TETSUYA(L’Arc~en~Ciel)オフィ
シャルインタビューで作品への想いと
仕事のポリシー語る

7月18日に1st EP『I WANNA BE WITH YOU』をリリースするTETSUYA(L’ Arc~en~Ciel)のオフィシャルインタビューが到着した。作品に込めた想いから仕事のポリシー、そしてUFO目撃談まで飛び出したインタビューをお届けする。
――今作を作るにあたって、テーマはなにかあったんですか?
今回は、“夏”をテーマにした楽曲を集めようというのが最初にありました。夏といえば疾走感があってキラキラした曲が合うだろうと僕的には思ってたんで、そういう曲を中心に集めていったんですけど。そうしたら、結果、自然と僕の王道チューンを集めたものになった、という感じですね。
――それをシングルではなく、5曲入りのEP作品でリリースしたいと思った理由は?
シングルを連続して出していってアルバムにいくよりも、なにか変化をつけたほうがいいんじゃないかという意見がレーベルのほうからあったので、それを尊重したんです。あと、なるべく値段を上げずに1曲でも多く楽曲を入れたいなというのはありましたね。
――収録曲はテーマを決めたあとに書き下ろしたものですか?
ではないです。僕はストック曲がかなりあるので、今回入っている曲はそこから選んでいます。
――今作は、TETSUYAさんのキラーチュンのど真ん中をいくような、キラキラのアップチューン「I WANNA BE WITH YOU」で幕開け。あの、爽快感弾けるようなギターのイントロは最初からあったんですか?
わりと初期に出てきましたね。あそこは、アメリカのパンクバンドのギターリフのイメージです。ちなみに、この曲の仮タイトルは「SUMMER」だったんですよ。
――歌詞の“前から知っていたみたいさ”が、現実になってるじゃないですか!
そう。だから、一番最初にこの曲を入れようと思いました。
――それで、歌詞にも“夏”を入れ込んで。
夏テーマのEP作品なんで、夏は入れたいなと考えてました。最初は全曲に入れようかなと思ってたんですけど、結果的に他は入りませんでした。
――歌詞にある“奇跡は空から降ってくる”というファンタジックな一節、TETSUYAさんらしい表現だなと思ったんですが。
そうですか? ああー。いま思ったけど「砂時計」(L’ Arc~en~Cielのアルバム『KISS』収録曲)でも“空から降ってきた”っていってましたね。忘れてたけど(笑)。ここの歌詞は、僕、昨年UFOを目撃して、その撮影に成功したじゃないですか? あれから、なんか人生観が変わったんですよね。あの経験がなかったら“奇跡は空から~”という歌詞は生まれていないと思います。
――この曲がTVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』のED主題歌に抜擢されたことについてはどう思われましたか?
久しぶりのアニメのタイアップなので嬉しいですよ。このアニメの素晴らしいところは、子供と親、二世代同時にアピールできるじゃないですか? 僕の楽曲って、老若男女問わず楽しめると思っているので、アニメのタイアップはすごくいいなと思いました。
――2曲目に収録された「READY FOR WARP」もTETSUYAさんの王道をいく軽快なポップチューンでした。
夏、夏、夏! という感じにしたくて、あえて1曲目と同じタイプの曲をもってきて、曲間もほとんどなく始まる感じで畳み掛けました。
――歌詞も「I WANNA BE WITH YOU」とリンクする部分があるように感じましたが。そこは意識的に?
「READY FOR WARP」の歌詞を書いていってたら、途中からいいたいことが「I WANNA BE WITH YOU 」と似てきて。兄弟曲のような関係になっていきましたね。この2曲は。
――こちらはサビの追っかけのコーラス、ハーモニーまでTETSUYAさんらしさがどこまでも満載でした。
僕といえば、こんな感じです。
――ハモりの声が重なれば重なるほど、TETSUYAさんの曲はキラキラ度が強まる気がするんですよね。
僕は子供の頃からハモるのが好きだったんですよ。だって、綺麗じゃないですか? 僕は綺麗なものが好きなんです。音楽に限らず。
――歌詞の“未来では光るスピードで/想いは伝わる?”と書いてた部分なんですが。TETSUYAさんはこういう空想、自然とひらめいちゃうんですか?
僕もそこは「なんでこんなこと思ったんやろう?」って思いました(微笑)。けど、歌詞書いてるときって、自分の想像を超えたものが出てくるんですよ。普段こんなこと、考えたこともなかったですから。あとで「へー、想いが光のスピードで伝わったら楽しそうやな~」って思ったぐらいなので。僕はほら、SF好きの子供がそのまま大きくなったようなものだから(微笑)。SFもののアニメや映画やTVドラマを観て育ってるんで、頭のなかにそういうものしかないんですよ。最近つくづくそう思うな。UFO見て、さらにその思いが強くなりました。
――そうして、この異なる2曲をパラレルワールドというコンセプトで撮影した2本のMusic Clipは、まずそのアイデアがすごいなと思いましたね。
最初からアイデアがあった訳では全然ないんですよ。レコーディングを進めるなか、「READY FOR WARP」も表題曲に並ぶぐらい強い曲になりつつあるという手応えがあったので、Music Clipを2曲撮りたいという思いがどんどん強くなっていったんですね。
なんだけど、スタッフ的にはいろいろな制限がある中で2曲撮るにはどうするんだとなってたんです。でも、僕は仕事をやる上でのポリシーとして、先に「やる」って決めちゃえば、どうやるかは後から考えればいいというのがあるんですね。だけど、そこがなかなかスタッフと折り合いがつかなくて進まなかったんですよ。そのなかで監督がやっと決まり、監督と打ち合わせをする初めてのタイミングでもまだ2曲撮るかどうか曖昧な感じだったんですが、僕は2曲撮ることを前提にその場で「こんなのはどう」「あんなのは?」とポンポンアイデアを出していったなかで、最後のほうにでたのがこのパラレルワールドだったんです。パラレルワールドという設定なら同じシチュエーションで、ちょっとした変化。服装とか、その場のちょっとした変化で2つの世界を表現して2曲ぶん撮れば、1曲+αの制作費で2曲ぶんを短時間で作れるんじゃないの? って。
――素晴らしいアイデアじゃないですか!
ねっ。無理そうな事も「やる」と決めた上で、アイデアさえあればなんとかできるんですよ。
――こちらの2本のMusic Clipの見所をあげるとしたら?
今回登場人物はほぼ僕しか出てこないので、ひとりで何をやればいいのかって考えたとき、じゃあ自分の好きな 映画の世界観をいっぱい入れちゃえというのが、僕のなかのテーマでした。
TETSUYA
――ではここからは再び収録曲の話に戻して。3曲目の「FATE」。ここで、曲調は一転してダークネスな世界観へ。
夏といえばホラーじゃないですか!
――ああー! そういう発想でこれだったんですか?
そうですよ(微笑)。ちょっと恐怖を感じる暗い曲を入れようと。「どうせTETSUYAは明るくて爽やかな曲しか書けないんでしょ?」と思われたくないんで。「いやいや、僕、こういう曲も得意なんですよ」と。「みんながこういう曲が好きなのも知ってますし」ということで入れてみました。こういう曲を作る方が、じつは簡単なんですよね。
――次は、光が降り注ぐ彼方に吸い込まれていくようなサビが印象的な「Eureka」。こちらも、TETSUYAさんの王道ナンバーですよね。この曲は冒頭からベースが歌いまくっているところが素敵でした。
デモの段階であそこは弾いてなかったんですけど、レコーディング当日に入れたんですよね。あのベースは。
――ベースのフレーズは、作曲するときからある程度は考えてるんですか?
曲によりますけど、作曲してるときはベースラインは考えてないです。アレンジを詰めていくなかで出来上がっていく感じです。しかも、僕はベースのフレーズを考えるよりもギターのフレーズを考えるほうが得意なんですね。だから、曲を作るときは歌のメロディーとギターのフレーズを中心に作るんです。ほとんどの人の耳に届くもの、印象に残るものは、まず歌のメロディーがきて。その次はギターのフレーズやリフですから。僕はそっちを考えるほうが好きだし、得意ですね。
――最後はTETSUYAさんのデビューシングルでもある「wonderful world」のアコースティックバージョンが収録されていました。これ、すごくよかったですね。
ありがとうございます。これまでアコースティックでライヴを何本かやってるんですけど。ライヴに来られない人はどんな感じでアコースティックライヴをやってるのか分からないと思うんで、それを音源として届けたいなと思っていたので入れてみました。
――大人っぽくて、温かみがあって、しかもエレガントで。ぜひこのシリーズは続けて欲しいなと思いました。
そうですね。
――このEP作品『I WANNA BE WITH YOU』のリリースを記念して7月23日に開催する一夜限りのスペシャルライヴ『LIVE 2018 SUMMER』。こちらはどんなものになりそうですか?
夏テーマなので「lonely girl」とかはやらないんじゃないですかね。ライヴはシンプルに、楽曲だけで勝負する感じになると思います。僕のことをずっと応援してくださっているファンの皆さんはもちろん、まだソロのライヴには来たことがない方、アニメがきっかけで僕のことを知ってくださった方にも是非遊びにきてもらいたいです。

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