9月15日(土)、16日(日)、17日(月・祝)に開催される「ULTRA JAPAN 2018」を前に、PARTY CHANNELでは本祭を主催するULTRA JAPAN 2018実行委員会にインタビュー! 今回は前編、その発祥から伝説のステージまで、「ULTRA JAPAN」の知られざる裏側がたっぷり。日本のダンスミュージックシーンに大きな足跡を残す「ULTRA JAPAN」の眩い歴史を一番近くで見てきたスタッフたちの言葉とともに振り返る!

ULTRA JAPANの誕生の経緯、その背景に
あったのは…

——そもそも、「ULTRA JAPAN」を日本に持ってきた理由は?
「基本的には、(『ULTRA JAPAN』を主催する)avexグループが25周年を迎えたことが大きく関係しています。avexグループはダンスミュージックとともに拡大した会社でもありますし、新しいダンスミュージックのコンテンツに挑戦していきたい……そういった気持ちが常にあったんです」

——ダンスミュージックへの新たな挑戦として、「ULTRA JAPAN」が開催されたと。
「世界各地で大規模なダンスミュージックフェスが開催されるなか、それらを実際に体験し、これが日本でもできれば……という思いが日に日に芽生えてきていました。そして、数多くのフェスの中から、実は『ULTRA』の他にいくつかのビッグフェスが(日本開催の)候補に挙がっていたんですが、マイアミの『Ultra Music Festival(UMF)』を体感し、これが日本に最もフィットすると判断しました。『ULTRA JAPAN』開催の動機としては、ダンスミュージックというものを大切にしたい、それが最も大きな理由ですね」
——「ULTRA JAPAN」は2014年に初開催されたわけですが、当時の反響は?
「開催をアナウンスし、7月の上旬にはチケットが売り切れました。その反響は想像を遥かに超えるものでしたね。前年に開催した『Road To Ultra』を含め、チケットの売れ行きは予想外の驚きでした」

——それだけ注目度、期待値が高かったということですね。
「当時、世の中はSNSを通して世界との距離感が大きく変化していたタイミングでした。それは音楽も然りで、世界のシーンとの接点が近づいていたのだと思います。さらには、ロックやJ-POPではない新しい音楽に触れ、気になっている人たちが増えていた。実際、世界ではダンスミュージックの中で新たなムーブメントが巻き起こっていましたし、そういったことが背景にあったと思います」

初年度Hardwell初来日の裏側、そして2
年目の勝負

——それはまさにEDMをはじめとするダンスミュージックのことだと思いますが、初年度に当時世界NO.1と言われていたHardwell(ハードウェル)を招聘(初来日)したことも勢いに拍車をかけたと思います。
「そうですね……。ただ、実はHardwellの出演が決定したのはDJ MAGのランキングで1位になる前だったんですよ(苦笑)。初開催の1年前にすでに出演の約束を取り付けていて。その後で1位になったので、運が良かったのかなと(笑)」

——それは意外な事実ですね(笑)。ちなみに、出演者のブッキングに関してはどのように行なっているんですか?
「基本的には、本国マイアミのUMFチームと僕ら日本のスタッフで話し合いながら決めています。ただ、初年度はマイアミの意向がかなり強かったですね。とはいえ、今考えても当時あれだけの顔ぶれを日本に呼ぶことができたのは、我ながら驚きでした」
——確かに、Hardwellを筆頭にMartin Garrix(マーティン・ギャリックス)、Steve Angello(スティーヴ・アンジェロ)、Axwell Λ Ingrosso(アクスウェル・イングロッソ)、Alesso(アレッソ)、Afrojack(アフロジャック)など錚々たる顔ぶれ。やはりかなり手応えがあったのでは?
「初年度はある意味試行錯誤でしたけど、パッケージとして成功させることができて安心した覚えがあります。そして、2年目に勝負にでました……」
——勝負というのは?
「正直なところ、日本のマーケットは世界と比べ、良くも悪くも特殊な部分があると思っています。その中で、2年目はSkrillex(スクリレックス)とDJ SNAKE(DJスネイク)を2日目のヘッドライナーに据えたのは大きな挑戦でした。当時、日本ではEDMの認知度は高まりつつも、ベースミュージックやトラップがそこまで浸透していなかったので。そこで、彼らのようなサウンド、世界的な潮流を日本に伝えるべくブッキングしたんです。しかも、彼らがいることで3日目に出演する大トリのDavid Guetta(デヴィッド・ゲッタ)がより映えると思いまして」
——今となってはDJ SNAKEは、本家マイアミの「UMF」でも大トリをつとめるほどのアーティストになりました。新しいサウンドを紹介する意味でも「ULTRA JAPAN」の功績は大きいと思います。
「本家マイアミもそうなんですが、先見性とアーティストとのパートナーシップは『ULTRA』が最も大事にしていることのひとつなんです。実際、『ULTRA』からたくさんのスターが生まれたと思いますし。DJ SNAKEがまさにその典型で、その他にもMartin GarrixやAvicii(アヴィーチー)など多くのアーティストを『ULTRA』は見出しました。アーティストとの関わりを大切に、ファミリー意識が強いのが『ULTRA』の特徴です」

ULTRAミラクル、2017年歴史に残る伝説
のステージ

——これまで「ULTRA JAPAN」は4回開催されてきましたが、一番大変だったことは?
「それは去年、2017年ですね。まさかの台風直撃です」

——2日目ですね、「ULTRA JAPAN」史上最悪の天候でした。
「あの日、日本全国で様々なイベントが開催されていたんですが、大規模なもので中止しなかったのは『ULTRA JAPAN』だけだったと思います(笑)」
——それはスゴい……。
「日本全国、南から順次イベントが中止になるなか、『ULTRA JAPAN』は最後まで走りきるという決断をしました。幸い、二日目の夜に台風が抜けてくれたので最終日までやり遂げましたが、正直二日目の終盤はかなり迷いました。ラストのThe Chainsmokers(ザ・チェインスモーカーズ)が始まってすぐに千葉・館山で落雷があり、雷雲がそのまま東京に向かってきたら中止にせざるを得ないかもしれない……そんな状況で」

——それでも中止にしなかったのは?
「実はそのときすでに会場側と連絡を取り、全ステージに中止を伝えるためのアナウンサーを配置し、アナウンスする文言まで決めていたんですよ。なんといっても、フェスはお客様の安全が第一なので。ただ、やはりお客さんの気持ちを考えれば最後までやってほしいはずですよね。そんなみなさんの気持ちと天候のリスクを考えたときに……あのときの判断はシビれましたね」
——ただ、悪天候がさらにオーディエンスの熱気を高めましたよね。あの光景(盛り上がり)は本当にスゴかったです。
「それはフェスあるあるですよね、過酷な環境のほどみなさん燃えるという(笑)」

——その他には何かありますか?
「2015年のDavid Guettaですね。当時、彼の20年来のパートナーであるツアーマネージャーが前日に亡くなりまして。世界の『ULTRA』史上、初めて全消灯し、1分間の黙祷を捧げたんです。そして、その後のDavid Guettaがものスゴく素晴らしいパフォーマンスを披露してくれて。日本のオーディエンスの力が彼に乗り移ったというか……David Guetta本人も人生の中で忘れられないステージになったと言ってくれて、あのときは鳥肌が立ちました」
——毎回ステージも豪華ですが、そのあたりに苦労はないんですか?
「特にありませんね。日本のテクニカルチームは世界の『ULTRA』の中でもNO.1と言われているんですよ。一年目にMAIN STAGEを作った段階で、“日本のテクニカルチームはヤバイ”と評判になったくらいで。セットだけでなく、システムも一流で、たとえ音が止まっても15秒で復帰させる、それは世界中でも日本だけ。普段から年間数百本以上のステージを成立させているチームが、みんないいものを作ろうという意識を持って挑んでいます。それだけに、今では完全にマイアミからも認められ、日本のステージチェックは彼らも一切関与していません。世界にひけをとらないステージを作っている、その自負はあります」

後半では、「ULTRA JAPAN」のさらなる魅力を解き明かし、さらには「ULTRA JAPAN 2018」の見所をたっぷり紹介!
チケットをチェック


EVENT INFORMATION

「ULTRA JAPAN 2018」

2018年9月15日(土)〜17日(月・祝)

OPEN:11:00

東京・TOKYO ODAIBA ULTRA PARK

前売(3DAY)¥42,000 (2DAY)¥29,000 (1DAY)¥15,000 (VIP:
1DAY)¥30,000

EDM, HOUSE, TECHNO

ACT:Afrojack, Armin van Buuren, Axwell Λ Ingrosso, DJ Snake, Galantis, John Digweed B2B Nicole Moudaber, Nicky Romero, Nina Kraviz, Steve Angello, Sven Väth, Tchami x Malaa: No Redemption, Zedd, Butch, Carl Craig, Cash Cash, Eats Everything, Jackmaster, Jonas Blue, Nastia, Oliver Heldens, Popof, Alyn, Drunken Kong, Goldfish + Blink, Joon Kwak, Junior & Kyle, Justin Oh, Kaiser Waldon, Ken Ishii, Ksuke, DJ Lead, Osamu M, Raiden, Ren Yokoi, DJ Sodeyama, Takkyu Ishino, TeddyLoid, Tim Thail, TJO, USEA, Tamato, Yasutaka Nakata, DJ Yogurt and more

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