Hiroのもいもいフィンランドvol.57「
クイーン+アダム・ランバートを観に
ロンドン遠征!感動のロンドン公演レ
ポ」

以前このコラムで、学生の頃友達に勧められて聴いたクイーンが洋楽を聴くきっかけになったことを書きましたが、フレディがなくなったのがフィンランドに移住した年で、当時ネットなどもなくフィンランド語もわからずでその後クイーンがどうなったかわからずクイーンから遠のいていたものの、6年ほど前、YouTubeの横のお勧めにでてきたMTV Europe Music Awards(EMA)に出演したクイーンの映像をたまたま観てすごく感動し、クイーンがまた自分の中に戻ってきました。1985年に行われたライブエイドはTVにかじりついて観ましたが、残念ながらフレディが生きてる頃の生のクイーンを観る機会はありませんでした。正直なところ、フレディがなくなったニュースを聞いた時にはクイーンはこれで終わった、、、と思ったものでした。それからかなりの年月を経てYouTubeで観たEMA出演時のクイーンにとても感動してしまったのでした。フレディはいなくなっても素晴らしい楽曲は生きている!そう思ったのでした。その時のヴォーカルがアダム・ランバートでした。クイーンを私に取り戻してくれたのは彼がいたから。クイーン+アダム・ランバートとしてこれまでにヘルシンキで2公演ありましたが、この夏のヨーロッパツアーではヘルシンキがありませんでした。ということで、3公演あったロンドンに観に行くことに!今回はフィンランドの話題ではありませんが、とても感動したので読んでみてもらえると嬉しいです。
ロンドン初日がウエンブリー・アリーナ、その後The O2アリーナで2公演ありました。セットリストは同じだったので、総合してのレポを。ステージはブライアン・メイの持つギター、レッドスペシャルの形をしていて、ギターのネックの部分がキャットウォークステージになっています。どしんどしんと巨人が歩く音がしたかと思うと、アルバム『世界に捧ぐ』のジャケットに描かれているフランクの手の映像が映しだされ、次にフランクが顔を出し、フランクが去るとスクリーンの骨組みの向こうにスモークをバックにステージに立つブライアン・メイとアダム・ランバートが赤いライトに照らし出されます。今回のヨーロッパツアーでセットリストにはいった「Tear It Up」がオープニングナンバー!ブライアン・メイはレッドスペシャルの絵柄が書かれたロングジャケット、アダム・ランバートは黒の上下に赤の皮の袖なしロングコート、黒の指なしグローブに黒のサングラスで登場!そのあとはセットリストから消えていた「Seven Seas of Rhye」が復活!日本名が「輝ける7つの海」ですが、ほんとになんかこうキラキラ輝いてるサウンドでウキウキ度が増してきます!「Tie Your Mother Down」はこれまでもありましたが、ツアーごとに変化を遂げていて、今回は赤いライトが印象的に使われ、アダムが首にかけているロングのシルバーのチェーンを握るしぐさがとってもセクシーでした。「Fat Bottomed Girls」では、お決まりとなった「Get on your bikes and ride」の決めポーズ、ライドのあとアダムはステージを走り去り、ブライアンがギターをぎゅんぎゅん奏でている間に衣装替え。
曲が終わると会場が一瞬暗くなり「Killer Queen」のイントロが聴こえてくると床からフランクの頭にのったアダムが登場!とっても表情豊かに歌った後はトークタイム。ブライアン・メイとロジャー・ティラーを紹介した後語ります。「一緒にツアーはじめてすでに6年近くなる。毎回ステージに立つたびに思うんだ。」そして「Bohemian Rhapsody」の歌詞を代用して「Is this the real life? Is this just fantasy?(これはリアルライフなんだろうか?それともただのファンタジー?)って。そこにいる何人かはお前はフレディじゃないよ!って思ってるに違いない。もちろん違う!みんなフレディを知ってるだろ?フレディが恋しいだろ?俺だってそうなんだ。みんなと同じように彼のファンなんだ。今晩一つだけお願いしていいかい?みんな一緒にクイーンとフレディをお祝いしよう!」とショーは続きます。「Bicycle Race」ではキャットウォークステージに花が積まれた3輪車が登場します。その3輪車を歌いながらこいでいく姿がとってもキュート!
アダムがステージを去った後はロジャータイム!ドラムをたたきながらとってもハスキーヴォイスで「I'm in Love With My Car」を歌います。これがしぶい!「Another One Bites the Dust」で再びアダムが登場!アダムの3作目のアルバム『The Original High』に収録されてる曲「Lucy」にはブライアン・メイがギターでFeat.しているのですが、今回のヨーロッパツアーではこの曲がセットリストに加わっていて、この曲のブライアン・メイのギターを生で聴くことができました。途中でブライアン・メイ・タイムがやってきます。キャットウォークステージで椅子に座り、会場内いっぱいに灯されたケイタイの灯がゆれる中、アコースティックギターを弾きながらみんなが一緒になって歌う「Love Of My Life」は感動の1曲です。曲の最後にはスクリーンにフレディが映し出され、ブライアンと共演!会場中に歓声が沸き上がります。その後はお決まりのセルフィースティックタイム!会場を訪れた観客皆をブライアンがぐるーーーっとセルフィービデオに収めます。
その後で、ギターを持ってないことに気づくブライアン(笑)にアダムがギターを持ってやってくると「彼がいなかったら今こうしてここにはいなかった。レディース&ジェントルマン、Mr.アダム・ランバート!」とブライアンがアダムを紹介した後、声の伸び具合がとっても心地よい「Somebody to Love」が始まるのですが、その間にキャットウォークステージにドラムがセットされます。曲の途中でロジャーがそのドラムにやってきて、そのまま次はとってもロカビリーな「Crazy Little Thing Called Love」に!そのあとはドラムバトル!以前はロジャーの息子さんルーファス・テイラーがパーカッションで参加していましたが、彼はThe Darknessのツアーがあったため、Queen Extravaganzaのドラマー、タイラー・ウォーレンが担当。熱くロジャーとタイラーのドラムバトルが交わされます。そのあとの「Under Pressure」ではロジャーとアダムがヴォーカルで共演!その後は「I Want to Break Free」だ。とにかくヒット曲のオンパレード!そして「You Take My Breath Away」の1小節が流れた後、レザー光線が美しくドラマチックに「Who Wants to Live Forever」が始まります。これは歌唱力がないと歌えない感動の1曲!
そのあとフランクの手のひらに乗ったブライアンが上昇していきます。天体物理学博士だけあって、スクリーンに宇宙空間が映し出され「Last Horizon」のギターが鳴り響きブライアン・メイの世界が創りだされます。たくさんのレザー光線が放たれる中ギターソロが続き、ギタリストとしての長いキャリアをギュンギュン発揮!
その後、このツアーでセットリストに戻った「The Show Must Go On」をアダムが感情をいっぱい込めてエモーショナルに歌い上げます。「Radio Ga Ga」では途中でステージを降り、観客と手をタッチするサービスつき。そしていよいよ本篇のクライマックスがやってきます! Is this the real life? Is this just fantasy? と「Bohemian Rhapsody」のイントロが聴こえてくると、もうすぐ終わるという寂しさと、曲の素晴らしさが混ぜりあいなんとも言えない感傷的な気持ちになります。暗闇にスポットライトがあたり、ピアノ演奏をバックにアダムが歌います。途中でドラムが加わります。そしてギターソロを弾くブライアン・メイが床下から登場!オペラパートではミュージックビデオでおなじみのオリジナルメンバー4人の顔映像がスクリーンいっぱいに映し出され迫力満点。最後にアダムが「サンキューロンドン!グッドナイト!」とあいさつすると皆ステージを去ります。
同時にアンコールを求める歓声と手拍子が沸き起こり、しばらく待ってるとフレディがスクリーンに映し出され、Day-Oをフレディと観客が交互に歌います。最後に放送禁止用語を放つフレディに笑いが起こったとこで、力強いドラムのズンズンチャ!ズンズンチャ!とおなじみのイントロが!シルバーの衣装と頭にクラウン、ゴールドのケープを羽織ったアダムが登場!このシルバーとゴールドの組み合わせにクラウンという姿、クイーンというより堂々たるキング!「We Will Rock You」から「We Are the Champions」へ。会場中が大きな歓声に包まれます。最後に紙吹雪が舞いあがり、歓声に包まれながら仲よさそうにブライアンとアダムがメインステージに歩いていきます。「God Save the Queen」が流れる中、皆揃ってお辞儀!次にツアーメンバーであるスパイク・エドニー(キーボード)、ニール・フェアクロー(ベース)、タイラー・ウォーレンを称えることも忘れていません。そしてアダム・ランバート、最後にクイーンのブライアン・メイとロジャーテイラーが前に出てお辞儀!皆がステージを去るとスクリーンにフランクが現れ、バイバイと手を振ります。あー終わった。感動のあっという間の2時間10分でした。
かたくなにクイーンのヴォーカルはフレディただ一人と、機会があってもライブを観に来ないでいる人は損してると思います。クイーンのヴォーカルは今も昔もフレディです。アダム・ランバートはフレディの代わりになろうとしているわけでなく、今も活動しているブライアンとロジャーとともに素晴らしいクイーンの曲を皆にライブで披露しているのです。クイーンの2人はインタビューでよくアダムは神からのギフトだといってますが、2人がアダムをとてもかわいがっていること、それに対してアダムが2人をとてもリスペクトしていることはライブを観れば自然と伝わってきます。この7月にブライアン・メイは71歳、ロジャー・テイラーは69歳の誕生日を迎えました。あとどれくらいツアーできるのかはわかりません。観に行ける機会があれば今のうちに観ておくことをお勧めします。ところで今回のO2アリーナ公演は両日とも録画されてました。途中でブライアンが、この公演は録画されてるのでと「We Will Rock You」のズンズンチャ!の部分を観客に足踏みと手拍子で練習させる場面もありました。観客のテンポが早くなりすぎて、おいおい進みすぎるんじゃないと苦笑い。ドキュメンタリーらしいとの噂を耳にしたので、実現して公開になるのが楽しみです。その前にこの秋にはQueenを描いた伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」が公開になりますね。日本公開は11月9日(金)からとのこと。予告編を観ましたが、久々に映画館の音響で大きなスクリーンで観てみたいと思いました。

セットリスト
1.Tear It Up
2.Seven Seas of Rhye
3.Tie Your Mother Down
4.Play the Game
5.Fat Bottomed Girls
6.Killer Queen
7.Don't Stop Me Now
8.Bicycle Race
9.I'm in Love With My Car
10.Another One Bites the Dust
11.Lucy
12.I Want It All
13.Love of My Life
14.Somebody to Love
15.Crazy Little Thing Called Love
16.Drum Battle
17.Under Pressure
18.I Want to Break Free
19.Who Wants to Live Forever
20.Last Horizon
21.Guitar Solo
22.The Show Must Go On
23.Radio Ga Ga
24.Bohemian Rhapsody
-アンコール‐
25.We Will Rock You
26.We Are the Champions

最後に余談ですが、将来イギリス公演のチケットを買いたい方のために今回体験したことを参考までに書いておきます。最初の2公演スタンディング券はUKのチケット会社AXSで購入。チケットの種類を自分でプリントアウトするpdfチケットにしていたら、公演3週間ほど前にメールで送られてきて問題はありませんでした。最終公演のスタンディング券は友達がチケットマスターUKで購入。チケットは紙チケットのみで、郵送される予定が直前になっても届かない(汗)。結局今から郵送しても届かない可能性があるので、当日会場のボックスオフィスで交換と通知が。会場のサイトを見るとチケットの交換は午後3時からと。QAL公演ではスタンディングはたいてい並ぶ順番の番号を会場前でもらえるので、私は朝6時半ごろ会場につき並ぶ番号をもらい、友達と午後3時に待ち合わせたものの、この日のチケットマスターのチケットは午後5時半からでないと引き渡しできないといわれました。2度確認したけど、それ以前にはどうにもできないと。さらに引き渡しできるのは購入した本人のみだとも。仕方ないので、もともと開場時間に来る予定だった友達には悪かったですが再度午後5時半ごろ待ち合わせをし、友達は会場を離れ、私は列に戻りそこにいたセキュリティに事情を話し、受け取りに行ったあと番号の場所に戻ってくることで承諾を得ていたところ、午後4時過ぎに引き換えができる通知が。え、それはさっきと話が違うじゃない!で、近くにいた別のセキュリティの上司っぽい男性に事情を話したものの、チケットはすでに引き換え可能だから午後4時40分までに引き換えて戻ってこなければ朝とった番号は無効になり、列の最後に並ぶことになるといわれ、その時の時間は4時15分。「あなたに残された時間は25分だ。」といわれパニックに。あわててすぐに友達に連絡とったもののすぐに戻ってこれるわけもなく、列に戻れる期限の時間を過ぎてしまいました(涙)。この日朝早くいってとれた番号は34番!最前がとれる番号です。チケット引き換えた後列のあった場所に戻ると、列はそこからさらにドア前に移動していました。どうしてもあきらめきれず最初に事情を話したセキュリティの男性がいたので、再度事情を話すと、あっさり列に戻っていいよと。え、ほんとに?っと列の後ろについていた会場の係員らしき男性に事情を話してみたら、もちろん戻れるよと自分の番号まで連れて行ってくれ最終的にはハッピーエンド。チケットの発券、郵送がぎりぎりなのは高額転売を防ぐためという話を目にしたことがありますが、スタンディングで前を狙いたい人はこういうケースもあることを知っておいてお気を付けください。もし同じような状況になった場合、あきらめずに人をかえて事情を話してみることをお勧めします。ちなみにスタンド席はチケットマスターは席を自分で選べるのに対して、AXSは自動的に選ばれて出てきました。チケットの種類はアーティストによっても変わってくると思いますが、イギリスのチケットを買う方は参考にしてもらえたらと思います。

文・写真:Hiromi Usenius

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