Lead、ニューアルバム
『MILESTONE』が完成!
制作や今後のライブについて語る
2017年、結成15周年を迎えたLeadが、2018年7月18日に約2年ぶりのニューアルバム『MILESTONE』をリリースする。彼らのルーツと言えるヒップホップやブレイクビーツをはじめ、フューチャーべースやJ-POP的なバラードなど、ジャンルレスなサウンドを聴かせる本作は、彼らの過去、現在、未来をつなぐ“道しるべ”となる重要な作品だ。
今回、本作をひっさげての全国ツアー『Lead LIVE TOUR「Lead Upturn 2018 〜MILESTONE〜」』のリハーサル中の3人をキャッチ。15年間の活動を通じてのグループ/各メンバーの変化や最新作の制作、また今後のライブの展望についてじっくり話を訊いた。
――15周年という大きな節目が過ぎて、本当に早いなと。成長の大きさも本当に計り知れないものがあるよね。まず、声の出し方が昔と全然違う。敬多なんて声質まで違うよね。
古屋敬多(以下、敬多):そうですね。特に歌い方は結構変えましたね。でも、自分の声嫌いなんですよ。だからすごく意識して変えたんです。まだ完成はしてないと思ってて全然途中なんですけど、15年の中で好きな歌い手の人とか好きなタイプが自分の中でわかるようになって、結構声がハスキーな人が多いんですよね。日本人でいうと桑田さん(サザンオールスターズ桑田佳祐)とか最高っすね!
――でもあれは地声なわけだから、どういう風に変えていくの? ボイトレってこと?
谷内伸也(以下、伸也):我流だよね。
敬多:そう。まずイメージでその人っぽく歌ってみるみたいな。今まで普通に歌うと声が鼻にかかるんですよ、だから低い音がなかなか出なかったりとかして、変声機とか持ったりしながら。でもハスキーに寄せると息を多めにしてとか、いろいろ意識するんですけど、その分倍音っていうかシャーっていう音が増える分、芯の地声がちょっとなくなるんでそのバランスのコントロールがちょっと難しくて。でも最近やっと安定してきたかなって思ってて、だからずっとやり続けるともっと安定はしていくんだろうなっていう風に感じてますね。真似してみて少し慣れてきたら“(好きな歌い手さんは)こうやって歌ってるのかな? こういう喉の使い方してるんだろうな”っていうのがなんとなくわかってくるんですよね。
――そうなんだね。感覚の問題なんだね。
敬多:感覚とか意識は大きいと思いますね。
――輝はどう?
鍵本輝(以下、輝):僕は歌い方をそんなに変えてないけど、曲によっての表情の変化は、すごく付けるようになりましたね。自分の中で大きく変化したのは、曲を作るようになったことだと思いますね。それで歌い方が自然に変化したというのはあるのかもなって思いますね。ゼロから自分で考えて曲を作っていくので、その曲に染まらないと歌えないというか。そんな風になったんで、書き下ろしていただいた曲も作ってくれた人の心情がわかるというか。それに乗っかって歌うっていうことがわかったので。
取材・文:武市尚子
今回、本作をひっさげての全国ツアー『Lead LIVE TOUR「Lead Upturn 2018 〜MILESTONE〜」』のリハーサル中の3人をキャッチ。15年間の活動を通じてのグループ/各メンバーの変化や最新作の制作、また今後のライブの展望についてじっくり話を訊いた。
――15周年という大きな節目が過ぎて、本当に早いなと。成長の大きさも本当に計り知れないものがあるよね。まず、声の出し方が昔と全然違う。敬多なんて声質まで違うよね。
古屋敬多(以下、敬多):そうですね。特に歌い方は結構変えましたね。でも、自分の声嫌いなんですよ。だからすごく意識して変えたんです。まだ完成はしてないと思ってて全然途中なんですけど、15年の中で好きな歌い手の人とか好きなタイプが自分の中でわかるようになって、結構声がハスキーな人が多いんですよね。日本人でいうと桑田さん(サザンオールスターズ桑田佳祐)とか最高っすね!
――でもあれは地声なわけだから、どういう風に変えていくの? ボイトレってこと?
谷内伸也(以下、伸也):我流だよね。
敬多:そう。まずイメージでその人っぽく歌ってみるみたいな。今まで普通に歌うと声が鼻にかかるんですよ、だから低い音がなかなか出なかったりとかして、変声機とか持ったりしながら。でもハスキーに寄せると息を多めにしてとか、いろいろ意識するんですけど、その分倍音っていうかシャーっていう音が増える分、芯の地声がちょっとなくなるんでそのバランスのコントロールがちょっと難しくて。でも最近やっと安定してきたかなって思ってて、だからずっとやり続けるともっと安定はしていくんだろうなっていう風に感じてますね。真似してみて少し慣れてきたら“(好きな歌い手さんは)こうやって歌ってるのかな? こういう喉の使い方してるんだろうな”っていうのがなんとなくわかってくるんですよね。
――そうなんだね。感覚の問題なんだね。
敬多:感覚とか意識は大きいと思いますね。
――輝はどう?
鍵本輝(以下、輝):僕は歌い方をそんなに変えてないけど、曲によっての表情の変化は、すごく付けるようになりましたね。自分の中で大きく変化したのは、曲を作るようになったことだと思いますね。それで歌い方が自然に変化したというのはあるのかもなって思いますね。ゼロから自分で考えて曲を作っていくので、その曲に染まらないと歌えないというか。そんな風になったんで、書き下ろしていただいた曲も作ってくれた人の心情がわかるというか。それに乗っかって歌うっていうことがわかったので。
取材・文:武市尚子
昨年、結成15周年を迎えたLeadが、2018年7月18日に約2年ぶりのニューアルバム『MILESTONE』をリリースする。彼らのルーツと言えるヒップホップやブレイクビーツをはじめ、フューチャーべースやJ-POP的なバラードなど、ジャンルレスなサウンドを聴かせる本作は、彼らの過去、現在、未来をつなぐ“道しるべ”となる重要な作品だ。今回、本作をひっさげての全国ツアーLead LIVE TOUR<Lead Upturn 2018 〜MILESTONE〜>のリハーサル中の3人をキャッチ。15年間の活動を通じてのグループ/各メンバーの変化や最新作の制作、また今後のライブの展望についてじっくり話を聞いた。
――15周年という大きな節目が過ぎて、本当に早いなと。成長の大きさも本当に計り知れないものがあるよね。まず、声の出し方が昔と全然違う。敬多なんて声質まで違うよね。
古屋敬多(以下、敬多):そうですね。特に歌い方は結構変えましたね。でも、自分の声嫌いなんですよ。だからすごく意識して変えたんです。まだ完成はしてないと思ってて全然途中なんですけど、15年の中で好きな歌い手の人とか好きなタイプが自分の中でわかるようになって、結構声がハスキーな人が多いんですよね。日本人でいうと桑田さん(サザンオールスターズ桑田佳祐)とか最高っすね!
――でもあれは地声なわけだから、どういう風に変えていくの? ボイトレってこと?
谷内伸也(以下、伸也):我流だよね。
敬多:そう。まずイメージでその人っぽく歌ってみるみたいな。今まで普通に歌うと声が鼻にかかるんですよ、だから低い音がなかなか出なかったりとかして、変声機とか持ったりしながら。でもハスキーに寄せると息を多めにしてとか、いろいろ意識するんですけど、その分倍音っていうかシャーっていう音が増える分、芯の地声がちょっとなくなるんでそのバランスのコントロールがちょっと難しくて。でも最近やっと安定してきたかなって思ってて、だからずっとやり続けるともっと安定はしていくんだろうなっていう風に感じてますね。真似してみて少し慣れてきたら“(好きな歌い手さんは)こうやって歌ってるのかな? こういう喉の使い方してるんだろうな”っていうのがなんとなくわかってくるんですよね。
――そうなんだね。感覚の問題なんだね。
敬多:感覚とか意識は大きいと思いますね。
――輝はどう?
鍵本輝(以下、輝):僕は歌い方をそんなに変えてないけど、曲によっての表情の変化は、すごく付けるようになりましたね。自分の中で大きく変化したのは、曲を作るようになったことだと思いますね。それで歌い方が自然に変化したというのはあるのかもなって思いますね。ゼロから自分で考えて曲を作っていくので、その曲に染まらないと歌えないというか。そんな風になったんで、書き下ろしていただいた曲も作ってくれた人の心情がわかるというか。それに乗っかって歌うっていうことがわかったので。
――なるほど! 自分が曲を作るようになったからこそ、もう一度見つめ直したってことだね。
輝:はい! あ、こういう感じで曲を書いたんだろうなっていうのがわかったというか。だからほかの人が作った曲の歌詞を書くときも“きっとこういう世界観なんだろうな”っていうのを掴むっていうのができるようになりましたね。
敬多:仮歌とかも、それで全部輝が自分で録ってきて、それを聴いてみんなが覚える感じなんだけど、その時に言葉が聴きやすくなったような気がしますね。ちょっと上からなんだけど(笑)。
輝:いやいや、全然大丈夫っす(笑)。自分で録った声を波形で見るようにもなったんで、音の立ち上がりが悪い波形だと子音が聴こえなかったりするんで、“なるほどな、こういうことだったのか”っていうのがわかりましたね。
――なるほどね。母音だけじゃなく、子音までもちゃんと細かい部分がわかってきたんだね。
輝:そう。綺麗な波形で録りたい!みたいな(笑)。
――すごいね! でも、俯瞰で見ることも必要だもんね。
敬多:そこは昔と比べてだいぶ違うんじゃないかなって思いますね。たぶん子供の頃はバランスめちゃくちゃだったと思うんですよ。歌自体をちょっとよくわかってなかった(笑)。頑張ってはいましたけど(笑)。
輝:見よう見まねでね(笑)。
――それはすごいね。伸也は?
伸也:ちょっと客観的には見れてないところはあるんですけど、その曲その曲で感情移入したりとかっていう部分で自分が染まっていけたらなって意識してやってますかね。あとは、歌詞を自分たちでそれぞれ書いたりしてるんで、言いたいことを言いつつ、聴いてくれる人の生活に寄り添えるみたいな、生活の一部になってもらえるようなワードだったりとかをどれだけ入れられるかっていうのを意識しながら歌詞を書いてますかね。それに自分が染まるように、気持ちを乗せて届けられたらなっていう感じで全体的にやってましたね。
――やっぱりお互いの変化って、3人ともそれぞれにいい刺激になってたりするの?
伸也:そうですね。やっぱりそれぞれが準備してくることも違いますし。輝だったらコーラスを家で録ってきたり、ガヤものを録ってきたり、それぞれが持ち寄ってやるっていうのは次にもつながるというか、次はもっと用意してこないとって思ったり、みんなが用意してきたからこそ生まれるものがあったりとか、毎回刺激的で勉強になりますね。
――すごいね。そういう変化っていうのはいつ頃あったと思う?
伸也:曲に関しては、デビューして4、5年経ったぐらいからみんなで作るようになってましたね。あと、ステージを作ることはやってきていたことではあったので、その辺の変化はどちらかというと進化に近いのかなって気がしますね。やっぱり大きな変化と言うと、宏宜の卒業っていうのが心情的にも一番デカいですかね。リーダーが抜けたので。リーダーに甘えられないんだな、自分たちがしっかりしなきゃなっていう心情でしたね。甘えてた部分を“ダメだ。もっとちゃんとやろう”ってなったり。
敬多:僕はまだまだ2人に甘えてる部分はありますけどね(笑)。
輝:でも役割がはっきりしたっていうのはありますかね。みんなで作っていくは作っていくんですけど、“この人はプレイヤーなんだな”っていうのは抜群に敬多ですし。それは役割分担だと俺は思ってるからね。
敬多:まあね、できる人がね、そこはやればいい。だから逆に2人は先生みたいな感じですよ。よくそんなアイディアを思いつくなとか、裏のことがわかっているなって思います。
輝:敬多は“俺はこっちの方がいいな”っていうプレイヤーとしての面でちゃんと意見が出せるから、じゃあそうしていこうかって意見をすり合わせていくこともありますしね。
――輝はどういう役割になるの?
輝:最近は、トラックをたまに作ったり、ちょっとしたリアレンジだったりとかラップを出したりしています。あとは、振り付けや作詞もやりますし、その時その時に決めたものを全力でやろうみたいな、何というかちょいちょい勉強しながらやってますね。トラックも作りたいと思いますし、歌詞もメロも書きたいって思いますし。常に勉強だなっていうか、わからないこともいっぱいあるなって思いながら試したりしてます。
――そうだよね。これだけってなると自分たちの引き出しも少なくなっちゃうしね。
伸也:そうですね。やっぱりライブとかやると思うんですけど、めちゃくちゃ決めることがあるんですよね。照明とかセット、ダンスの振り付け、衣装、構成、コーラス枠など。僕は、ちょっと全部は無理っすね。
敬多:まだ全部は無理かな〜って。
――そうだね。徐々にね。
伸也:最近は完全に演出で入るっていう感じのスタッフはいないんですけど、ダンサーズでありながら俯瞰で見てくれるみたいな人がいて。去年ぐらいからそういうスタイルでやってますね。
――ニューアルバム『MILESTONE』についても聞いていい? w-inds.はトレンドを追いかけながらも自分達を貫いた楽曲制作をしていたりするけど、Leadってそういうのはあるの?
敬多:あんまりないですね。トレンドはみんな好きで聴いてたりするんで、その時の流行を歌ってみたいなっていうのはあるんですけど、Leadの軸はあんまり崩れないですね。元々がそれなんで、その中でもラップの要素があったり、ヒップホップがみんな好きだったりだとかするんで、そういうのは自然と入ってくるかな。
――今回、泥臭くてダーティな感じのラップっていうよりも、ファンキーでグルーヴィでって感じがすごくしたかな。
輝:そうですね。今そういうモードに入ってましたね。
――やっぱりその都度傾向はあるんだ。
輝:そうですね。傾向はあるっちゃありますね。あと、15年間やってきたっていう節目のタイミングでもあったんで、一旦振り返った時に“自分たちのルーツって何だろうな?”みたいな。それを引き返した時にブレイクビーツだったりとか、当時踊りたかったあの曲、踊ってたあの曲みたいな感じの要素が結構入ってる。だから自ずとファンク要素なんかが強くなってる気がします。
――メロに懐かしさがある曲がちょいちょいあったから、そこは意識してだったのかなってちょっと思ったかな。
輝:自然と意識しちゃってたのかもしれないですね。自分たちの“マイルストーン”を表現するにあたって。
――そうなんだね。今回これは挑戦だったなとかやりたかったことだったって部分は1人ひとりあるの?
輝:曲ですか? 僕は「Tell Me Why」って曲ですね。この曲は、歌ももちろんなんですけど、歌詞をちょっと攻めて書いてみようかなって思ったんですよね。
――結構難易度高い曲だと思った。
輝:はい。ほんと洋楽っぽい感じのアレンジで仕上がってきてたので、じゃあこの洋楽っぽさを生かそうと思って、和訳っぽい歌詞を書こうと思いましたね。
――なるほど。逆発想だね。それでちょっと雰囲気が変わるもんね。
輝:そう。よく洋楽も聴くんで、訳詞も見るんですよね。それで洋楽ってすごいどストレートなことをちゃんと言ってて、日本人としてわかるように訳してるんでしょうけど。この曲もどストレートに感情が入ってるんで、“なるほど! じゃあ訳詞を書こう”と思って。洋楽にありがちなテーマを自分の中に落とし込んで、訳詞をイメージしながら作詞して。逆に「Backpack」の歌詞は、今までのLeadを意識して割と爽やかに書いてるんですけど。
――ちょっとトロピカルな感じだよね。
輝:そうですね。だから「Tell Me Why」でガッツリ攻めてみようかなと。
伸也:トラックもね、フューチャーベースで今までにない感じでやりたいなっていうのを提案して。フューチャーベースって、結構サビがドロップだけで持っていく感じなんですけど、そこも歌っちゃうっていうのでも攻めてるなってのはありますね。この曲を作ったのは、ケニスっていう陽気な日系アメリカ人です(笑)。
敬多:僕はさっき言ってた歌い方になるのかなと思うんですけど。1番意識したところでいうと、佐伯ユウスケさんっていう方に書いてもらったバラードの曲。今回のアルバムは12、13曲ぐらいになるかなって思って、みんなで選曲した楽曲を聴いていた時に、結構満場一致でいいってなる曲が多かったんです。でも、バラードだけは、いいってなる曲が見つからなくて。それで、輝くんから日本的なバラードが欲しいって意見があって。それで「これまで、これから」を入れたんです。
――なるほど、この曲はちょっと異質だもんね。
敬多:そうですよね。アルバムの後半に入る一番落ちるいい感じのところに入れてますね(笑)。8曲目に。ほかの曲とは結構変えなきゃって意識がすごく強かったんですよ。日本的なバラードって歌詞もちゃんと伝わらないといけないって思って、あとこの曲は歌が上手いって伝わる方がいいんだろうなっていうのもあって。ユウスケさんの仮歌がめちゃくちゃいい歌い方されてて、さすがシンガーだなみたいな。言葉もめちゃくちゃ入ってくるし、素朴な歌い方がこの曲にすごくあってるし。聴いてくれる人も、自分が感じたような気持ちになってほしいなって。より歌詞が染み渡って。ちょっと泣けるし、最後に前向きにもなれる歌い方をしたいって思って、この曲は歌うっていうより喋る感覚に近かったですね。
――確かに音数も少ないしね。ピアノやアコギで構成されているからね。
敬多:歌って意識をあまり持たずに歌ったのは初めてでしたね。力まず自然に出る感じがいいなって。
――ここまでバラード寄りな曲は、最近なかったの?
敬多:割とあったっちゃあったんですけど、外国の方からの提供曲がメインだったので、Jポップの良さってのは少なかったですね。
――なるほど。単なるバラードじゃなくて“邦楽のバラード”っていうのがポイントだったんだね。琴線に触れる感じあるよね。
敬多:いいっすよね〜。好きなんですよ。そういう曲になってくれればいいなって思ってます。
――なってるよ。初めて聴いた時、変な意味ではなく異質だなって引っかかったね。
敬多:流れが洋楽的なものだったからね。
――なるほどね。伸也は?
伸也:僕は「R.O.O.T.S」ですかね。ここまでのブレイクビーツをこの中に入れていいのかってのはあったんですけど、元々これのデモ曲が10年前ぐらいにあって、メンバーで相談した時にこれを入れてみないってなって。
――これは自分たちで作った曲?
伸也:これは違いますね。当時はいろんな方々がコライトしてって感じのデモだったんですけど、現在は流石にそのデモがないってなって、打ち込みだったり演奏し直して作った感じでしたね。あとは、ブレイクビーツなんですけどドロップが入るっていう部分は攻めたかなって思います。
――この曲結構ドロッとしてるよね。「Beautiful Day」もちょっと強めな印象かな? でもこれは素直なメロがあるからまた違うか。でもあれだね、「これまで、これから」の後から後半戦が始まるんだよね。
伸也:「これまで、これから」「メダリスト」もそうですけど、そこからの「R.O.O.T.S」とか、ジャンルがトントントンと変わる感じがありますね。
――そうだね。でも、「R.O.O.T.S」からの流れは、結構自然な流れで変わっていくから気持ちいい感じだよね。
伸也:そうですね。ちょっとオールドスクールでここは引きますみたいになってる感じです。
輝:ちょっとジャンルレスだからこそマスタリングでこだわったというか。
――マスタリングまで!? そこまでやってるんだね。
輝:このアルバムは、曲間の指定も頑張りましたからね!
――曲間まで!? 素晴らしいね。しかし、これだけジャンルレスのアルバムを、ライブではどうやって魅せていこうと思ってるの?
輝:自分たちはそこにパフォーマンスっていうのが絶対入ってくるので、その軸を元に曲を選んでる部分もあるので、曲にあったダンスを楽しんでもらえるんじゃないかなって思いますね。
――パフォーマンスで魅せていきたいってところ?
敬多:もちろん、ありますねそういうのは。ファンクが多いっていうのもみんながファンクを聴いて踊りたくなるっていう気持ち良さはすごく大事かなって思ってて、そういうのが軸になってると思いますね。ブレイクビーツもやっぱり。なので、音で気持ちよくなれて、そこに歌詞があって、共感ができて、一緒に歌えて、踊れるみたいな気持ちいい瞬間が詰め込めたらいいなって思いますし、聴く人もこの曲はこういう勢いの踊りでくるかなみたいな、なんとなくイメージって沸くと思うんですよね。それをいい感じに裏切りたい気持ちもあるし、そのまま来たかみたいな、そういう予想をしながら楽しんでもらえるのもいいかなって思いますね。
――すごく楽しめそうだね。ところで、アルバムタイトルはなんでこれにしたの?
輝:最後までなかなか決まらなかった。
伸也:タイトルが決まる前に、絵が先行でしたね。ジャケ写をこう撮ろうとか。
敬多:なんか線路とかいいな〜。みたいな。
――そこまでセルフでやってるんだね。すごいね。
伸也:そうですね。衣装もですしね。なんかあまり気張らない、素に近い感じにしたいなって。
――アルバムの音だけを聴いてると、こういうナチュラルなイメージではなかったんだけど、3人にとっては、ここに収録されている曲たちは、こういうイメージだったんだね。
一同:そうですね。本当に自然体。
――そうなんだね。素に近い感じなんだろうね。この写真の感じだと、「これまで、これから」なイメージだもんね。
一同:たしかに(笑)!
――でしょ(笑)。いきなりこの写真で「R.O.O.T.S」は想像できないというか。
伸也:そうですね(笑)。そこも僕らからしたら自然体なんで(笑)。写真は、あんまり気張らず、その場にいたら撮られちゃったみたいな(笑)、そんな感じにしたかったんです。ま、さすがに普段はこんないい服持ってないし、こんないい感じに髪の毛もセットできないですけど(笑)。
一同:たしかに、こんなに普段はキメてないけどね(笑)。
伸也:こんな上手いことセットできないですけど、それぐらいでいいのかなっていう。
輝:アルバムを表現するにあたって、自分たちのこれまでの集大成もそうですし、これからのLeadもさらに期待して欲しいよねっていう共通認識でデモ作りとかレコーディングもしてて、こういうテーマをみんなで共有してたんで、じゃあ、それを表現するならこの絵だよねってなって、じゃあそうなるとタイトルってなんだろうねって感じでしたね。
――どこからこれが出てきたの?
輝:いろいろあったんですよ。道を表現するものだったりとか、曲のタイトルになってるのでやめましたけど、“Backpack”もありましたし、旅をしていくみたいな。その中で何が一番しっくりくるのかなってなってて、そこで伸也が“MILESTONEじゃね?”っていう、谷内伸也カットインが入りました(笑)。
伸也:たまたまあって、あ、ハマるなって。
――今回のような感じでタイトルが決まることって、今までにも何回かあったの?
敬多:あんまりないですね。先にタイトルが決まる方が多かったですね。
輝:2年前のアルバムの『THE SHOWCASE』なんかは、タイトルがバンッ!って浮かんだ感じだったし。
――なんか、『THE SHOWCASE』って聞くとイメージが結構沸くもんね。
敬多:そうっすね。今回はいつもの逆ですね。
――それだけ自分たちがナチュラルだったんだろうなって感じるね。
輝:曲選びもみんな満場一致で“この曲がいい”って、自分たちのやりたいようにやらせてもらった1枚でもありますね。
――すごいね。ルーツが一緒だからかな? そういう意味ではすごい一体感だよね。
敬多:制作も超短期間でしたしね。
輝:3週間ぐらい?
敬多:1ヵ月なかったよね。それで全部録るみたいな(笑)。
輝:わがままに作っていった感じでしたもん(笑)。
伸也:最後の方ヤバかったですもん。3日連続レコーディングで2、3日間連続でTD入ってくるみたいな。すごかったよね。
敬多:すごかった。詰め込んでた。
伸也:TDも1日で一気にやっちゃうみたいな。
敬多:もう耳がおかしくなっちゃって(笑)。なんの曲なんだろうこれは……みたいな。
――逆にイントロとなる1曲目「Untitled」はどう作ったの?
輝:もう最後の方に作りましたね。ジャケットの絵もあったし、ライブでこういう照明をしたいっていうのもあったし、線路があったんで、それを象徴するなら列車がないと嫌だなって思って、最初のSEは列車の音から始まって、音でもジャケットがイメージできるような。
――私のイメージだと鳥みたいな外のイメージがあって。私だけかな? 鳥に聴こえたの(笑)。
輝:ギターのフレットノイズというか、弦のノイズがいい感じに聴こえてるんですよ(笑)。
――鳥に見立てたの?
輝:見立ててないですね(笑)。
――(笑)。私が見立てちゃったのかな。
輝:ギタリストから見ると、僕はあり得ないことをやってるんですけどね。ノイズだけのトラックを用意して、それを使うっていう。
――すごいね。いやいや、いいと思うよ。私、ギター好きだけど、究極のフィンガーノイズフェチだからね。すごい生っぽい感じがいいなって思ったね。
輝:じゃあ良かった(笑)。大きく3部構成ではないんですけど、なんかLeadの歩いてきた道の、キラキラした時代、険しかった時代、それでこれから上がって行こうよっていう強い気持ちっていう3つを表現しているので、ぜひそんなところも楽しんでください!
敬多:きっとライブで、ダンスと一緒に生で聴いてもらえたら、すごく楽しいと思うので、ぜひ遊びに来てください!
伸也:ぜひ! 一緒に体感してみてください!
取材・文:武市尚子
――15周年という大きな節目が過ぎて、本当に早いなと。成長の大きさも本当に計り知れないものがあるよね。まず、声の出し方が昔と全然違う。敬多なんて声質まで違うよね。
古屋敬多(以下、敬多):そうですね。特に歌い方は結構変えましたね。でも、自分の声嫌いなんですよ。だからすごく意識して変えたんです。まだ完成はしてないと思ってて全然途中なんですけど、15年の中で好きな歌い手の人とか好きなタイプが自分の中でわかるようになって、結構声がハスキーな人が多いんですよね。日本人でいうと桑田さん(サザンオールスターズ桑田佳祐)とか最高っすね!
――でもあれは地声なわけだから、どういう風に変えていくの? ボイトレってこと?
谷内伸也(以下、伸也):我流だよね。
敬多:そう。まずイメージでその人っぽく歌ってみるみたいな。今まで普通に歌うと声が鼻にかかるんですよ、だから低い音がなかなか出なかったりとかして、変声機とか持ったりしながら。でもハスキーに寄せると息を多めにしてとか、いろいろ意識するんですけど、その分倍音っていうかシャーっていう音が増える分、芯の地声がちょっとなくなるんでそのバランスのコントロールがちょっと難しくて。でも最近やっと安定してきたかなって思ってて、だからずっとやり続けるともっと安定はしていくんだろうなっていう風に感じてますね。真似してみて少し慣れてきたら“(好きな歌い手さんは)こうやって歌ってるのかな? こういう喉の使い方してるんだろうな”っていうのがなんとなくわかってくるんですよね。
――そうなんだね。感覚の問題なんだね。
敬多:感覚とか意識は大きいと思いますね。
――輝はどう?
鍵本輝(以下、輝):僕は歌い方をそんなに変えてないけど、曲によっての表情の変化は、すごく付けるようになりましたね。自分の中で大きく変化したのは、曲を作るようになったことだと思いますね。それで歌い方が自然に変化したというのはあるのかもなって思いますね。ゼロから自分で考えて曲を作っていくので、その曲に染まらないと歌えないというか。そんな風になったんで、書き下ろしていただいた曲も作ってくれた人の心情がわかるというか。それに乗っかって歌うっていうことがわかったので。
――なるほど! 自分が曲を作るようになったからこそ、もう一度見つめ直したってことだね。
輝:はい! あ、こういう感じで曲を書いたんだろうなっていうのがわかったというか。だからほかの人が作った曲の歌詞を書くときも“きっとこういう世界観なんだろうな”っていうのを掴むっていうのができるようになりましたね。
敬多:仮歌とかも、それで全部輝が自分で録ってきて、それを聴いてみんなが覚える感じなんだけど、その時に言葉が聴きやすくなったような気がしますね。ちょっと上からなんだけど(笑)。
輝:いやいや、全然大丈夫っす(笑)。自分で録った声を波形で見るようにもなったんで、音の立ち上がりが悪い波形だと子音が聴こえなかったりするんで、“なるほどな、こういうことだったのか”っていうのがわかりましたね。
――なるほどね。母音だけじゃなく、子音までもちゃんと細かい部分がわかってきたんだね。
輝:そう。綺麗な波形で録りたい!みたいな(笑)。
――すごいね! でも、俯瞰で見ることも必要だもんね。
敬多:そこは昔と比べてだいぶ違うんじゃないかなって思いますね。たぶん子供の頃はバランスめちゃくちゃだったと思うんですよ。歌自体をちょっとよくわかってなかった(笑)。頑張ってはいましたけど(笑)。
輝:見よう見まねでね(笑)。
――それはすごいね。伸也は?
伸也:ちょっと客観的には見れてないところはあるんですけど、その曲その曲で感情移入したりとかっていう部分で自分が染まっていけたらなって意識してやってますかね。あとは、歌詞を自分たちでそれぞれ書いたりしてるんで、言いたいことを言いつつ、聴いてくれる人の生活に寄り添えるみたいな、生活の一部になってもらえるようなワードだったりとかをどれだけ入れられるかっていうのを意識しながら歌詞を書いてますかね。それに自分が染まるように、気持ちを乗せて届けられたらなっていう感じで全体的にやってましたね。
――やっぱりお互いの変化って、3人ともそれぞれにいい刺激になってたりするの?
伸也:そうですね。やっぱりそれぞれが準備してくることも違いますし。輝だったらコーラスを家で録ってきたり、ガヤものを録ってきたり、それぞれが持ち寄ってやるっていうのは次にもつながるというか、次はもっと用意してこないとって思ったり、みんなが用意してきたからこそ生まれるものがあったりとか、毎回刺激的で勉強になりますね。
――すごいね。そういう変化っていうのはいつ頃あったと思う?
伸也:曲に関しては、デビューして4、5年経ったぐらいからみんなで作るようになってましたね。あと、ステージを作ることはやってきていたことではあったので、その辺の変化はどちらかというと進化に近いのかなって気がしますね。やっぱり大きな変化と言うと、宏宜の卒業っていうのが心情的にも一番デカいですかね。リーダーが抜けたので。リーダーに甘えられないんだな、自分たちがしっかりしなきゃなっていう心情でしたね。甘えてた部分を“ダメだ。もっとちゃんとやろう”ってなったり。
敬多:僕はまだまだ2人に甘えてる部分はありますけどね(笑)。
輝:でも役割がはっきりしたっていうのはありますかね。みんなで作っていくは作っていくんですけど、“この人はプレイヤーなんだな”っていうのは抜群に敬多ですし。それは役割分担だと俺は思ってるからね。
敬多:まあね、できる人がね、そこはやればいい。だから逆に2人は先生みたいな感じですよ。よくそんなアイディアを思いつくなとか、裏のことがわかっているなって思います。
輝:敬多は“俺はこっちの方がいいな”っていうプレイヤーとしての面でちゃんと意見が出せるから、じゃあそうしていこうかって意見をすり合わせていくこともありますしね。
――輝はどういう役割になるの?
輝:最近は、トラックをたまに作ったり、ちょっとしたリアレンジだったりとかラップを出したりしています。あとは、振り付けや作詞もやりますし、その時その時に決めたものを全力でやろうみたいな、何というかちょいちょい勉強しながらやってますね。トラックも作りたいと思いますし、歌詞もメロも書きたいって思いますし。常に勉強だなっていうか、わからないこともいっぱいあるなって思いながら試したりしてます。
――そうだよね。これだけってなると自分たちの引き出しも少なくなっちゃうしね。
伸也:そうですね。やっぱりライブとかやると思うんですけど、めちゃくちゃ決めることがあるんですよね。照明とかセット、ダンスの振り付け、衣装、構成、コーラス枠など。僕は、ちょっと全部は無理っすね。
敬多:まだ全部は無理かな〜って。
――そうだね。徐々にね。
伸也:最近は完全に演出で入るっていう感じのスタッフはいないんですけど、ダンサーズでありながら俯瞰で見てくれるみたいな人がいて。去年ぐらいからそういうスタイルでやってますね。
――ニューアルバム『MILESTONE』についても聞いていい? w-inds.はトレンドを追いかけながらも自分達を貫いた楽曲制作をしていたりするけど、Leadってそういうのはあるの?
敬多:あんまりないですね。トレンドはみんな好きで聴いてたりするんで、その時の流行を歌ってみたいなっていうのはあるんですけど、Leadの軸はあんまり崩れないですね。元々がそれなんで、その中でもラップの要素があったり、ヒップホップがみんな好きだったりだとかするんで、そういうのは自然と入ってくるかな。
――今回、泥臭くてダーティな感じのラップっていうよりも、ファンキーでグルーヴィでって感じがすごくしたかな。
輝:そうですね。今そういうモードに入ってましたね。
――やっぱりその都度傾向はあるんだ。
輝:そうですね。傾向はあるっちゃありますね。あと、15年間やってきたっていう節目のタイミングでもあったんで、一旦振り返った時に“自分たちのルーツって何だろうな?”みたいな。それを引き返した時にブレイクビーツだったりとか、当時踊りたかったあの曲、踊ってたあの曲みたいな感じの要素が結構入ってる。だから自ずとファンク要素なんかが強くなってる気がします。
――メロに懐かしさがある曲がちょいちょいあったから、そこは意識してだったのかなってちょっと思ったかな。
輝:自然と意識しちゃってたのかもしれないですね。自分たちの“マイルストーン”を表現するにあたって。
――そうなんだね。今回これは挑戦だったなとかやりたかったことだったって部分は1人ひとりあるの?
輝:曲ですか? 僕は「Tell Me Why」って曲ですね。この曲は、歌ももちろんなんですけど、歌詞をちょっと攻めて書いてみようかなって思ったんですよね。
――結構難易度高い曲だと思った。
輝:はい。ほんと洋楽っぽい感じのアレンジで仕上がってきてたので、じゃあこの洋楽っぽさを生かそうと思って、和訳っぽい歌詞を書こうと思いましたね。
――なるほど。逆発想だね。それでちょっと雰囲気が変わるもんね。
輝:そう。よく洋楽も聴くんで、訳詞も見るんですよね。それで洋楽ってすごいどストレートなことをちゃんと言ってて、日本人としてわかるように訳してるんでしょうけど。この曲もどストレートに感情が入ってるんで、“なるほど! じゃあ訳詞を書こう”と思って。洋楽にありがちなテーマを自分の中に落とし込んで、訳詞をイメージしながら作詞して。逆に「Backpack」の歌詞は、今までのLeadを意識して割と爽やかに書いてるんですけど。
――ちょっとトロピカルな感じだよね。
輝:そうですね。だから「Tell Me Why」でガッツリ攻めてみようかなと。
伸也:トラックもね、フューチャーベースで今までにない感じでやりたいなっていうのを提案して。フューチャーベースって、結構サビがドロップだけで持っていく感じなんですけど、そこも歌っちゃうっていうのでも攻めてるなってのはありますね。この曲を作ったのは、ケニスっていう陽気な日系アメリカ人です(笑)。
敬多:僕はさっき言ってた歌い方になるのかなと思うんですけど。1番意識したところでいうと、佐伯ユウスケさんっていう方に書いてもらったバラードの曲。今回のアルバムは12、13曲ぐらいになるかなって思って、みんなで選曲した楽曲を聴いていた時に、結構満場一致でいいってなる曲が多かったんです。でも、バラードだけは、いいってなる曲が見つからなくて。それで、輝くんから日本的なバラードが欲しいって意見があって。それで「これまで、これから」を入れたんです。
――なるほど、この曲はちょっと異質だもんね。
敬多:そうですよね。アルバムの後半に入る一番落ちるいい感じのところに入れてますね(笑)。8曲目に。ほかの曲とは結構変えなきゃって意識がすごく強かったんですよ。日本的なバラードって歌詞もちゃんと伝わらないといけないって思って、あとこの曲は歌が上手いって伝わる方がいいんだろうなっていうのもあって。ユウスケさんの仮歌がめちゃくちゃいい歌い方されてて、さすがシンガーだなみたいな。言葉もめちゃくちゃ入ってくるし、素朴な歌い方がこの曲にすごくあってるし。聴いてくれる人も、自分が感じたような気持ちになってほしいなって。より歌詞が染み渡って。ちょっと泣けるし、最後に前向きにもなれる歌い方をしたいって思って、この曲は歌うっていうより喋る感覚に近かったですね。
――確かに音数も少ないしね。ピアノやアコギで構成されているからね。
敬多:歌って意識をあまり持たずに歌ったのは初めてでしたね。力まず自然に出る感じがいいなって。
――ここまでバラード寄りな曲は、最近なかったの?
敬多:割とあったっちゃあったんですけど、外国の方からの提供曲がメインだったので、Jポップの良さってのは少なかったですね。
――なるほど。単なるバラードじゃなくて“邦楽のバラード”っていうのがポイントだったんだね。琴線に触れる感じあるよね。
敬多:いいっすよね〜。好きなんですよ。そういう曲になってくれればいいなって思ってます。
――なってるよ。初めて聴いた時、変な意味ではなく異質だなって引っかかったね。
敬多:流れが洋楽的なものだったからね。
――なるほどね。伸也は?
伸也:僕は「R.O.O.T.S」ですかね。ここまでのブレイクビーツをこの中に入れていいのかってのはあったんですけど、元々これのデモ曲が10年前ぐらいにあって、メンバーで相談した時にこれを入れてみないってなって。
――これは自分たちで作った曲?
伸也:これは違いますね。当時はいろんな方々がコライトしてって感じのデモだったんですけど、現在は流石にそのデモがないってなって、打ち込みだったり演奏し直して作った感じでしたね。あとは、ブレイクビーツなんですけどドロップが入るっていう部分は攻めたかなって思います。
――この曲結構ドロッとしてるよね。「Beautiful Day」もちょっと強めな印象かな? でもこれは素直なメロがあるからまた違うか。でもあれだね、「これまで、これから」の後から後半戦が始まるんだよね。
伸也:「これまで、これから」「メダリスト」もそうですけど、そこからの「R.O.O.T.S」とか、ジャンルがトントントンと変わる感じがありますね。
――そうだね。でも、「R.O.O.T.S」からの流れは、結構自然な流れで変わっていくから気持ちいい感じだよね。
伸也:そうですね。ちょっとオールドスクールでここは引きますみたいになってる感じです。
輝:ちょっとジャンルレスだからこそマスタリングでこだわったというか。
――マスタリングまで!? そこまでやってるんだね。
輝:このアルバムは、曲間の指定も頑張りましたからね!
――曲間まで!? 素晴らしいね。しかし、これだけジャンルレスのアルバムを、ライブではどうやって魅せていこうと思ってるの?
輝:自分たちはそこにパフォーマンスっていうのが絶対入ってくるので、その軸を元に曲を選んでる部分もあるので、曲にあったダンスを楽しんでもらえるんじゃないかなって思いますね。
――パフォーマンスで魅せていきたいってところ?
敬多:もちろん、ありますねそういうのは。ファンクが多いっていうのもみんながファンクを聴いて踊りたくなるっていう気持ち良さはすごく大事かなって思ってて、そういうのが軸になってると思いますね。ブレイクビーツもやっぱり。なので、音で気持ちよくなれて、そこに歌詞があって、共感ができて、一緒に歌えて、踊れるみたいな気持ちいい瞬間が詰め込めたらいいなって思いますし、聴く人もこの曲はこういう勢いの踊りでくるかなみたいな、なんとなくイメージって沸くと思うんですよね。それをいい感じに裏切りたい気持ちもあるし、そのまま来たかみたいな、そういう予想をしながら楽しんでもらえるのもいいかなって思いますね。
――すごく楽しめそうだね。ところで、アルバムタイトルはなんでこれにしたの?
輝:最後までなかなか決まらなかった。
伸也:タイトルが決まる前に、絵が先行でしたね。ジャケ写をこう撮ろうとか。
敬多:なんか線路とかいいな〜。みたいな。
――そこまでセルフでやってるんだね。すごいね。
伸也:そうですね。衣装もですしね。なんかあまり気張らない、素に近い感じにしたいなって。
――アルバムの音だけを聴いてると、こういうナチュラルなイメージではなかったんだけど、3人にとっては、ここに収録されている曲たちは、こういうイメージだったんだね。
一同:そうですね。本当に自然体。
――そうなんだね。素に近い感じなんだろうね。この写真の感じだと、「これまで、これから」なイメージだもんね。
一同:たしかに(笑)!
――でしょ(笑)。いきなりこの写真で「R.O.O.T.S」は想像できないというか。
伸也:そうですね(笑)。そこも僕らからしたら自然体なんで(笑)。写真は、あんまり気張らず、その場にいたら撮られちゃったみたいな(笑)、そんな感じにしたかったんです。ま、さすがに普段はこんないい服持ってないし、こんないい感じに髪の毛もセットできないですけど(笑)。
一同:たしかに、こんなに普段はキメてないけどね(笑)。
伸也:こんな上手いことセットできないですけど、それぐらいでいいのかなっていう。
輝:アルバムを表現するにあたって、自分たちのこれまでの集大成もそうですし、これからのLeadもさらに期待して欲しいよねっていう共通認識でデモ作りとかレコーディングもしてて、こういうテーマをみんなで共有してたんで、じゃあ、それを表現するならこの絵だよねってなって、じゃあそうなるとタイトルってなんだろうねって感じでしたね。
――どこからこれが出てきたの?
輝:いろいろあったんですよ。道を表現するものだったりとか、曲のタイトルになってるのでやめましたけど、“Backpack”もありましたし、旅をしていくみたいな。その中で何が一番しっくりくるのかなってなってて、そこで伸也が“MILESTONEじゃね?”っていう、谷内伸也カットインが入りました(笑)。
伸也:たまたまあって、あ、ハマるなって。
――今回のような感じでタイトルが決まることって、今までにも何回かあったの?
敬多:あんまりないですね。先にタイトルが決まる方が多かったですね。
輝:2年前のアルバムの『THE SHOWCASE』なんかは、タイトルがバンッ!って浮かんだ感じだったし。
――なんか、『THE SHOWCASE』って聞くとイメージが結構沸くもんね。
敬多:そうっすね。今回はいつもの逆ですね。
――それだけ自分たちがナチュラルだったんだろうなって感じるね。
輝:曲選びもみんな満場一致で“この曲がいい”って、自分たちのやりたいようにやらせてもらった1枚でもありますね。
――すごいね。ルーツが一緒だからかな? そういう意味ではすごい一体感だよね。
敬多:制作も超短期間でしたしね。
輝:3週間ぐらい?
敬多:1ヵ月なかったよね。それで全部録るみたいな(笑)。
輝:わがままに作っていった感じでしたもん(笑)。
伸也:最後の方ヤバかったですもん。3日連続レコーディングで2、3日間連続でTD入ってくるみたいな。すごかったよね。
敬多:すごかった。詰め込んでた。
伸也:TDも1日で一気にやっちゃうみたいな。
敬多:もう耳がおかしくなっちゃって(笑)。なんの曲なんだろうこれは……みたいな。
――逆にイントロとなる1曲目「Untitled」はどう作ったの?
輝:もう最後の方に作りましたね。ジャケットの絵もあったし、ライブでこういう照明をしたいっていうのもあったし、線路があったんで、それを象徴するなら列車がないと嫌だなって思って、最初のSEは列車の音から始まって、音でもジャケットがイメージできるような。
――私のイメージだと鳥みたいな外のイメージがあって。私だけかな? 鳥に聴こえたの(笑)。
輝:ギターのフレットノイズというか、弦のノイズがいい感じに聴こえてるんですよ(笑)。
――鳥に見立てたの?
輝:見立ててないですね(笑)。
――(笑)。私が見立てちゃったのかな。
輝:ギタリストから見ると、僕はあり得ないことをやってるんですけどね。ノイズだけのトラックを用意して、それを使うっていう。
――すごいね。いやいや、いいと思うよ。私、ギター好きだけど、究極のフィンガーノイズフェチだからね。すごい生っぽい感じがいいなって思ったね。
輝:じゃあ良かった(笑)。大きく3部構成ではないんですけど、なんかLeadの歩いてきた道の、キラキラした時代、険しかった時代、それでこれから上がって行こうよっていう強い気持ちっていう3つを表現しているので、ぜひそんなところも楽しんでください!
敬多:きっとライブで、ダンスと一緒に生で聴いてもらえたら、すごく楽しいと思うので、ぜひ遊びに来てください!
伸也:ぜひ! 一緒に体感してみてください!
取材・文:武市尚子