串田和美芸術監督による「まつもと演
劇工場 NEXT」始動! 松本だからこそ
の演劇を目指す表現者育成プロジェク
ト第1期生募集

 俳優・演出家の串田和美が芸術監督を務める「まつもと市民芸術館」では、新プロジェクト「まつもと演劇工場 NEXT」をこの秋から始動、現在、第1期生を募集している。松本から新たな舞台芸術を生み育て、日本全国へ発信してゆくことを目指した表現者の育成などを行っていく、いわば“アカデミー”的な展開をしていく「まつもと演劇工場 NEXT」。かといって、決していわゆるステレオタイプな演劇、役者を目指すわけではないのだろう、講師陣もそのベースとなっているジャンルもバラエティに富んでいるのが特徴。個人的に注目したいのは、演出家・石丸さち子。蜷川幸雄を長く間近で支えてきた彼女と“串田流”との出会いは新鮮味を感じる。

新しいこれからの演劇を目指す人たち、自分自身の演劇を探そうとする人たちが集まって、互いに学びあい、本来あるべき演劇をつくる
スタートに当たって、串田芸術監督は次のコメントを残している。
 松本市は山々に囲まれた自然環境豊かな町です。と同時に、演劇や音楽、さらに美術や工芸などさまざまな芸術文化の香り豊かな町でもあります。それはたくさんの表現者やそれを支える人々が行き交っているばかりではなく、町の人々がかもし出す柔軟で素朴な文化に対する関心、理解によるものだと思います。
 私はその松本市にある 「まつもと市民芸術館」の芸術監督としてさまざまな企画をたててきました。その中で、7年前から 「演劇工場」という市民たちと一緒に演劇を学び演劇をつくりあげる活動もしてきました。次第に遠方の方々、東京や他県からも関心を持った人たちが集まるようになりました。
 そこで、今年から、もっと専門的に演劇を学びたい人たち、プロの俳優を目指す人たちのための『演劇工場 NEXT』を立ち上げることにしました。
 新しいこれからの演劇を目指す人たち、自分自身の演劇を探そうとする人たちが集まって、互いに学びあい、本来あるべき演劇をつくる、そういう想いを込めた演劇の学校、演劇の工場です.
 ここに集まる講師と呼ばれる演劇の演出家や俳優、劇作家、舞踊家、音楽家、さまざまな表現者、時には何かの研究をしている人たちは、 ここに集まってきた生徒と呼ばれる若い人たち(年齢のことではありません)の夢や不安、演劇をつくり出す喜びを、共に学び一緒に何かをつくり出すことになるでしょう。
 生徒たちは時には講師同士の刺激的な交流を目の当たりにすることでしょうし、講師たちは、素直で真摯に演劇を学ぼうとする生徒たちや、或いは夢中に突っ走る彼らの姿から、大切な刺激を受け取るかもしれません。
 遠くからやって来て、ここに住みついた生徒たちは、この松本の自然の環境そして町の人々との交流からも多くを学ぶことになるでしょう。これは演劇に取ってとても大切なことです。演劇というものは本来劇場の中や稽古場の中からだけつくられるものではなく、それを取り囲む身近な社会や、もっと大きな世界からの刺激によって生まれるものだからです。
 授業は俳優の基礎カリキュラムである、身体表現(ダンスやパントマイム、アクロバット武術 etc)や、声の表現(自然発声、歌、古典芸能、民謡 etc)、そして演技の基礎(観察や互いの交流、意志の疎通、感情表現etc)などなどのタームと、ワークショップ形式の作品づくりのターム、或いはその両方が一緒になった期間がくり返されることになります。
 そして年度末には市民たちに観てもらえるような作品がうまれることも期待します。
【まつもと演劇工場 NEXT講師陣】
串田和美[演出家・俳優/「まつもと市民芸術館」芸術監督]
加藤 直[劇作家・演出家]
木内宏昌[演出家・翻訳家・劇作家]
山田うん[振付家・ダンサー/「Co.山田うん」主宰]
飯塚 直[音楽家・リコーダー・こえ・古楽パーカッション]
穴澤万里子 [演劇研究者/明治学院大学文学部教授]
木ノ下裕一 [ドラマトゥルク、補綴家/「木ノ下歌舞伎」主宰]
泉 忠道 [声楽家、ヴォイストレーナー、俳優]
金井ケイスケ[サーカスパフォーマー]
関根真理 [音楽家・パーカッショニスト]
石丸さち子 [演出家]
白神ももこ [振付家・演出家・ダンサー/「モモンガ・コンプレックス」主宰]
杉原邦生 [演出家・舞台美術家/「KUNIO」主宰]
長塚圭史 [俳優・演出家・劇作家/「阿佐ヶ谷スパイダース」主宰]
向 雲太郎 [舞踏家]
安田 登 [下掛宝生流能楽師]
小谷野哲郎 [バリ舞踊家]
山﨑 徹 [附け打ち]
和泉家志ん治 [落語]
 串田演劇は、決して戯曲に留まったりはしない。戯曲を素材にして、さまざまなイメージを膨らませて作っていくものだ。もしかしたら、「演劇とはなんぞや?」から始まるのかもしれない。もしかしたらそれまでの演劇に対する概念が壊れていくかもしれない。だからこそ、楽しくて、苦しくて、演劇の可能性が広がるし、充実感にあふれるものになるのだと思う。
文:いまいこういち

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