【神聖かまってちゃん・RUSH BALL 2
018 クイックレポ】神聖かまってちゃ
んと『RUSH BALL』観客との素敵な関
係性。

RUSH BALL 2018【ATMC】  神聖かまってちゃん
楽屋横のライター作業場テントからATMCへ向かう道すがらから、観客の盛り上がった声が聴こえてくる。どう考えてもリハなのに、何だ、この盛り上がりはなんて思いながら、到着してみるとバンドと観客の間で完全に関係性が成立していた。『RUSH BALL』というコール&レスポンスで俄然盛り上がりまくっていたが、このシンプルなコール&レスポンス、意外と今まであんまり聞いた事ない。
でも、人間、特に関西人はベタにシンプルに楽しめる事が大好きだ。で、の子(Vo/G)が最後に言い放った言葉が「神聖かまってちゃんの……じゃない! 俺とお前らのライブをやるぜ!」。そりゃ、こんな言葉を言われた日にゃ、観客は何が何でも楽しんで、そして神聖かまってちゃんを盛り上げようと思うだろう。
神聖かまってちゃん

神聖かまってちゃん
神聖かまってちゃん

1曲目「自分らしく」が始まっても、「暴れようぜ!」と煽りをやめない。9年くらい前の、ほぼほぼ最初期のライブから観ているが、かまってちゃんは良い意味で観客をほっていくライブをしていた。もう呆然と観るしかないけど、全く目を離せない…、いや凄い迫力を持ったバンドが現れてたのを未だに覚えている。この日もやった「ロックンロールは鳴り止まないっ」という真のキラーチューンがあったのも大きいし、歌詞を読んでもらえたらわかるが、ロックンロールの歴史を塗り替えようとしている事も伝わってきていた。テレビの歌番組出演はもちろん、ドラマで登場人物が「ロックンロール~」を劇中で歌ったり、映画にもなるし、雑誌表紙にもなるし、まさしく時代の寵児だった。もう、その凄さにひれ伏すしかなかったし、時代の寵児をひと目見ようという野次馬的な観客がいたのも事実。なので、先ほど書いたように、良い意味で観客をほっていくライブをしても全く問題なく成立していた。
神聖かまってちゃん

神聖かまってちゃん

そんなバンドがリハ段階から観客を盛り上げるという新たな姿を観せてくれた事が嬉しかった。「イエー(Yeah)!」という掛け声を「Yeha!」と綴りを間違えて、観客に求めるのも、何か慣れない事を一生懸命やろうとしてる姿を観てるみたいで微笑ましかった。で、ラストナンバーは「あるてぃめっとレイザー!」。ラストをいわゆる超有名曲で終わらせるのではなく、かまってちゃんの中でも、どえらいパンクナンバーでぶっ飛ばす。でも、しっかりと関係性を築いてきてるからこそ、観客を一切ほっていくライブになってない。みんな楽しそうに「あるてぃめっとレイザー!」と口ずさんでいる。間違いなく、かまってちゃんと観客との共同ライブを観せてもらえた。

文=鈴木淳史 撮影=森好弘
神聖かまってちゃん
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