観劇して以来、この作品のファンなんです。いつまた上演されるのかなあと思っていたのですが、今回私が出演させていただくことになり、驚きと感謝を抱いています」と喜びいっぱい。自身の役作りについては「一つの信念を持って動くマルグリットは物語の流れと共にその心が揺れていきます。演じるには大胆さと繊細さが必要な役だと思っているので、もがきながらマルグリット像を見つけていきたい」と力強く語った。
田代万里生
フェルゼン役の田代は「初演時はまだ僕はこの世界に入る前の学生だったので、今回ゼロから向かい合う事になりました。初演とはかなり演出が異なっていて、幕開けと共にフェルゼンがマリーの事を回想していくスタートとなる模様です。今回は曲や脚本が大改訂されているそうですが、初演でフェルゼンを演じた井上芳雄さんが先日お稽古場を見学され、お帰りになる際に『どうでした?』と声をかけたら『ほとんど知らない曲だった!』と驚かれていました」と直近のエピソードも紹介。また、一緒に稽古をしている子役たちが芝居を見ながら泣いてしまった事にも触れ「子どもたちにとっては難しい事も多いはずなのに、何かを感じ取ってくれていると思いました」と作品が成長していく様を体感したとコメント。
古川雄大
同じくフェルゼン役の古川は「この衣裳姿で控室で待っていたら吉原光夫さんに『君だけ(漫画『花より男子』の)道明寺(司)みたいだねと言われて(笑)、改めて万里生さんの衣裳を見て、お互いびっくり(笑)……この衣裳のように違いのあるフェルゼンを演じたいと思います」と直近のエピソードに絡めて意気込みを見せていた。古川もソニン同様、ミュージカル『1789』に出演、ロベスピエール役を演じた一人。「『1789』では革命を目指しましたが、今回は(民衆による)マリーへの仕打ちを見ていて胸が苦しいです。革命の話は誰に感情移入するかで心に残るものが変わってきます。またその生きるエネルギーがお客様の心を動かすんだと思います」と話していた。
二人の服装の違いをチェック!
吉原光夫
最後にマリーの夫ルイ16世の弟であり、国王夫妻の失脚を企むオルレアン公役の吉原は「ありのままにしゃべります……本当はフェルゼン役がやりたかった」というと場内大爆笑。田代が触れた稽古場エピソードにも触れ、「稽古場で子役たちが泣けば泣くほど僕が傷つく、そういう役をやっています」と困り顔。遠藤周作作品のファンとしては「初演より今回のほうが、遠藤さんの想いを再構築してより反映されていると思います。マリーは、世界で初めてメディアやSNS……当時は新聞などですが、そこで中傷された人物。嘘・偽りで殺されていった人。それは現代にも通じる事だと思うんです。そんな時代の中で自身のアイデンティティを貫き、芯の通った強さを見せながら生きていった。そんな人物をマリーを演じるお二人から感じています」と考えながら言葉を紡いでいた。

笹本さんとシルヴェスター・リーヴァイさんがそろって登場!
会見の後半では、キャストとアンサンブルキャストによって新曲も含めた劇中歌6曲が披露された。ピアノの生演奏が流れる中、「100万のキャンドル」(昆&アンサンブル)、「遠い稲妻」(新曲:田代)、「私こそがふさわしい」(吉原)、「孤独のドレス」(新曲:笹本)、「もう許さない」(ソニン&アンサンブル)、「あなたへと続く道」(花總&古川)が次々歌われていく。なかでも笹本の出番には、なんとシルヴェスター・リーヴァイがサプライズで登場し、リーヴァイが奏でるピアノの生演奏の中、笹本が歌い上げる、というスペシャル演出が披露され、会見場内はまるで本番の空気を一足先に体感しているような興奮と感動に包まれていた。

最後はリーヴァイも含め、キャストたちの記念撮影が行われた。マスコミの撮影の後、オーディエンスも手持ちのスマートフォンなどで特別に撮影できることが可能となり、会場に響き渡るスマホの連写音にリーヴァイが目を丸くし、そんなリーヴァイを見てキャストたちが笑いあう姿が印象的だった。なお、リーヴァイは初日となる博多座での公演と、帝国劇場の公演にも顔を出したい、と言葉を寄せていた。
取材・文・撮影=こむらさき

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