【インタビュー】TETSUYA (L’Arc-e
n-Ciel)、1st EP完成「常に攻めの姿
勢で音楽を作る」

TETSUYA (L’Arc-en-Ciel)が7月18日、前シングル「愛されんだぁ I Surrender」から約1年ぶりの新譜となる1st EP『I WANNA BE WITH YOU』をリリースした。
EP『I WANNA BE WITH YOU』は“夏”をコンセプトに掲げた作品だ。表題曲「I WANNA BE WITH YOU」や『新幹線変形ロボ シンカリオン』エンディング主題歌「READY FOR WARP」、「FATE」「Eureka」といった新曲4曲に加え、ボーナストラックとしてソロデビュー曲「wonderful world」(2001年発表)のアコースティックバージョンを収録した全5曲は壮快にして表情豊か。抜群のメロディーセンスを誇る王道キラーチューンを基調に、進化を遂げたサウンドプロダクトがTETSUYAの新たな魅力を物語る仕上がりだ。

また、リリースに先駆けて公開された「I WANNA BE WITH YOU」「READY FOR WARP」のMusic Clipは、2曲が同一シチュエーションおよび同一カット割りで制作された“2つの世界を行き来するパラレルワールド”が描かれた映像が話題だ。さて、BARKSでは先ごろ、オフィシャルインタビューを公開したばかりだが、ぜひともこのインタビューと併せてお読みいただきたい。両インタビューの受け答えにも、平行宇宙を連想させるTETSUYAの遊び心が凝縮されている。ファンタジーとリアルを行き交う爆笑必至のロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■名前に“TETSU”とついているくらいで
■“撮り鉄”なんですよ(笑)

──『I WANNA BE WITH YOU』は、キャリア初となる5曲入りEPです。まずは、EPを作ることにした理由などを話していただけますか。

TETSUYA:僕が子供の頃に観た映画『E.T.』が忘れられないからです。ラストシーンでETが、「I’ll be right here=いつもそばにいるよ」と言うじゃないですか。特にあのシーンに感動したんです。それでEPを作ることにしました。

──えっ!? それがEPにした理由ですか?

TETSUYA:はい(笑)。『E.T.』といえば、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)には『E.T.アドベンチャー』がありましたよね、たしか最後に名前を呼んでもらえるアトラクションで。大阪にUSJが出来たのは2001年だったと思うんですけど、僕は1999年とか2000年にロスのユニバーサルスタジオに行ったのが初めてで、そこでクイーンのブライアン メイ(G)が普通に歩いていたのを観たんですよ、しかも1人で。周りは誰も騒いでいなかったけど、あれは絶対に本物だった。そんなふうに『E.T.』にまつわる思い出がいっぱいあるので、今回EPを作ることにしました(笑)。
──な、な、な、なるほど。もうひとつ、「I WANNA BE WITH YOU」は“夏がコンセプト”ということも注目です。

TETSUYA:僕ね、作家の銀色夏生先生が好きなんです。それで、夏をテーマにした作品を作ることにしました(笑)。

──…………それだけですか?

TETSUYA:うん、それだけ(笑)。

──シ、シ、シ、シンプルな理由ですね(笑)。では、EPに収録された各曲のお話の前にうかがいますが、作曲をされる方は、コンセプトやお題などがあったほうが作りやすいという方と、自由に作りたいという方にわかれることが多いようです。その辺りはいかがでしょう?

TETSUYA:どっちも楽しめます。僕はストイックなところも、ドMなところもあるので、“テーマはこれ、こういう曲調、締切はいつまで”というような制限がある中で、いかにいいものを作るかにチャレンジすることは好きなんですよ。前回の「愛されんだぁ I Surrender」は、“グラムロック”というテーマを踏まえて曲作りを楽しみましたし。でも、なんの制限もなく自由に作るのも好きです。どっちも好きだし、どっちもできなければいけないと思っています。

──さすがです。では、今回のリード曲「I WANNA BE WITH YOU」はTBS系TVアニメ『新幹線ロボ シンカリオン』のエンディング主題歌ですが、この曲はどんなふうに作られたのでしょう?

TETSUYA:僕は新幹線が好きなんです。名前に“TETSU”とついているくらいで、“撮り鉄”なんですよ(笑)。

──えっ? ええっ? えええっ? 本当ですか!?

TETSUYA:時間があれば電車の写真ばかり撮りに行ってます(笑)。特に新幹線が好きで、ロボットも好き。だから変形ロボット『トランスフォーマー』なんて最高ですよね。“新幹線がロボットに変形したら面白いのにな”と思っていたら、そういうアニメがあったんですよ! それが『シンカリオン』。そのイメージで書いたテーマ曲が「I WANNA BE WITH YOU」です。やっぱり夏といえば、夏休みじゃないですか。「I WANNA BE WITH YOU」は“夏休みに新幹線に乗って旅行しようぜ”という歌です(笑)。
▲初回限定盤A

──は、は、はい? そういう歌詞ではないような気が(笑)。ともあれ、「I WANNA BE WITH YOU」が『新幹線ロボ シンカリオン』エンディング主題歌に起用されます。

TETSUYA:夢って叶うんですね(笑)。でも、もう数年早く思いついていればなぁと思いましたよ。だって『シンカリオン』より先に僕がそのアイディアを持っていれば、原作者になれたかもしれないじゃないですか、惜しかったな。そういえば知っています? 『踏切戦士 シャダーン』。大好きだったんです。新幹線がロボットに変形するという僕のアイディアは『シャダーン』からの発想なんですよ。でも、新幹線は基本的に踏切がないから、『シャダーン』と絡められなかった。それが僕の中では心残りなんです(笑)。

──えーっと、えーっと、えーっと。「I WANNA BE WITH YOU」は『シンカリオン』をイメージしつつ、メロディーから作られたのでしょうか?

TETSUYA:メロディーをもとにして原形を作り、アレンジャーの陶山(隼)さんとのデータのキャッチボールを経て、2人でスタジオに入ってアレンジを完成させます。その後に本番レコーディングで生の楽器に差し替えていくという流れです。

──煌びやかな夏が浮かんでくる曲に仕上がっています。「I WANNA BE WITH YOU」は歌詞もよくて。

TETSUYA:そうなんですよね、曲のことは褒めていただけるんですけど、歌詞はなかなか。僕としてはね、歌詞もわりとがんばっているんですけどね……。

──「I WANNA BE WITH YOU」は“君と一緒に未来を追いかけていこう”というラブソングとも取れますが、“YOU”は“夢”や“目指す理想”、もしくは“ファンの皆さん”というふうに、いろいろな意味に解釈できるのがいいですね。

TETSUYA:おっしゃるとおりで、いろんな立場の人が感情移入できるように歌詞を作りました。この曲は聴いてくれる人それぞれが、それぞれの思いを重ねて、自分の曲にしてもらえるといいなと思います。

──みなさんの夏の思い出とともに記憶される曲になる予感がします。それに、夏を描いた曲ではありますが“The 夏!”のようなものではなくて、香るようなテイストも心地いいです。

TETSUYA:いや、僕の中では“The 夏!”です、TUBEです。でも、おっしゃることはわかります(笑)。僕は四季の中でどれが好きかと問われたら夏、それも初夏が一番なんですよ。これから始まる夏にワクワクするような。海が好きだし、ハワイも好き、サーフ系のファッションとかインテリアとかも大好きなんです。ただ、日焼けが嫌いなんですよねー(笑)。そこが、TUBEとかサザンオールスターズと違うところなんでしょうね。実際、海には入らないし、サーフィンもしない、日焼けもしない人が(笑)、想像で作る夏の曲。
■期待を裏切りたくないという気持ちがある
■“前のほうがよかった”と思わせたくない

──TETSUYAさんの場合は、それがいい方向に出ていると思います。「I WANNA BE WITH YOU」のヴォーカルについてもお聞きしたいのですが、今作を聴いて歌唱力にさらなる磨きがかかったことを感じました。ちょっと上目線の言い方になりますが、上手くなっていると思います。

TETSUYA:それは自分でも感じるんですよ。諦めずにずっと続けることは大事だなと、歌録りをしながら改めてそう思いました。

──“ベーシストだから”という言い訳もできる中で、それをよしとせず努力を重ねてきたことが結果として表れてますよね。本当に上から目線のような言い方になってしまってすみません。

TETSUYA:いえいえ。でも、正直、過去には心が折れそうになったこともあったんですよ。でも、歌い続けて良かった。

──歌は楽器と違って、ものすごく練習したからといって短期間で上手くなれるものでもないですし。

TETSUYA:そうなんですよね。それにレコーディングだけしていても上手くならないし、ライヴだけでも上手くならない。両方の場数をたくさん踏んでいくしかないんですよね。歌も、作曲も、アレンジも、どんどん良くなってきていると思うし、続ける中で見えてくることや気づくこともあって。僕は音楽作るとき、本当にいろいろなことを試すんですよ。それが良くなければ採用しなければいいだけのことだから、常に攻めの姿勢で音楽を作る。その結果、最初は思いもしなかったところにいけることが多々あって。それが本当に楽しいんです。

──挑戦し続ける姿勢が功を奏してどんどん新しいところへいかれていますし、毎回作品のクオリティーが高いことにも圧倒されます。

TETSUYA:僕はサービス精神が旺盛だから、期待を裏切りたくないという気持ちがあるんです。“前のほうがよかった”と思わせたくない。“これだけ長く活動しているのに、まだいい曲が書けるんだ。TETSUYAの才能は一生枯れることがないんだな”と思われたいんです。

──そのための努力として、音楽を研究されているんだろうなと感じます。

TETSUYA:いやいや、そこに関してはそうでもないんです(笑)。作業には集中するけど、普段は音楽から離れた生活をしていますから。

──そうなんですね。「I WANNA BE WITH YOU」のベースについても話していただけますか。

TETSUYA:かなりカッコいいフレーズが満載です。僕の中にはベースヒーローとしても世に出たいという気持ちがありますから。

──えっ? すでにそうなっていると思いますが。

TETSUYA:いやいや。なので、ベースも決して手を抜かずに、カッコいいフレーズを弾くように心がけています。“この人のベース、いいな”、“コピーしたいな”と思ってもらえるようになりたい。
▲初回限定盤B

──すでになってますけどね(笑)。では、続いて2曲目の「READY FOR WARP」にいきましょう。この曲も夏っぽい曲ですが、煌びやかな「I WANNA BE WITH YOU」とは一味違ってアッパーです。

TETSUYA:結構アップテンポだし。……僕がUFOを目撃したことはご存知ですか?

──ニュース記事としてBARKSにも掲載されましたね。

TETSUYA:そうなんです。去年の秋に都内で見たんですけど、映像にも残したんですよ(と、スマホで見せてくれる)。

──この光っているたくさんの点々は全部UFOなんですよね?

TETSUYA:そう。矢追純一さんに鑑定していただいて、「本物」というお墨付きをいただきました。この日はお祭りかなにかがあって、青山通りが渋滞気味だったんですよ。僕はビルが好きなので、“このビル完成したんだ”と見上げていたところに、“なんだあれ!?”と。最初はドローンかなと思ったんですけど、この数はあり得ない。で、車を止めてスマホで撮ったんです。これね、肉眼で見たら本当に凄かったですよ。そのときにUFOから、なにか送られてきたんじゃないですかね。朝起きたら、「READY FOR WARP」の歌詞が書かれた紙がベッド横のテーブル上にあったんです。たしかに僕の手書きなんですけど、書いた記憶が全くないんですよ(笑)。

──ええっ! ええっ! ええっ! いわゆる自動手記的なことですか?

TETSUYA:もうそれを発見したときはビックリしましたよ(笑)。しかも、ちょうどその頃に書いた曲に合う歌詞だったんですよ。そうやってできたのが「READY FOR WARP」です(笑)。

──リアルなUFO目撃談から、途中で話のトーンが変わりましたかね(笑)。えーっと、えーっと、えーっと、自動書記のように書かれた歌詞なわけですが、「READY FOR WARP」は“永遠の愛”がテーマとしてありつつ、ライヴ賛歌だったり、ファンに向けたメッセージとも取れる歌詞になっていますね。

TETSUYA:僕にテレパシーを送ってきた人がライヴを意識したんじゃないですかね(笑)。この曲はライヴのときに、みんなで一緒に「Hey!」と声をあげられる場所がギターソロ前にあるんですよね。ライヴ映えするだろうから早くやりたいですね。
■見るたびに気づくことがあると思うし
■ループして戻る構成も楽しんでもらえる

──いい雰囲気で盛り上がるでしょうね。「I WANNA BE WITH YOU」と「READY FOR WARP」はMusic Clipも作られましたが、違う曲なのに同じシチュエーションで、同じカット割りになっているという独創的な手法が印象的です。

TETSUYA:そういうMusic Clipってあまりないじゃないですか。というか、これまでやったことのある人っているのかな? たぶん誰もやっていないと思うんですよね、同じシチュエーション、カット割で別々のMusic Clipを撮るという手法は。監督と打ち合わせをしている中でフラッシュアイディアとして出てきたものが“2つの世界を行き来するパラレルワールド”。今回のEPは、夏をテーマにした5曲を収録しているんですけど、僕の中ではもう全曲シングルカットできるくらいの曲を集めたつもりなんですね。だから、Music Clipは普通タイトル曲だけなんでしょうけど、もう1曲なんとかして撮りたかったんです。そこで監督と意見を交わしたらアイディアが閃いて。これなら2曲撮れるし、誰もこういうアイディアでMusic Clipを作ってないだろうから。

──同じ構成で撮るのならラクなのかなと思う人がいるかもしれませんが、実はかなり難しい気がします。

TETSUYA:そうなんです。異なるテンポに合わせて、同じ動き、同じ表情をしないといけない。リップシンクもしてますしね。同じ演技をするんだけど違うんです。だから、同じシーンで違うセリフを違和感がないように言うようなものですよね。そういう意味では、全くテイストの異なる2曲のMusic Clipを撮るよりも大変な部分がありました。
■1st EP「I WANNA BE WITH YOU」

2018年7月18日(水)発売


【初回限定盤A (CD+DVD+PHOTOBOOK [68P])】UPCH-89379 ¥3,500 (+tax)
※三方背スリーブケース・ピクチャーレーベル仕様
▼DVD収録内容
「READY FOR WARP」Music Clip
The Making of “READY FOR WARP (Music Clip)”


【初回限定盤B (CD+DVD)】UPCH-89380 ¥2,800 (+tax)
※デジパック・ピクチャーレーベル仕様
▼DVD収録内容
「I WANNA BE WITH YOU」Music Clip
The Making of “I WANNA BE WITH YOU (Music Clip)”
【通常盤 (CD)】UPCH-89381 ¥2,000 (+tax)
初回仕様:「新幹線変形ロボ シンカリオン」デカ帯仕様
※通常盤[初回仕様]のみ、ボーナストラック1曲収録
※通常盤[初回仕様]の出荷終了後は通常仕様(UPCH-80497/¥2,000+tax)での出荷となります

※全3形態
※全形態 ジャケットの絵柄は異なります。
※全形態 CD収録内容は共通です。
<CD収録曲>
1. I WANNA BE WITH YOU
2. READY FOR WARP
3. FATE
4. Eureka
5. [BonusTrack] wonderful world (Acoustic Version)

▼タイアップ情報
楽曲:「I WANNA BE WITH YOU」
TBS系全国28局ネットアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」エンディング主題歌 
※毎週土曜日あさ7時から放送中

▼「I WANNA BE WITH YOU」トラック先行配信
iTunes http://po.st/iwbwy_it
レコチョク http://po.st/iwbwy_re
Spoyify http://po.st/iwbwy_sp
LINE MUSIC http://po.st/iwbwy_lm


■<TETSUYA “LIVE 2018 SUMMER”>

2018年7月23日(月) 東京・めぐろパーシモンホール
開場18:30 / 開演 19:00
▼チケット
¥6,900 (+tax)
一般発売:6月30日(土)10:00~ 各プレイガイドにて
・SOGO TOKYO オンラインチケット http://sogo.pia.jp/
・チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード:118-746) http://pia.jp/t
・ローソンチケット 0570-084-003 (Lコード:72152) http://l-tike.com/
・イープラス http://eplus.jp/


■AbemaTV特番『TETSUYAの素顔を徹底解剖!1stEPリリース記念SP!』

7月21日(土) 22:00〜22:30
▼チャンネル
AbemaGOLDチャンネル
https://abema.tv/channels/special-plus-2/slots/8U3rfruyfPGcab

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