©2018「君が君で君だ」製作委員会
1.『君が君で君だ』
タイトルは“君”で溢れているけれど、これは、“僕”の物語だ。
これまでの人生を捨てて、10年君に溢れた “僕”の、
そして、その10年の果てにもう一度生まれ変わった“僕”の、再生の物語だと思った。
大好きな子が好きなのは、尾崎豊の歌と、ブラピの顔と、坂本龍馬の心。
3人の男は名前を捨て、これまでの人生を捨てて、彼女のために生きる。
それぞれが尾崎豊、ブラピ、坂本龍馬として。
向かいのアパートに身を潜め、バレることなく、彼女の日々を見守る3人。
彼女の後をつけ、写真を撮り、彼女と同じ時間に同じものを食べることを喜びとする。ある日、彼女への借金の取り立てが突如彼らの前に現れ、歯車が狂い出し、物語は大いなる騒動へと発展していく—。
「共感しすぎる人がいたら、注意してください」
その音葉通り、この3人はかなり際どい。
いや、セーフかアウトかで言ったら、完全にアウトだろう。
でも、なぜか応援してしまう自分がいた。
紙一重の、純愛と異常。
誰かのためを思うってなんだろう。
手を差し伸べること? それとも相手の意志をただ見守ること?
何かをすることと何もしないこと、どちらが愛なんだろう。
一体、愛するって、どういうことなのだろうか。
行き過ぎた愛の行方を追いながら、そんな本質的なことを考えさせられた。
そして、観終わった時、やっぱりこれは、“僕”の物語なのだと思った。
“僕が僕であるために”、きっとなくてはならなかった10年なのだと思った。
▼ Information
『君が君で君だ』
全国公開中
脚本・監督:松井大悟
出演:池松壮亮、キム・コッピ、満島真之介、大倉孝二、高杉真宙、中村映里子、山田真歩、光石研(特別出演)、向井理、YOU
配給:ティ・ジョイ
©エイベックス通信放送
2.『パンク侍、斬られて候』
とにかく豪華で豪快。
この顔ぶれのこの役どころ、を以て織り成す、狂騒的な映像世界。
超絶プレミアムな俳優陣が出演を熱望した世紀の娯楽映画。
エンターテイメントを極めに極めた映画だった。
こんな綾野剛が見たかった!から始まり、北川景子、東出昌大、染谷将太の活躍光る主役級キャスト。そして村上淳、若葉竜也、近藤公園、渋川清彦のクオリティ向上必至の名バイプレーヤー、更に、浅野忠信、永瀬正敏に、國村隼、豊川悦司の名優界トップランカーたち。二度はない大終結に、宮藤官九郎×石井岳龍の爆裂タッグで極限の個性を爆発させる。
始まりは一つのハッタリ。発令される隠密ミッション。“10人男たち”による腹の探り合いと、“1人の女”をめぐる恋の行方。そして“1人の猿”が語り出す驚きの秘密。最後に斬られるのは誰だ!?この世のものとは思えない物語の、はじまりはじまり…。
はっきり言って、わけわからないところも、盛り盛りある。
万人受けもしないと思う。でも、受けてしまった人には最後。
ギャグもネタも満載、それでいてスペクタクル。そして、時々、しれっと現代の核心を撃つ。最後の最後まで爆発的に面白い。
ハイテンションとスピード感で突っ切って突っ切って、昇華する。
驚き、笑っている間になんだか着いてしまった…というような、
乗ったことのないジェットコースター、あるいはタイムマシン的な未曾有の乗り物のような映画だ。
▼ Information
『パンク侍、斬られて候』
全国公開中
原作:町田康「パンク侍、斬られて候」(角川文庫刊)
脚本:宮藤官九郎
監督:石井岳龍
出演:綾野剛、北川景子、東出昌大、染谷将太、浅野忠信、永瀬正敏、村上淳、若葉竜也、近藤公園、渋川清彦、國村隼、豊川悦司、他
配給:東映
© 2018 スタジオ地図
3.『未来のミライ』
『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』…。繊細なアニメーション世界と心あたたまる物語で観るものを魅了する細田守作品たち。新作の『未来のミライ』は、甘えん坊の弟と未来からやってきたお姉ちゃんが織り成す、「きょうだい」をめぐる物語だ。
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。
ある日、甘えん坊のくんちゃんに生まれたばかりの妹がやってきた。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑う4歳のくんちゃん。
そんな時、くんちゃんは、自分のことを“お兄ちゃん”と呼ぶ、“未来からやってきた妹、ミライちゃん”と出会ったー。
家一軒に、庭一つに起こる出来事たち。
それは、私たちが見回すこの世界のありふれた風景であり、
そして、そこには一つきりの、他にはない家族の物語がある。
命は生まれ、家族は過去から今へ、そして未来へと繋がれていく。
ミライちゃんに導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つくんちゃん。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりだった。みたことのない世界と不思議な出会いたち。初めて知る様々な「家族の愛」の形。
そして、くんちゃんが最後にたどり着いた場所とミライちゃんがやってきた本当の理由。それを知る時、物語はまたひとつ深くなる。
誰一人としていなければ、なかった命。生まれる前からの巡り合わせ、生まれてからの出会いの数々、その重なりの上、私たちはここにいるのだ。
命が繋がっていき、家族であること。
時間が繋がっていき、家族でいること。
今そこにあるありふれた風景の素晴らしさを噛み締めた。
▼Information
『未来のミライ』
7月20日(金)全国東宝系にてロードショー
監督・脚本・原作:細田守
声の出演:上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治
配給:東宝

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