時間をかけても伝えたい!「がんばっ
ているのにうまくいかない子ども」を
伸ばす、魔法の声がけ

どんなことが起きても、自分で人生を切り拓いていける力さえあれば…と、どんな親も思うもの。とはいえ、どのように子どもを導いていけばいいのかわからないママも多いのではないでしょうか。齋藤孝さん監修『こども自助論』から、子どもに伝えたい大切な言葉をご紹介します!

親として子どもに接するとき、子どもに伝えたいこと、身につけさせたいこと、いろいろあると思います。ですが、今の世の中、何を伝え、何を身につけさせればいいのか、わからなくなっているママも多いのではないでしょうか。
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世の中に情報はあふれていますが、どんなことが起きても、自分で人生を切り拓いていける力さえあれば、大丈夫、だと思うのです。
目標に向かってがんばっていても、すぐにつまずいたり、なんでも人のせいにしたりする子どもは、その力がまだついていないのかもしれませんね。
今から150年以上昔のイギリスで書かれたスマイルズの『自助論』をもとに、子どもに「人生切り拓く力」をつけさせる本が登場しました。その名も『自分の力で人生を切りひらく! こども自助論』。NHK Eテレ『にほんごであそぼ』の総合指導で知られる齋藤孝さん監修です。
どんな言葉が書かれているのでしょうか? いくつかご紹介しましょう。
『自助論』とは?その前に、『自助論』について、もう少しご紹介しておきましょう。
自助とは英語でセルフヘルプ。つまり、「人の力を借りないで、自分の力を信じてがんばる」という意味です。
著者のスマイルズは、新聞記者としてさまざまな職業の人に出会ううちに、発明や事業の分野で成功している人は、「自分の力を信じて努力する」という共通点を持っていることに気づいたそう。
数百人のケースをまとめるうちにそれは確信となり、『自助論』になったということです。
「努力は大事」ということを今までに聞いたことのない人はおそらくいないのではないかと思いますが、やみくもに努力するのでは意味がありません。
努力するということがどういうことなのかを多角的に知り、そしてなんのために努力をするのかを明らかにすることで、自分を助ける力はついていきます。
人に流されるのではなく、自分で運命を切り拓く力、子どもだけでなく、この際、大人も身につけてしまうのもいいかもしれません。
受け身ではダメ! 「これをやる」って決めて、はじめて自分のものになるよ学校の宿題に習い事に、何かと忙しい今どきの子どもたち。あまりに忙しくて、全然やる気の出ないパンク状態になってしまっていませんか?
先生や両親のいう通りにやることも大事ですが、どんなことも、一度やると決めたら、「自分でやる」と決めることが大事と『自助論』は説いています。
もし、子どものなかに、「だってやれって言われたから」という受け身な気持ちしかなかったら、どんな素晴らしいことを学んでも、子どもの心には残りませんし、もちろん身にもつかないでしょう。
反対に、どんなことでも、自分から進んで取り組んだことは、子どもの血となり肉となるはず。
まずはどんなことにも正面から向き合ってみましょう。そうする中で、本当に熱中できるものが見つかれば、しめたもの!
一度の挑戦でも、1000回のあこがれよりずっと価値がある憧れは人のモチベーションになる最大のもの。
親である皆さんにも経験があると思いますが、憧れのままで終わってしまうのと、当たって砕けろで挑戦してみるのとでは、後者の方がずっと自分が成長したと感じられるのではないでしょうか。
うまくいくか、失敗するか、それは実はそれほど重要ではないのです。それよりも挑戦してみたい夢を持てること、それ自体が素晴らしいではないですか。
まずは一歩を踏み出してみよう、と子どもに声をかけてあげてください。
その一歩は、君が思うよりもずっと意味のある一歩なのだよ、と。
結局、○○に勝る力はない?
天は自分を助ける人を助ける「天は自ら助くる者を助く」
これは、たくさんの人を励ましてきた『自助論』の基本ともいえる考えです。
つらいとき、面倒になったとき、「だれか代わりにやって!」と叫びたくなる気持ちは、大人にだってあります。
ですが、結局、自分の人生を代わってくれる人など、誰もいないのです。
自分でできることを、一歩、いっぽ、進めるだけ。
努力はいつか叶う、などといった無責任な言葉ではなく、こういった、目新しくはないけれど大事なことは、子どもには時間をかけてでも伝えていきたいですね。
自分で不可能って決めつけたら、できることだってできなくなるよ筆者の息子が、映画の『ビリギャル』を何度も観ていたことがあります。映画の主題歌はサンボマスターの歌う『可能性』。
歌詞の「ダメじゃないよ僕たち 終わらせんな、可能性」というところにグッときていたようですが、要するに、そういうことですよね。
ダメかどうかはやってみないとわからないし、ましてや自分が決めることでもないはずなのに、多くの人が、やりもしないであきらめてしまうのは、自分で自分の可能性を否定しているから。
150年前のイギリスも現代の日本でも通用する、いわば普遍的な考えがこの言葉に表れているのでしょう。
まずは小さなことでもやってみて、成功すれば、その成功体験を糧に、もう少し大きなことにも手を出してみようと思えるはずです。可能性の幅は自分次第でいくらでも広げられるということですね。
がんばっているのに成果が出ないときがんばっているのに、なかなかうまくいかない。そんな子どももいると思います。
まず、見直すべきなのは、目標設定。ここを誤ると、どんどん本当は行きたい方向からずれていってしまいます。
いったん目標が定まったら、そのためにどんなことをするべきか、努力の方向性をきちんと考えてから行動に移します。行動するまでに時間がかかっても、結局はそれが一番の近道なのです。
この時に親があせって子どもをせかしてしまうと逆効果ですので、気をつけてくださいね!
成果をすぐに期待しないどんな作物も、種をまいて、育って、実がなるまでは長い時間のかかるもの。努力もすぐに実を結ぶわけではありません。子どもも親もせっかちにならないことが大事です。
人と比べたりせず、ただ目の前のことをやれば、いつか努力は報われると信じて待つのです。希望を持って待つことが、努力とセットになれば、鬼に金棒ですよ。
まとめ『こども自助論』に載っている言葉は、親が日頃から口癖のように声に出していれば、小さい子どもは覚えてしまう類のものばかりです。
「てんはみずからたすくものをたすく」
すぐに意味がわからなくても、いつか分かった時にきっと、子どもを支える言葉になるはずです。
小学校高学年くらいになると、だんだん親の言うことを聞かなくなってくるでしょうから、会話の代わりにこの本を目のつくところに置いておくのもいいかもしれません。平易な言葉とイラストで描かれているので、子どもにもわかりやすいはずです。
齋藤孝さんは、なにか新しいことに挑戦するときは、今でも『自助論』を開くそうです。
子どもに読ませる前に、ぜひ皆さんも、手に取ってみてくださいね。

ウレぴあ総研

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