UKFC大阪公演でteto、aint、Yap!!!、
polly、LOSTAGEが熱演 オフィシャル
レポート到着

UKFC on the Road 2018 大阪公演 2018.7.29 心斎橋CONPASS
7月8日(日)名古屋の池下CLUB UPSETにて初日がスタートした『UKFC on the Road 2018』。二ヶ所目は、大阪の心斎橋CONPASS。東京は下北沢にある事務所兼レーベル・UK.PROJECT主催による当イベントは、所属アーティストを中心にしたラインナップで夏の定番イベント。今年は名古屋公演を皮切りに大阪、下北沢、そして新木場までツアーは続く。東京以外で開催されるのは2014年以来であり、今回は若手バンドを中心のラインナップになっている。
午後5時開演。opening actは、福岡は久留米のaint。昨年開催のUK.PROJECT主催のオーディション『Evolution!Generation!Situation!Vol.2 supported by Eggs』にてグランプリを獲得した彼ら。ニシダ コウキ(Vo.Gt)の「よろしくお願いします」という挨拶に被る様に乗っかる清風(Ba)のスクリームがとにかく新鮮であり、とにかく惹きつけられる。ラウドやミクスチャーでなく、ギターロックにスクリームは或る意味、発明ではなかろうか。UK.PROJECT所属のBIGMAMA・金井政人プロデュースで6月13日にタワーレコード限定で発売されたシングル「Moondrop」も披露。「楽しい気持ちにさせたりとか出来んバンドだけど、あなたに寄り添う事はできますので」と話して、ラストナンバー「Alnitia」へ。充分に印象付けられたopening actであった。
二番手はthe telephones/lovefilmのフロントマン・石毛輝が新たに昨年立ち上げたプロジェクトYap!!!。今回のイベントジングルも担当する石毛だが、登場するやいなや「UKFC大阪~、踊ろうぜ~!!」と甲高い声で叫ぶ。この甲高い声でダンスロックをぶちかましていく様は、the telephones時代から聴いてる身としては誠に感慨深い。石毛はVo,Gt,Syn,Programmingを担当するが、Yap!!!がthe telephonesと大きく違うのは、同期を使用する事。新曲「Well,whatever」などスリーピースバンド+同期で、グルーヴ感が加速していく模様がわかる。客席のリアクション具合に「俺の方を見てくれない! 声高いよね?!」と石毛は笑わしつつも、「基本的に暗いし、暗いとこを照らしていきたい!」と言い切ったのも潔かった。9月5日に2枚同時発売されるミニアルバムとコラボレーションepも本当に楽しみである。
三番手はpolly。越雲龍馬(Vo&Gt)の繊細な声に、ゆらめきを感じるサウンドだが、疾走感もあるので、観ていると自然に巻き込まれていっている事がわかる。「美しい」は、シンセも加わってより彩りがあり、曲名まんまだが、本当に美しいナンバー。特筆すべきは4曲目の新曲からラストへの流れ。越雲本人もMCで「ナイーブなんですよ」と言っていたが、それに対して「えっ?!」と疑うくらいのエモーショナルさがあり、最初からブッ飛ばす疾走感がある。新機軸なのか元々持っていたものなのか、どちらにしても、とにかくヤバさだけは伝わってくる。間髪入れず、「バースデイ」、「狂おしい」と続いて、フィニッシュは決めの音で場内暗転。ただただ、クールでかっこよかった。
開口一番に「急におっさんが出てきてビックリしてると思うけど、俺が一番ビックリしてます」と登場したのは、四番手LOSTAGEの五味岳久(Vo/B)。2004年1stミニアルバム、2006年1stフルアルバムをUK.PROJECTからリリースしている彼ら。古巣のイベントに出た形になるわけだが、1曲目「さよならおもいでよ」から轟音でぶちかましていく。「口ずさめるような良い曲。うかつにも良いと思うはず」と五味が話してからの「ポケットの中で」など淡々と進めてきた彼らだが、終盤にはUK.PROJECTとの想い出を話し始めた。「こないだ、15年くらい前に撮ったアー写をUKから返された(笑)。返し返そうかな(笑)。でも、今自分でレーベルをやって、レコード屋をやっていて、最初のレーベルがUKで良かったなと思ってる。当時やってた曲をやって、tetoに繋げます」。そこからの「2:50」、「手紙」の威力は、とにかく素晴らしかった。古巣への恩返しとばかりのエネルギーの爆発加減……、特に「母さん」から歌われる「手紙」の衝撃は、この日のハイライトシーンにあげる人も多いだろう。
teto
「UK.PROJECT」から、2018年9月にファーストアルバム『手』のリリースを発表したばかりのteto。小池貞利(Vo,Gt)が「ヘッドライナーなんてかっこいいもんじゃなく、俺らはtetoです!」と叫んでいたが、そういう活きのいいバンドがヘッドライナーというか、最後に登場してくるのは単純にワクワクする。自主制作盤に収録の「高層ビルと人工衛星」、「Pain Pain Pain」という2曲からの始まりにも関わらず、観客は全員拳を突き上げて歌っている。小池も何度も客席にダイブするわ、「お前らが歌え!」とスタンドマイクを観客に向けたりと、全力を尽くす感じが伝わってきて、その真っ直ぐさに目が離せなくなる。6曲目「忘れた」を歌う前に、小池は「聴いて1~2年くらいで盛り上がるインスタントな音楽は、どうでも良くて。それは凄いけど、俺は興味なくて。試行錯誤して作って、10年後、20年後に届く音楽をやりたいんです!」と訴えた。この言葉は、まさしくUK.PROJECTを表している言葉でもあり、そういうバンドたちがいる事務所兼レーベルだから、個人的にも長年好きなのだなと思いかえさせてくれた。アンコールは1分足らずで終わる「朝焼け」……と最後まで向う見ずにぶっ放してくれたteto。最高の4時間は、こうして幕を閉じた。
『UKFC on the Road 2018』ファイナル公演は8月22日に新木場STUDIO COASTにて開催され、the telephones、[ALEXANDROS]、BIGMAMA、THE NOVEMBERSPOLYSICSTOTALFATらが出演。是非この公演も見届けて頂きたい。

取材・文=鈴木淳史

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