モヒカンの二人が笑わせる! が〜ま
るちょば『サイレントコメディー』日
本縦断ツアー開始!

昨年からよしもとクリエイティブ・エージェンシーに移籍した、世界で活躍するパントマイムの二人組・が〜まるちょばのツアーが、2018年7月12日(木)に東京・新国立劇場 中劇場で皮切りとなった。『サイレントコメディーJAPAN TOUR 2018』と題し、来年の1月5日(土)までに全国23都市で公演予定だ。
活動19年目を迎え、海外での活動も多く、とくにイギリスではいくつも賞を受賞している。今回は全編新作と気合を入れている。初日前会見では「ぜひ映像でしか観たことのない人にも来て欲しいです。お客さん参加型の、劇場ならではの楽しめる仕掛けがたくさん!」と意気込んだ。
ケッチ!、HIRO-PON
が〜まるちょばは2人組のパントマイマー。モヒカンとスーツとサングラスがトレードマークだ。赤いモヒカンが、ケッチ!。細身で、女性役がある場合はその多くを担当している。金髪のモヒカンがHIRO-PON。いかつい男性からおじいちゃん、派手な役から地味な役までこなす。サングラスの一見コワモテにも見えるが、彼らの舞台では大声での笑いが絶えない。
『サイレントコメディー』舞台写真
20年近く日本全国や世界各国で活躍してきたが〜まるちょばには、たくさんの持ちネタがある。しかし、今回のツアー公演の演目5本はすべて新作。パントマイムを中心としたパフォーマンスや、ショートコントのようなものから、壮大な無声映画のような作品まで。休憩ありの約2時間。「が〜まるちょばの“真骨頂”!」と、長年のファンにも、新しく出会うお客さんにも楽しみが募る。新作5本がどんな作品か、詳細は劇場でのお楽しみだが、このレポートで少しだけ紹介したい。
『サイレントコメディー』舞台写真
『が〜まるSHOW』は見えない壁を押したり、平らな場所で階段を上り下りしたり、存在しない縄跳びを飛んだりするパントマイムパフォーマンス。時には観客席に降りてきたり、観客をステージに引き上げたり(?!)日本語を一切使わず、表情や「うん?」「あ〜あ〜」などの声だけで観客席とコミュニケーションをとる様子は、日本語を話すよりもストレートに伝わる。「お客さんの反応を見ながらやります。二度と同じことは起こらないので、僕たちも楽しみです」とのこと。二人のやりとりもアドリブがとても多いので、何回見ても違うステージになる。
『スカボロフェア』は、ギターとリコーダーが登場。サイモン&ガーファンクルの名曲「スカボロフェア」に乗せたパフォーマンスだ。物憂げなメロディが笑いを誘い、横隔膜をくすぐられているような感覚に身がよじれて思わず笑顔に。
『サイレントコメディー』舞台写真
『「マイム!」のおにいさん』では、公園でパントマイムを披露するようなお兄さんが登場。前の二つとはまた違った笑いが体験できる。二人は今回の新作ツアーに当たり、これまで笑いをとってきた美味しいギャグをいかにアレンジするかが苦労の一つだったそうだ。
「原点回帰。結成当時は(パフォーマンスの中でも)笑いのパーセンテージを高くしていこうとしていましたが、最近は泣けるパフォーマンスも増えてきました。今回は原点に帰って、楽しく笑えるものを入れ込みました。19年目のリスタートです」「一周回って戻ってきたけど、19年の経験があるから、同じ場所にいるわけじゃないですよ」と、笑いへの意欲を見せた。
『サイレントコメディー』舞台写真
『メールと手紙』では、これまた公園のベンチらしきところでふと出会う、女子高生とおじいさんの交流に胸が温かくなる。笑いだけでなく、ほろりと涙させるような作品も多いが〜まるちょばの魅力も感じられる。
休憩を挟み、『が〜まる7(セブン) 』は映画を見ているような長めの一作。ドラマティックな展開を、音響だけですべてサイレントで見せる力量はさすがだ。
『サイレントコメディー』舞台写真
会場ではDVDも販売しており、今回の舞台を観るにあたって映像をチェックしてくる方もいるだろうが、女性役を担当することの多いケッチ!は「女性役でもアップになるんですよね。劇場で女性を演じるときは「遠くからだと可愛く見えてきた」と言われるんですけれど、映像だと・・・」と苦笑い。動きが綺麗なので、遠目で観るととてもしなやかだ。ノーメイクの男性が綺麗な女性に見えるのも、劇場マジック。今回は客席も巻き込んだパフォーマンスも多く、生だからこその体験が散りばめられている。客席でもうかうかしてはいられない。
会見中HIRO-PONは何度も「一人で観るのもいいけれど、友達や家族と観て、感想を言い合ったらきっと楽しいと思います」と が〜まるちょばの楽しみ方を念押しした。確かに、作品を観終わると誰かと楽しさを共有したくなるような感覚がこみ上げてくる。
『サイレントコメディー』舞台写真
2017年の4月から、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。これからは映像への出演や、他のよしもと所属芸人とのコラボレーションも増えそうだ。さらに「より海外に力を入れたい」と力を入れる。
8月には、ヨーロッパ世界三大演劇祭の一つ、スコットランドの「エディンバラ国際フェスティバル」にも参加。これまでにも何度も出場しており、スコットランドでもファンが多い。1ヶ月ほどヨーロッパでパフォーマンスをしたのち、9月からまた今作の日本凱旋公演隣、日本国内の他都市をまわる。
日本、海外と、言葉の壁を軽やかに飛び越えるサイレントパフォーマンス。が〜まるちょばとして活動の幅を広げるとともに、日本初の笑いのエンターテイメントを世界中に発信してしてくれるだろう。
(取材、文、撮影/河野桃子)

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