病院いつ行ったっけ?子どもが風邪を
ひかない家庭の「ストレスフリーな子
育て法」

風邪をひかない、健康で免疫力の高い子どもに育てるには、どうしたらいい? 保育園の頃からほとんど体調を崩サズ「発熱するのは年に1回あるかどうか」というファミリーの、個性的な子育て方法を紹介。秘密は、野遊びと、子どもらしくのびのびと過ごせる環境?

風邪をひかない、健康で免疫力の高い子どもに育てるには、どうしたらいいでしょう?
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保育園の頃から、ほとんど体調を崩すことがなく、「発熱するのは年に1回あるかどうかで、小学生になった今も同様」というファミリーの、個性的な子育て方法を紹介。
秘密は、頻繁なアウトドアレジャーと、子どもらしくのびのびと過ごせる環境(メンタル面)にありました。
親が驚くほど、ほとんど風邪をひかない入園1年目は風邪をひきっぱなし
保育園に入ったばかりの子どもの多くは、頻繁に風邪をひきます。我が家には、一男一女の子どもがいますが、他聞に漏れず、毎週のように体調を崩していました。
仕事のために子どもを預けている親にとっては、保育園あるある。どうにもならない不可抗力なのですが、職場には迷惑が掛かるし、段取りはすべてくるってしまうし、「え、またなの……」と愚痴りたくなる方も、多いはず。
年に1回発熱するかどうか
ところが、我が家のケースでは、保育園に入園して1年を過ぎると、次第に体調を崩さなくなり、3年目に入る頃には、ほとんど風邪をひかなくなりました。
インフルエンザなど、感染力の強いウイルス性の病気は別ですが、いわゆる風邪で発熱……という状況は、現在では、年に1回あるかどうか。しかも、発熱しても、ひと晩眠れば、大抵は解熱してしまいます。
現在、小学3年生と小学1年生ですが、久しぶりに発熱すると、夫婦で「ずいぶん久しぶりだね。前回、風邪をひいたのって、いつだったっけ?」という会話がなされるほどで、実際、思い返してみると、ほぼ1年振りということも珍しくありません。
親である私自身の、子どもの頃を思い返してみると、そこまで健康優良児だった記憶はまったくないので、子どもたちの高すぎる免疫力に、驚くばかり。
圧倒的なアウトドアレジャーの多ささて、なぜこんなにも風邪をひかず、免疫力が高いのでしょうか。
健康とは、様々な要因が重なった、総合的なものなので、「これをすれば風邪をひかない」というような単純なものではありませんが、いくつか思い当たる点はあります。
年間50~60日の野遊び!
私の仕事の関係上、一般的な家庭と比較して、野遊びなど、自然の中で身体を動かす機会が、圧倒的に多い特徴があります。
初心者向け親子キャンプ教室を主催しており、多くの場合、これに子どもたちを同行させています。
また、「asobi基地」という子育て支援コミュニティにて、アウトドアセクションの代表をしており、年に3・4回の2泊3日キャンプと、海遊び、雪遊び、山登りイベントを複数回実施しています。
これに、プライベートで釣りに行ったり、取材でスキー&スノーボードに行ったり、を加えると、自然の中で身体を動かす機会は、年間50日から60日は下りません。
健康にはメンタル面も重要?
免疫力以外にも見て取れる、野遊びのメリット
また、蛇足ではありますが、単に免疫力が高いだけでなく、身体的にもとても頑強です。
たとえば、暑さへの適応。2018年の猛暑でも、炎天下のキャンプ場で、熱中症になることなく、縦横無尽に遊び回っていました。しっかり発汗し、着用している高機能アウトドアウェアが汗を揮発させるため、体温調節ができている様が見て取れました。
あるいは、日焼け止めを一切使いませんが、日焼けで赤くなったり、皮がむけたりすることもありません。野外で過ごす時間が長いので、自然とメラニン色素が皮膚を保護する耐性を整えているのでしょう。
このように、誰しもが本来持っている身体の自律調整機能が、しっかりと引き出されている様子が、よくわかります。
健康にはメンタル面も重要?野遊びの多さ以外では、メンタル面の影響が大きいだろう、と分析しています。
大人でも、ストレスの多い生活が続けば、体調を崩します。子どもらしく、のびのびと過ごせる環境は、とても大切です。
もちろんこれは、健康面を意識してのものというより、教育方針によるところが大です。
1. 勉強や習い事は、本人の意欲を最優先に
我が家では、勉強や習い事は、「子ども自身に意欲があるかどうか」で、すべてを決定しています。親が勝手に「あなたの将来にはこれが必要だから」と決めるのではなく、本人の意志で選択させています。
2つ理由があり、1つは自主性や自立心を育むため、もう1つは、学習効果を最大化するためです。
後者について補足すると、嫌々ながらやることは上達が遅い、という致命的なデメリットがあります。逆に「やりたい!」という意欲に満ち溢れているとき、子どもは飛躍的な成長を見せます。
ですので、習い事が嫌になったり、飽きたりしてしまった場合、惰性で続けさせるのではなく、即座に退会させています。
また、いったん退会したのち、「やっぱりやりたい」となれば、再開することもあります。興味深いのは、再開した習い事は、熱心に通いますし、上達も早い事実です。
このように、親として、熱中できる環境を常に用意できるよう意識しているので、子どもたちがストレスに晒されるケースは、稀です。
本人が納得するまで徹底的に甘えさせる
2. 楽しいことをなんでも教える
もう一つは、私自身が、レジャーやエンターテイメント関係の仕事をしている環境もあり、子どもたちには、楽しいものは、無差別になんでも教えています。
キャンプやアウトドアレジャー、スポーツだけでなく、工作やアート、漫画、映画、スマートフォン、ゲームに至るまで、分け隔てがありません。
また、「asobi基地」でのボランティア活動のおかげで、同学年や異年齢の友達や、様々な大人たちとの繋がりも多く、遊びを自ら作り出して楽しむ経験も豊富です。
もちろん、うまくいかなくて落ち込んだり、自暴自棄になったり、めげたりすることも多々ありますが、すぐに切り替えて、自分で自分をポジティブにする方法をよく知っています。
本人が納得するまで徹底的に甘えさせる
我が家が一番大切にしているのは、発達心理学で言うところの「心の安全基地」です。
たとえば、小学1年生の息子は、野遊びのおかげで身体能力は高いのですが、とても泣き虫で、1日に3回は必ず泣いるんじゃないか、というくらいです。
怒られて悔しかったり、上手くできなくて不甲斐なかったり、転んでショックだったり、理由は様々。こうしたときに、「男なんだから泣くな」と叱咤するのではなく、泣くにまかせて、(本人が必要とすれば)ぎゅっと抱きしめます。
おもしろいもので、自宅にいるときや、家族といるときは、このようにスーパー甘えん坊ですが、外では滅多なことでは泣きません。ど派手に転んで怪我をしても、グッとこらえます。上級生にでも平気で挑みますし、ガチンコの喧嘩になることもあります。
外での姿しか知らない、友人知人のパパ・ママに「家では泣き虫ですよ」と教えると、おしなべて「えっ!?」と驚かれます。
つまり、見方を変えれば、いつでも帰って甘えられる場所(=心の安全基地)があることで、外では好奇心のまま世界を広げ、頑張ることができているわけです。
小学高学年、中学生と成長していけば、親離れするのは明らかなのですから、本人が必要とする限りは、好きなだけ甘えさせてあげる方針です。
「子どもが笑顔でいられるように」がポイント以上のように、我が家の子どもたちは、ほとんど風邪をひくことなく、すくすくと育ってくれています。親としては、子どもが健康に成長してくれることが何よりなので、本当にありがたい限りです。
とはいえ、記事冒頭でも触れたとおり、健康とは、1 + 1 = 2というような、単純なものではありません。我が家を参考に、野遊びを増やしたり、教育方針を模索したりしても、必ずしも風邪をひかなくなるとは限りません。健康のために必要なものや、バランスの取り方は、各家庭によって異なるはずだからです。
個人的には、なにをしている、なにをしていない、といった枝葉のことよりも、「日々、子どもが、いきいきと笑顔でいるかどうか」こそが、重要なポイントだと考えています。
ポジティブな精神指向が、健康に良い影響を与えるのは、大人も子どもも同じはず。たくさんの経験をし、楽しみを知り、成長していく過程が、結果として健康に繋がれば、言うことはありません。
それに、子どもたちが何事かに熱中している様子に頬を緩めたり、世界を広げていく背中を見守ったりするのは、親としてとても幸せです。
そういえば私自身、子どもたちが生まれてから、体調を崩す頻度がかなり減りました。子どもの笑顔は、親の健康にも寄与してくれるのかもしれませんね。

ウレぴあ総研

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