『たむらけんじのホンマは教えたくない 味が!満足度が!オカンが! A級大阪グルメガイド』[大型本](ワニブックス)/著:たむらけんじ

『たむらけんじのホンマは教えたくない 味が!満足度が!オカンが! A級大阪グルメガイド』[大型本](ワニブックス)/著:たむらけんじ

《前編》ゴマすり芸人のあっぱれ世渡
りテク

たむらけんじは世渡り上手

 金や力を持つ者が多い世界ほど、太鼓持ちが活躍しやすい。芸能界もそのひとつだ。特に先輩後輩の繋がりが深いお笑いの世界では、「おもしろいネタを作るより人脈を作った方が、売れるのが早い」と言われるほどだ。この名言を残したたむらけんじこそ、上方お笑い界で「太鼓持ち」というスタイルを広げたベテランゴマすり芸人だ。
「東京で売れてる芸人、死ねっ!」と、過剰なジェラシーをネタにしているたむけんだが、プライベートでは今田耕司、雨上がり決死隊の宮迫博之、千原ジュニアなど、「東京で売れた芸人」にべったり。たむけん本人が売れるまでは、先輩芸人が大阪へ帰ってくるとこぞってたむけんを飲みに誘っていたというのだから、よほど気持ちよく太鼓を叩いてくれるのだろう。
 このたむらけんじが諸先輩方に紹介し、太鼓持ち芸人の跡継ぎとして育てたのが、サバンナの高橋茂雄だ。
 小学生時代、普通はいじめられることが多い転校生から逆にいじめられ、中学のときには、おかゆをリュックのなかにこぼしてびちゃびちゃにしたため「リュックびちゃ男」という屈辱的なあだ名で呼ばれていた高橋は、早くからご機嫌取りの愛想笑いを処世の術としてきた。
 高校時代には、柔道部の主将に取り入り、ひとりだけシゴキを逃れていたという。その主将こそ、現在コンビを組む八木真澄だ。現在では、完全に立場が逆転している高橋と八木。いかにゴマスリが世渡りに有効かを物語っている。
 ゴマスリ芸人たちもただヘラヘラと薄ら笑いを浮かべ、媚びへつらっているわけではない。それだけで実力者たちが可愛がりたくなるほど、太鼓持ちの世界は甘いものではない。彼らは彼らなりにきちんと計算をして人の心の隙間に入り込んでいる。言わば、人心掌握術の達人なのだ。

(文・編集部)

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