待望の日本デビュー!K-POPガールズ
グループ・EXIDついに日本上陸!「E
XID PREMIUM DEBUT SHOWCASE "Excee
d In Dreaming" in JAPAN」ライヴレ
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2014年の大ブレイクから4年。中国や台湾に進出し存在感を高めているEXIDがようやくEXIDが日本にその姿を現した。
ヒットチャートの50位以内にも入らなかったシングル曲「UP&DOWN」が、SNSによってじわじわと火がつき、主要チャートの1位を総なめしたことは、今やEXIDの伝説だ。新陳代謝が激しいK-POPの世界で、始めに注目されなかった曲が大ヒットになることはきわめて希な事件なのだ。しかもEXIDはそのヒットを1曲だけで終わらせなかった。彼女達を知ったリスナーは、次のシングルもそしてその次もと、支持し続け、K-POPの今を投影する存在にのし上げた。
「LADY」 MV

私は、韓国の弘大(ホンデ)シーン(新しいアーティストの発信地、ソウルの弘大から生まれるシーンを指す)を日本に紹介してきた。アイドルとは一線を画す弘大の実力派アーティストから、ここのところ彼女達の話しをよく耳にした。アイドルを語りたがらない弘大アーティストからなぜ彼女達の名前が出るのか不思議だった。EXIDは今までのガールズグループにはない何か、EXIDでなければ表現できないK-POPの姿があるのだというのだ。
EXIDにはどんな魅力があるのか。「EXID PREMIUM DEBUT SHOWCASE "Exceed In Dreaming" in JAPAN」。6月27日(水)、東京・Zepp Tokyoで行われたEXIDの初ショーケースに私は行った。
ZEPP東京での第一部、平日の午後3時開演にもかかわらず、フロアは1階2階ともぎっしり埋め尽くされていた。20代と30代の男女共を中心に年齢層も実に幅広く、そのファッションからも色々な層が混在しているのがわかる。
いよいよ開演、スクリーンに韓国を代表する音楽チャート番組で1位を取った時の映像やMVがフラッシュで流れる。その音をかき消してしまうような声援が、会場に大きなうねりを作る。病気の静養のため活動を休止しているリーター、メインヴォーカルのソルジも含むメンバー5人、一人一人の映像と名前が映し出され、会場からは「かっこいい!!」「ヤバい!!」という歓声が飛び交った。
映像が終わると、バックライトが観客を照らし、無音に。観客も静まり返る。視線はステージに釘付けになった。
「UP&DOWN」 MV

EXIDのアンセム、「UP&DOWN」のイントロが流れ、ついにEXIDがステージに現れた。白と黒でコーディネートされたショートパンツとスリーブレス姿だ。
彼女達が、日本での活動の幕開けに選んだのは、8月22日(水)リリースの日本デビューシングルとなる「UP&DOWN」だ。LE(メインラッパー)、ハニ(リードヴォーカル・リードダンサー)、ヘリン(リードヴォーカル)ジョンファ(メインダンサー・サブヴォーカル&リードラッパ)4人がフォーメーションを組み、一人一人を紹介するようにステージが進行する。グループとしての魅力だけではない、メンバーの個々のパフォーマンスが見て取れる。
「このグループは、一体なんなんだ。」
1曲目からそんな気持ちにさせられた。先ほどのカリスマオーラ全開のステージングとは打って変わって、MCを迎えてのトークパートがスタート。ちょっと緊張したような笑顔を浮かべるメンバーに、今度は観客が大きな声援を送る。「EXIDです。」覚え立ての日本語に緊張してか、全員で揃えて言うはずのフレーズがバラバラになり、会場は笑いに包まれる。
日本での活動をスタートすることができた喜びと、ファンへの感謝を精一杯の日本語を交えながら伝える。ハニは「日本デビューにあたりどきどきだけど、一生懸命にやらなきゃ。日本語もがんばって勉強しますと」宣言した。
そんなトークの中で、“日本で初めてのショースで、どうやって登場したらかっこいいスタートを切れるのか、冒頭の登場シーンだけに30分リハーサルした”というエピソードが語られた。自分達をいかに魅せるか。プロデュースされ実践するだけのグループではないEXIDらしいエピソードだと私は思った。
2曲目は、アーバンソウルな楽曲、「Night Rather Than Day」だ。カッティングするギターにホーンも入ったサウンドの中で、4人のパート分けが実に魅力的な曲だ。ヘリンの印象的な耳に残る声、LEの強く挑戦的なラップと、ハニの伸びやで表現力豊かな歌声、そしてジョンファの独特な美声がよくわかる、アーティストとしての魅力が詰まったキャッチーなパフォーマンスだった。80年代のヴィンテージなグルーヴに自然に観客は体を揺らし、サビの部分を共に歌い、ステージと共鳴する手応えを観客は感じているようだった。
「Night Rather Than Day」 MV

アーバンな曲調から一転し、赤とピンクを基調にした照明の中で、ステージから強烈なオーラが放たれる。曲は「DDD」。LEのクールなラップをベースに、EXIDらしい“つよかわいい”“セクシー”なパフォーマンスに観客はただただ見入る。誰がどのパートを歌っているのか、はっきり聴いて取れる。ライヴパフォーマンスのうまさも光っていた。そして何より、LEのストイックであり、ぐいぐい前に出るラップに圧倒した。アウトロに乗りながら観客は「EXID!」とコールし、曲がカットアウトした。
「DDD」 MV

再びトークパート。ここではサプライズ企画が用意されていた。活動休止を余儀なくされているEXIDのリーダー、 ソルジが電話で登場したのだ。4人はソルジの空席を埋めるという困難な道を今も歩いている。そしてステージでは、いつもソルジがそこにいるように、パフォーマンスしているように私には思える。
「今日この会場にいられないのがとても残念ででも次は必ず5人揃って皆様の前に立つことを約束します。(中略)あと少しの間待っていてください。」。観客からは「ソルジ待ってるよ」という声が、あちらこちらから上がっていた。
メンバーも知らなかったというこの演出に、ジョンファは「会いたいよ」と涙ぐみ、他のメンバーの目にも涙が浮かんだ。「泣くな」ソルジの声にヘリンは泣いているメンバーの背中をさする。共に涙ぐんでいた観客からも再び「ソルジ〜待ってるよ」という声が上がる。そしてもう一つ、8月に初の日本ツアーが発表された。日本デビューシングルが発表される翌日の8月23日にZepp東京で翌8月24日にZepp大阪ベイサイドで行われるという。
次の曲がラスト曲だというMCに観客からは本気の「えーーー」が。
「最後は1番HOTな曲を選びました。」そうアナウンスし、ついにラスト曲に。「HOT PINK」。K−POPらしいポップなアレンジだ。しかし“ただキャッチーなだけではない”観客をエンパワーメントし、EXIDの世界に引きずり込むような不思議な力がこの曲にはある。そして複雑なダンスフォーメンションの中にあって、メンバーが自分色をしっかりと出すアレンジも入れてくる。EXIDのダンスの魅力も凝縮していた。
「HOT PINK」 MV

駆け抜けるようにステージが終わり、アンコールへ突入。黒と白の色違いのTシャツにホワイトスニーカーに着替えて、韓国で4月にリリースされて主要チャートNO1になった「LADY」を歌う。90年代のニュージャックスィングを意識して作られた曲だ。ヘンリの高音が心地いい。
曲が終わり、メンバーだけのMCが始まる。「こんなにたくさんの人が来てくれるとは夢にも思わなかった。最後に一緒に歌える歌を選びました」。
アンコール曲、2曲目は「How Why」。
「How Why」 MV
曲が終わり「またねー」というメンバーに会場からは「がんばれー」の声が届けられる。およそ1時間の公演が終了した。
EXIDは私たちが見たことのないアイドルだ。誰かが用意した椅子、誰かが考えたコンセプト、誰かが教えたパフォーマンス準備されたアイドルではなく、EXIDは自分たちの今を表現できるグループなのだ。ステージで、4人は全く違う光を放ちながらも、次第に4つの光は反射しつつ、あるところで一点に重なり、さらに強い光となって私たちに光の雨を見せる。そんな強烈な世界観をEXIDは創造している。その姿にリスナーは強さを見、自分を見失わず自分を手に入れる姿に共鳴と憧れのような気持ちをいだくのかもしれない。複雑で孤立しがちな時代を生きる一人として、光を見たくなるのかもしれない。夢を越える、という意味を持つEXID。彼女達の夢の先には何があるのか、ライブを見終わり帰る中で、彼女達一人一人の言葉をいつか、聞いてみたいなぁと思った。きっと面白い答えが返ってくることだろう。

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