いつまでも人々の心の片隅に残り続ける珍曲や迷曲たち。売れることを考えて作られたとは思えない破天荒な作品に、その時代の心の豊かさと歌謡界の度量の大きさを感じる。いまこそ、その真髄を継承すべく、魔法のカルタで拡散!

「行方不明」

1977年発表
歌:石原圭子
作詞:藤公之介
作曲:中村泰士
編曲:土田治一

「♪あたし 行方不明になるよ」、「♪手がかりは 残さなかったよ」とインパクトのあるフレーズで始まるこの曲は、“やさぐれ”歌手と言われた石原圭子のシングル曲。リンダ・ロンシュタットのシングル曲「It’s So Easy」(1977年 アメリカ)のサビとよく似たフレーズに時代を感じる。しかし、石原圭子の冷めたようでいて、どこか哀しさが漂うような表現力は個性的! さらに、「♪シャバダバ」という男性コーラスがオリジナリティを強調している。曲は、「♪見送って くれたのは 背中で回る イルミネーション 手向けの花に見えたよ」で締めくくられる。最後までしっかりと“やさぐれ”感が漂う歌詞と、その表現力にシビれる。この曲も収録された1978年発売のアルバム『酔いざめ』の石原圭子に書かれたフレーズは、“人は云う…圭子の歌は酒の味だと”。

作詞を担当した作詞家・詩人・放送作家の藤公之介は、「いとしのロビン・フッドさま」(1978年 歌唱:榊原郁恵 作曲・編曲:馬飼野康二)など歌謡曲から、テレビアニメ『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV』(1989年 日本テレビ系列)のオープンニング・エンディング曲を手掛けるなど作詞家として幅広く活動。1976年の大塚博堂との共著『ダスティン・ホフマンになれなかったよ』は、同年、大塚博堂のデビューシングル曲(作曲:大塚博堂 編曲:惣領泰則)として発売され、1985年の著書『カリブ・愛のシンフォニー』は同年映画化されている(配給:東宝配給 監督:鈴木則文 出演:松田聖子・神田正輝)。

解説・イラスト:はらめがね

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