サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェットらに演技指導をするゲイリー・ロス監督(右端)

サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェットらに演技指導をするゲイリー・ロス監督(右端)

【インタビュー】『オーシャンズ8』
ゲイリー・ロス監督、脚本オリビア・
ミルチ「メンバーが、11人ではなく、
8人で済んだことがラッキーでした(
笑)」

 緻密な計画を基に、それぞれのメンバーが得意技を駆使して強盗を行う犯罪チーム、オーシャンズ。今回は、リーダーのダニー(ジョージ・クルーニー)の妹デビー(サンドラ・ブロック)が新チームを結成し、総額1億5千万ドルの宝石を狙う。チームのメンバーの全員が女性という新作『オーシャンズ8』が8月10日から公開される。監督・脚本のゲイリー・ロスと共同脚本のオリビア・ミルチに、映画製作の舞台裏や、チームワークについて聞いた。
-『オーシャンズ』シリーズは多彩なメンバーが集まるところが大きな魅力です。今回、それを生かすためにどのようなことを考えましたか。
ロス監督 最初に考えたことは、どうしたらそれぞれのメンバーの個性を際立たせることができるか、ということでした。そのため、さまざまな経験を持ち、人種や年齢、背景も違う人たちを集めることに気を使いました。私とオリビアにとってラッキーだったのは、メンバーが11人ではなく、8人で済んだことでした(笑)。ですから、一人一人の女優に会って、彼女たちが演じる役の背景について、時間をかけて考えることができました。それによって、それぞれの女優に合わせてキャラクターを調整しました。このプロセスはとても楽しかったし、重要だったと思います。
オリビア タレント(才能)の異なる、さまざまなメンバーが集まったことが素晴らしかったです。いろいろなキャスティングを考えながら、みんなでストーリーを練りました。このチームが作り出すマジックのようなものは、脚本の中でも、彼女たちが演じたパフォーマンスの中でも見ることができました。観客にも、さまざまな好みを持つ人がいると思いますが、この映画の多彩なメンバーの誰かしらに共感できると思います。
-サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ…。豪華な女優陣を演出する苦労や楽しみはありましたか。
ロス監督 特に苦労した、と感じることはありませんでした。なぜなら、映画製作にはいつも何らかのリスクが伴います。例えば、真冬に、雪の中で撮らなければならないこともありますからね。ただ、今回のような、いろいろな個性を持った女優が8人も集まると、その集積はとてもダイナミックなものになります。ですから、キャスティングの段階からバランスを取ることを考えなければなりませんでした。また撮影中は、メンバーの全員が、それぞれの感情をきちんと表現できているか、そのバランスを見ることに気を配りました。そういう意味では、彼女たちが奏でるアンサンブルのバランスを考えることが難しかったです。楽しかったのは、自分の目の前で即興的に素晴らしいことが起こることでした。この映画を作りながら、映画作りには特別な瞬間があることを実感しました。
-今回は、女性の視点、思考、趣向などをリアルに描くために、共同脚本にオリビアさんを起用したのでしょうか。
ロス監督 もちろん女性の視点がほしかったこともありますが、もともと彼女は素晴らしい脚本家です。なので、女性だから、ということではなく、一緒に脚本を書くことで、互いのいいところを出し合えることが分かっていたので彼女を選びました。
オリビア 監督とは他のプロジェクトでもご一緒しているので、監督が『オーシャンズ』でメットガラを舞台にしたいと考えていることは以前から知っていました。ですから、そのアイデアを実現させるパートナーに選ばれたことはとてもうれしかったです。監督の素晴らしいところは、『ハンガー・ゲーム』(12)のようなフェミニストとしての考え方を持った映画を、他の人に先んじて作ったことです。今回、私たちは女性の視点や考え方をどう描くかを検討し合いました。映画業界には、私たちのような男女のコラボレーションや、パートナーシップが、もっと必要だと思います。
-監督は、脚本家として『ビッグ』(88)、『デーヴ』(93)、監督作として『シービスケット』(03)など、ハートウォームやアメリカンドリームを描くのが得意でした。最近は『ハンガー・ゲーム』や『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』(16)など、ハードな内容のものに変化しているように見えますが。
ロス監督 それは変化ではなく、単に違ったことがしたかったということです。『ハンガー・ゲーム』は『シービスケット』とは違うし、『シービスケット』は『デーヴ』とは違います。また『デーヴ』は『オーシャンズ8』とは違います。同じような映画を作るのは好きではないし、それでは飽きてしまいます。私のキャリアの最初の頃はコメディーが多かったのですが、特にそれにこだわっていたわけではありません。常に新しいものを見付けて、チャレンジしたいと思っています。
-では最後に映画の見どころと、日本の観客に一言お願いします。
ロス監督 皆さんに、ドキドキしながら楽しんでいただける映画になっていると思います。今までの『オーシャンズ』とは違います。そこに行けるだけでもワクワクするような、世界中で一番有名なパーティーの現場で盗みを働く、というところが見どころです。
オリビア メンバーのチームワーク、豪華なメットガラ、華麗なファッション、ニューヨークの風景…。いろいろな面を楽しんでいただけると思います。
(取材・文/田中雄二)

アーティスト

エンタメOVO

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着