8月27日@東京銀座・山野楽器本店

8月27日@東京銀座・山野楽器本店

小坂忠、
ニューライブアルバムの
インストアイベントが大喝采にて終幕

シンガーソングライターの小坂忠が、8月27日(月)に東京銀座・山野楽器本店のインストアイベントに登場し、ミニライブとトークイベントを行なった。この日は8月22日(水)にリリースされたアルバム『HORO 2018 SPECIAL LIVE』の購入者を対象にして行なわれたイベント。同アルバムは、小坂忠が1975年に発表した日本のロックの名盤『HORO』を2018年3月に、ビルボード・ライブ東京で全曲再現演奏されたステージをライブ録音したものだ。

イベントには、オリジナル盤と2018年の再現ライブにも参加したギタリストの鈴木茂を迎え、司会はミュージシャンの高野寛という豪華な布陣。18:30過ぎ、ステージに鈴木茂、小坂忠がそれぞれアコースティックギターを携えて登場。高野の進行で『HORO』のレコーディング時のエピソードをふたりに訊ねていく形で始まった。

小坂によると、同アルバムは“自分の歌のスタイルというのが、ようやく決まった”ターニングポイント的な作品だという。それ故、2010年にマルチテープが見つかった時は“どうしても歌だけ取り直したかった!”とボーカル・パートを再録音。当時演奏に参加した他のメンバーからは“ズルイよ!”と大いに顰蹙(ひんしゅく)を買ったそうだ。小坂にとって、思い入れのある作品だっただけに、2017年に大病を患って退院した復帰最初のライブに、この作品の全曲再現を決めたとのこと。すぐに盟友・鈴木茂に電話をして参加をオファーし、鈴木も打合わせの前日には徹夜して構想を練ったそうだが、小坂は会うなり“またグッズ考えて徹夜したの?”と言われ落ち込んだそう。

鈴木はライブの物販でTシャツやトートバッグ等、様々なグッズを用意するので知られる。ふたりのこのやり取りには、観客も大爆笑。そこからは小坂の入院時の爆笑エピソード披露へと、トークは大脱線。司会の高野からそろそろ曲をやりましょうかと促され、ようやく1曲目の「ほうろう」に。高野も急遽コーラスで参加することに。普段はエレキギター中心の鈴木がアコースティックで、しかも小坂と二人だけのアコースティックギターというのは滅多にない編成。鈴木の弾くスライドギターの音色が心地よい2曲めの「機関車」を終えると、その出来栄えに“いいね!いいね!もう二人で演っちゃおうか!茂忠(しげちゅう)とかの名前で!”と小坂はすっかりご満悦。これは新たなユニットが誕生(?!)する契機になるかもしれない。

続いては“茂ちゃんと松本隆のいい曲がありまして”とはっぴぃえんどのカバーでもある「氷雨月のスケッチ」に。中盤の鈴木と高野と小坂3人のハーモニーが美しい。激しいカッティングのイントロが鳴るや、会場からも熱いクラッピングで応えたのは「夕方ラブ」。ここからは場内も盛り上がっていき、鈴木のギターソロでは客席からも歓声が上がる。

何よりもファンキーなテイストの原曲を、アコースティックギター2本で乗り切ってしまう力量はさすがの貫禄。場内の熱気に小坂も“もう1曲行こうか!”とラストの「しらけちまうぜ」に突入。原曲のキーがFだったのに対し、2018年度版はさらに上げてGのキーで歌った。なんとも超絶的な歌唱力で客席を圧倒。大喝采のもと、70分超にも及んだイベントは終了。

普段はバンド編成の小坂が、アコースティック・デュオ編成で挑んだこの日。もはやミニ・ライブの域を超えたクオリティで、集まったお客さんも一様に大満足のパフォーマンスを見せつけた。発売中の小坂忠のライブアルバム『HORO 2018 SPECIAL LIVE』は11月中にアナログ盤でも発売される。

Text by 石角隆行

<セットリスト>
1.ほうろう
2.機関車
3.氷雨月のスケッチ
4.ゆうがたラブ
5.しらけちまうぜ
アルバム『HORO 2018 Special Live』発売中
    • COCB-54264/¥3,200+税
    • <収録曲>
    • ■CD
    • 1.ほうろう
    • 2.機関車
    • 3.ボン・ボヤージ波止場
    • 4.氷雨月のスケッチ
    • 5.ゆうがたラブ
    • 6.しらけちまうぜ
    • 7.流星都市
    • 8.つるべ糸
    • 9.ふうらい坊
    • [アンコール]
    • 10.上を向いて歩こう
8月27日@東京銀座・山野楽器本店
8月27日@東京銀座・山野楽器本店
8月27日@東京銀座・山野楽器本店
8月27日@東京銀座・山野楽器本店
8月27日@東京銀座・山野楽器本店
8月27日@東京銀座・山野楽器本店
8月27日@東京銀座・山野楽器本店
8月27日@東京銀座・山野楽器本店
アルバム『HORO 2018 Special Live』

OKMusic編集部

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