『狭小住宅 Part5』(ワールド・ムック―Living spheres (589)) [ムック](ワールドフォトプレス)

『狭小住宅 Part5』(ワールド・ムック―Living spheres (589)) [ムック](ワールドフォトプレス)

《後編》建築バラエティ番組のお見せ
できない建築工程

部屋を広く映す魚眼レンズはヤラセか?

 完成した家に住んでみてから、公の場で後悔を口にした依頼主もいる。
 2008年1月6日に放送された回に出演した競輪選手の平石和男だ。3人目の子供が生まれたときに、子供を伸び伸びと育てたいと考え、開放感のある家をリクエスト。6391万円をつぎ込んで柱がほとんどない中庭と廊下だけの家が出来上がった。しかし住んでみると仕切りなどが一切なかったため、風呂の湿気やトイレの匂い、キッチンの油などに悩まされたという。
 平石選手はその翌年、優勝者インタビューで「去年、家族に申し訳ない買い物をしてしまったので、優勝して改築してやりたいです」と発言している。

 しかし、このような番組を見て「なんでわざわざこんな家に住んでいるんだろう?」と疑問に思ったことはないだろうか? この疑問の答えとして考えられるのは、業界で度々指摘されている、リフォーム番組のヤラセ疑惑である。

 週刊現代(2003年8月2日号)によれば、某リフォーム番組(※リフォーム番組のため記事前述した新築番組ではない)に出演した家主が番組スタッフに「タダでリフォームをするのだから一切口を出すな」と釘を刺されれ、家具を生活に不便な位置へと動かされ、さらにはゴミまでも散らかしわざと住みにくい家にしてから撮影が始まったと告白。部屋をわざわざ汚くするのに、なんと7時間もかけていたというから呆れてしまう。

 同誌では、半分くらいの依頼主が本気で怒ってクレームをつけたりすることもあるが、そういったネガティブな発言はテレビでは全てカットされるとも書かれている。

 またこの手の番組の常套手段として、魚眼レンズでの撮影も挙げられる。通常のカメラよりも広範囲を撮影できる魚眼カメラ。狭い部屋が広くなったというアフターを見せたい場合には、有効な撮影方法なのだろう。
 完成した家が住みにくいと、その後の人生を大きく左右しかねない。家というのは人生で一番高い買い物と言っても過言ではないのだから、制作サイドは誠実な番組作りに努めてほしいと願う。

(文・編集部)

オススメムック:『狭小住宅 Part5』(ワールド・ムック―Living spheres (589)) [ムック](ワールドフォトプレス)
◎書籍画像はイメージで、記事内容と一切関係ありません 

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