“クイーン・オブ・ソウル”とリスペクトされ、愛されてきたアレサ・フランクリンが、8月16日、亡くなった。76歳だった。
アレサは、2010年に腫瘍を取り除く手術を受けて以来、体調不良により公演をキャンセルすることが多くなった。今週初め、危篤の状態にあると報道されていた。進行性膵臓癌を患っていたと伝えられている。

『The Guardian』紙によると、家族は「私たちの人生で最も暗い時期の1つであるいま、私たちの心の痛みを表すのに相応しい言葉を見つけることができません。私たちは一家のリーダー、要を失いました。子供、孫、姪、甥、従兄たちへの彼女の愛は無限でした」との声明を出したという。

“百万ドルの声”を持つ男と呼ばれた著名な牧師、公民権運動活動家のC・L・フランクリンとピアニスト/ゴスペル歌手のバーバラ・シガーズ・フランクリンの次女として誕生したアレサは、10歳から公の場で歌い始め、14歳のときレコーディングした『Songs Of Faith』を1956年に発表。

以来、数々の偉業を成し遂げ、18ものグラミーやケネディ・センター名誉賞を受賞し、女性アーティストとして初めてロックの殿堂入りした。米大統領就任式では3度も──ジミー・カーター(1977年)、ビル・クリントン(1993年)、バラク・オバマ(2009年)──パフォーマンスした。

就任式でアレサの歌声に涙したオバマ元大統領は、彼女の訃報を受け、「アレサはアメリカン・エクスペリエンスを定義づける助けとなった。彼女の声の中に、僕らは、僕らの歴史、パワー、痛み、暗闇、光、贖罪の探究、苦労して得たリスペクトを感じることができた。クイーン・オブ・ソウル、安らかに」と追悼の言葉を述べた。

合掌。

Ako Suzuki

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