『ザ・ローリング・ストーンズ/レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』[Blu-ray](日本コロムビア)/出演:ザ・ローリング・ストーンズ、監督:ハル・アシュビー

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《後編》8年ぶりの来日公演決定! ロ
ーリングストーンズ伝説

地味そうに見えて破天荒なメンバーも

 ミックとキースの陰に隠れて最も目立たない存在であったために“サイレント・ストーン”と評されてきたベーシストのビル・ワイマンも侮れない。実は彼はバンド内で一番行動力があると言われ、いち早くソロアルバムを発表したり、他のアーティストをプロデュースしたりしている。しかしこういった行動が協調性がないと思われたのか、キースやミックと衝突することも多かった。最後はミックから「地獄に堕ちろ」と罵られて1991年に脱退するに至るが、バンド時代の伝説は凄まじいものがあった。
 実はビルはミックも顔負けの性豪で、2000人以上の女性と寝たという逸話がある。脱退後に書いた暴露本『Rolling with The Stones』では、認知してない子供もふくめて複数いることを告白。1980年代のインタビューでは「結婚していっぱい子供を作るさ」と答え、1989年には当時18歳で35歳年下だったマンディ・スミスと結婚した。 その他の脱退メンバーを見ていくと、結成時メンバーのブライアン・ジョーンズはドラッグに溺れて誇大妄想症に陥り、バンドを脱退。その1ヵ月後の1969年7月3日に自宅プールで溺死した。そんな彼にも少なくとも私生児が4人いたと言われ、今年2月にそのうちの1人が取材に応じ、妊娠を知ったブライアンに捨てられ、マネージャーを通して口止め料として700ポンド(当時の紙幣価値で一戸建てが買えるほどの金額)を渡されたと明かしている。
 ブライアンの後釜として参加したギタリストのミック・テイラーは、ストーンズのメンバーになった途端、ドラッグ中毒になり、そのせいで鼻の軟骨が溶けてしまい、現在もシリコンを入れている。テイラーは1974年12月に脱退しているが、もしあのまま続けていたら命さえも危なかっただろう。 永遠の不良というイメージが強いストーンズの中にあって、唯一初婚を貫き、スーツ姿の似合う英国紳士然とした風貌を持つドラムのチャーリー・ワッツでさえも、1980年代にはドラッグ中毒に陥り、同時期にアルコール依存症も患っている。当時のエピソードのひとつに「飛ぶかどうか試そう」と言って、ホテルの7階からテレビを放り投げたことがある。
 一番最後にメンバーになったギタリストのロン・ウッドは健康的な外見だが、ドラッグ、アルコール、セックス依存のために何度もリハビリ施設へ入所している。特にアルコールの依存ぶりはひどく、現在も1日にウォッカを2本消費するほど。愛妻家であった彼が離婚する原因となったのも酒によるものだし、あまりの荒れっぷりを見かねたミックが「君が酒を断たなければバンドの計画が全て狂う。このままではツアーに一緒に行かないし、代わりを探すつもりだ」と最後通告を出したと報じられた。 普通のサラリーマンだったらもうとっくに定年を迎えている年齢のメンバーたち。このように彼らを一般人の常識で語ることは不可能なので、これからもストーンズは我々の予想の遥か上を行くような伝説を作っていくに違いない。(文・編集部)オススメBlu-ray:『ザ・ローリング・ストーンズ/レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』[Blu-ray](日本コロムビア)/出演:ザ・ローリング・ストーンズ、監督:ハル・アシュビー

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