『赤毛のアン』東京公演初日会見レポ
ート~全国8都市を横断する、全公演
全席無料のミュージカル

2万人の鼓動TOURSミュージカル『赤毛のアン』の会見が2018年8月27日(月)、メルパルク東京にて行われ、主役アン・シャーリー役の美山加恋、その親友ダイアナ・バリー役のさくらまやが登壇し、舞台にかける意気込みを、笑顔で語った。
(左から)さくらまや(ダイアナ・バリー役)・美山加恋(アン・シャーリー役)
エステー株式会社が1998年より開催する「2万人の鼓動TOURSミュージカル」とは、「一人でも多くの方に気軽にミュージカルを見て、ミュージカルのよさを知っていただくために、日本全国で公演を実施(TOURS)すること」「全公演全席無料でご招待すること」「夢を持ち頑張っている子供たちを応援するため、全国でオーディションを実施すること」を理念としたミュージカルプロジェクトだ。キャスト、スタッフ、観客の総勢2万人が、熱い思いや舞台の楽しさを共有することで完成するミュージカルということから、「2万人の鼓動」というタイトルを揚げている。2018年で21年目を迎え、『赤毛のアン』は16年連続の上演となる。アン役は、これまで山川恵里佳、華原朋美島谷ひとみ神田沙也加、高橋 愛、上白石萌音上白石萌歌らが演じてきた。
2017年より2年連続で主役のアン役に抜擢された美山は、子役時代から数々のテレビドラマ、映画、舞台など幅広く活躍し、『キラキラ☆プリキュアアラモード』では主人公の声優も務めた実力派だ。美山は、ミュージカルとテレビドラマの違いについて、「ドラマは歌いませんが、ミュージカルは歌に入るとき、お芝居の気持ちのまま歌いつつも、美しく音を聴かせる気遣いが必要」と話した。また「昨年は目の前のことに精いっぱいでしたが、今年は、何年も続く歴史ある『赤毛のアン』の良さを自分の中に取り込んで、より良いものにしたい」「昨年と同じ台本、同じセリフ、同じナンバーですが、昨年と今年では自分の中のアンが違います。自分が1歳年を取ったからなのか、周りのキャストが変わるからなのか、とにかく舞台は生ものです。ミュージカルの経験が少なく難しいこともありますが、どんどん進化する責任があります。皆さんにアドバイスをいただき頑張りました」とも語った。
ダイアナ役のさくらは紅白歌合戦にも出場した演歌歌手でもある。レッスンや個人練習を積み重ねて、4年連続で『赤毛のアン』に出演している。「ダンスが苦手で、毎年迷惑をかけています。今年こそ完璧にして、皆さんに恩返ししたい」「ただ、『良くなってきたから、課題を足すね』と言われ、それを追いかけるのが大変です」
7月26日に20歳の誕生日を迎えたさくらは、「まだ、今も子ども時代にいるようです」と実感がない様子だ。劇中でもお酒に関するハプニングが起こるためか、「二日酔いで舞台、というのが怖い」ため、まだアルコール類は一切飲んでいないという。「最終日の打ち上げでは、美味しいお酒を皆さんから一口ずつもらおうと思います」と述べるさくらに、美山は「お仕事後、最初に飲むにはビールが一番です」とオススメしていた。
会見後には本公演が公開された。アン役の美山が可愛らしい声で、孤児院育ちの自分を引き取りに来たマシュウ(越智則英)に挨拶すると、場がパッと明るくなるようだ。詩的で言葉のセンスが抜群なアンが、名もなき場所を「よろこびの白い道」「きらめきの湖」と名付けていく生き生きとした姿。本当は男の子がほしかったマシュウも、アンと話していると幸せな気持ちになれるのだった。
無邪気で強気で負けず嫌い、だけど赤毛にコンプレックスを持つ少女アンは、憧れの黒髪を持つ少女ダイアナ(さくら)と出会い、お互いすぐに惹かれ合う。アンとダイアナは、「心の友」の誓いを結び、永遠の友情を約束する。
『赤毛のアン』ファンにはおなじみ「いちご水」のくだりでは、さくらが、演歌歌手ならではのこぶしをきかせたコメディ・センスをみせる。そこへ、おしゃべり好きなリンド夫人(大和田りつこ)が、エステーの商品を使って場内を笑わせるシーンもあり、遊び心のある演出が光った。ちなみにリンド夫人を演じる大和田は、アニメーション『赤毛のアン』の主題歌・挿入歌を歌っていることでもおなじみで、アニメファンには嬉しいキャスティングだろう。他にも、『赤毛のアン』を読んだ人、アニメを見た人ならば必ず心に残っている珠玉のエピソードが、舞台の上で展開していく。
共演者も多彩な顔ぶれが揃った。マシュウの妹・マリラ役には元宝塚歌劇団の旺 なつき。『赤毛のアン』ファンが気になるギルバート役には、現在BSジャパン 連続ドラマJ『極道めし』に野村孝治(看守)役にてレギュラー出演中で、9月26日からはミュージカル座『GODSPELL』のジーザス役を務める橋本真一。ブレア医師・駅員ほかを演じるのは、山内雅子プロデュース公演『巴里の4月(2017年)』『灼熱の巴里(2018年)』でも達者な歌と演技を見せた宮内 良。そして2010年・2012年・2016年とミュージカル『アニー』タップキッズ役で活躍した清水 錬が、全国アンサンブルで出演している。全国のオーディションで選ばれた若手は、アンが引き取られた家にちなんで「グリーン・ゲイブルズ」と呼ばれ、その地での公演で共演する。
グリーン・ゲイブルズTOKYO
少女の成長を鮮やかに描くTOURSミュージカル『赤毛のアン』は、8月15日(水)の札幌公演を皮切りに、仙台市、福岡市、広島市、大阪市での公演を終え、8月27日(月)・28日(火)にメルパルク東京にて上演。その後、8月29日(水)さいたま市民会館おおみや(さいたま市)、8月31日(金)日本特殊陶業市民会館(名古屋市)にて閉幕となる。ツアー最終公演地となる日本特殊陶業市民会館では、ビレッジホールで『赤毛のアン』(13時・17時)、フォレストホールで丸美屋食品ミュージカル『アニー』(11時・15時)が上演されることになる。公式HPの「TOURSノート」でも、各地の上演状況が随時報告されるので、ミュージカルファンとしては最後まで注目の公演だ。
取材・文=ヨコウチ会長  写真提供=“2万人の鼓動 TOURSミュージカル「赤毛のアン」” PR事務局

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