『サバンナのハイエナ』[DVD](R and C Ltd.)/出演:サバンナ

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《後編》ゴマすり芸人のあっぱれ世渡
りテク

サバンナ・高橋のおごらせる技

 サバンナ高橋が先輩芸人から食事をおごってもらうときに駆使しているやり取りには、達人ならではの秘技が見られる。本人が「2ラリー半のやり取り」と呼ぶのがそのテクニックで、食事代の支払いの際に繰り広げられる。
高橋「兄さん、今日はナンボか払いますので」
先輩「ええよ、ええよ」
高橋「それはダメですって。ナンボか出させてください!」
先輩「いや、本当にええから!」
 これで、やり取りは2ラリー。ここまでは、どこにでもある風景だ。後輩としては「払う気持ちがある」ところを見せたいが、あまりにしつこく「払う」と言えば、先輩の機嫌を損ねかねない。そもそも本当は払う気などないのだから、「じゃあ、ワリカンで」と言われても困る。そこで高橋は、払う意志があることを念押ししつつも、相手が「じゃあ」と手を出しづらい行動を見せる。
「ジジジッ」
 ポケットから財布を取り出し、マジックテープを開く音を立てるのだ。先輩芸人は「マジックテープの財布=お金のない芸人」と察し、高橋の“気持ち”だけを受け取り、結局はまんまと全額支払うことになる。なんとも巧みな「半ラリー」だ。

 ゴマスリの師匠的立場のたむらけんじをして、「俺を超えた」と言わしめるほど太鼓持ちの才能を持つ高橋には、ほかにも得意とする技がある。
 食事に誘っておごる側としては、相手が喜んでくれることがなによりも嬉しい。「このご飯はおいしい」「あなたと飲んでいると楽しい」という気持ちを伝える。上手におごられるのが基本中の基本だ。
 ところが、「ホンマ、めっちゃ楽しいです!」とストレートに気持ちを伝えても、素直に受け取ってくれない場合もある。そんなとき高橋はあえて先輩本人には伝えず、トイレへ立つ際などに小さな声でボソッと独り言をいう。
「はぁ~、楽し……」
 独り言というのがキモ。相手に伝えるための言葉ではないからこそ、そこには本心が込められている——と、おごった側は受け取るという。
 一般社会でも世渡りは大事。高橋の生き方をよく観察するべきなのかもしれない。

(文・編集部)

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