【ライヴレポ】けやき坂46、『「走り
出す瞬間」ツアー2018』最終日に20人
が揃い完走!「やっぱり、ひらがなっ
て最高ですね!」

まるでおとぎの国に来たかのようなオープニングでは、大きな本をかたどったセットの前で、SFやファンタジー、プリンセスなどの童話の世界を、ステッキや剣などを持ちながら再現したメンバーたちが次々と現れる。その瞬間から会場は一気に温度を上げ、ペンライトを“けやき色”の緑一色に染めたたくさんのファンの大歓声に包まれた。その後、メンバーがふたり組になりくるくると抱き合いながらまわる愛らしい振り付けに頬が緩む「ひらがなで恋したい」から、けやき坂46『「走り出す瞬間」ツアー2018』のツアーファイナルが千葉・幕張メッセイベントホールで走り出した。
「おいで夏の境界線」では1期生の弾ける笑顔を、「最前列へ」では2期生の意志の強さが前に出た、力強さとしなやかさが同居するパフォーマンスで魅了。佐々木久美が「幕張ファイナル楽しんでいますか~?このツアーもあっという間で、最後で悲しいのですが、楽しみましょう!」と盛り上げ、加藤史帆は「日本で一番ハッピーな時間を過ごしましょう」と続ける。さらに高本彩花が「みなさんも明日動けなくなるくらい、体くたくたになるくらい盛り上がって楽しんで行きましょう!」と声をかけると、会場とメンバーのテンションは最高潮。
1期生が黒ブチメガネをかけ、タイトル通りの整列をしながら歌う「こんな整列を誰がさせるのか?」、情熱的でまた違った魅力を感じさせる2期生の「未熟な怒り」を披露した後、2期生がMCを務め、先述のオープニングの見どころを教えてくれた。丹生明里は「このちゃん(松田好花)と一緒にロケットを持ってびゅーんと飛ばしました」、松田は「憧れの本の主人公になれて嬉しい」と、思い入れもそれぞれのようだ。
ユニットコーナーでは、金村美玖、富田鈴花、松田による昭和レトロな歌謡テイストの「線香花火が消えるまで」、胸に手を当ててじっくりとバラード「わずかな光」を聴かせる佐々木美玲。井口眞緒、高瀬愛菜、東村芽依が身にまとった青、ピンク、黄色のワンピースが最高にかわいらしいだけでなく、ファンとのコール&レスポンスが止まらない「夏色のミュール」、一瞬にして会場の空気を換えた、太く、芯のある歌声で聴く人たちの心を震わせた齊藤京子の「居心地悪く、大人になった」など個性豊か。さらに加藤、高瀬、東村、富田、渡邉美穂による、エモーショナルなダンスで躍動感を感じる「ノックをするな!」、潮紗理菜、加藤、齊藤、佐々木久美、高本による「ハロウィンのカボチャが割れた」では、ステージがハロウィンのセットに早変わりし、会場すべてのペンライトがオレンジ一色に染まり、金村、丹生、松田、宮田愛萌による「猫の名前」では、トロッコに乗ったほかのメンバーが猫耳を着けて会場を回る瞬間も。
このツアーではたくさんのハプニングもあったようで、加藤は回転するはずのセットにロックがかかっていることに気づかず、壁に勢いよくぶつかったことを暴露。佐々木久美はタイトルにかけて「そこでスタッフさんに言いたいことは“ロックをするな!”でしょ?」と振ると、すぐに理解できなかったのか加藤は「う…うん」と戸惑い、数秒後に「はっ!そうだ!さすがキャプテン!」と気付くと会場中が爆笑。さらに佐々木美玲がオープニングに着けていたティアラが髪の毛に絡まってすぐに取れず、数曲ティアラをしたまま出ていたハプニングを話すと、佐々木久美は「ずっとお姫様でいたいのかと思った!」と突っ込み、それに乗った佐々木美玲は「本の中から出てきちゃいました♪」といたずらな笑顔を浮かべた。もう、“かわいい”以外表現のできないわちゃっとしたメンバー同士の柔らかくて温かい雰囲気のMCコーナーは癒しの空気で満ちている。
1期生が「それでも歩いてる」をイスを使ったパフォーマンスで見せ、「イマニミテイロ」では叫ぶように口に手を当て、<ザマアミロ>の歌詞の後にマイクを通さず叫んでいる。
かと思えば、そのあとのMCで濱岸ひよりが「ウェーブをしたい」と提案をして、ステージを端から端まで駆け巡り、見事なウェーブを体験。
ラストスパートにかけては、「期待していない自分」「誰よりも高く跳べ!」「NO WAR in the future」などでさらに会場を盛り上げ、本編ラストでは、佐々木久美が「ここにいる大好きなみなさんと歌いたい曲です」と話し、「車輪が軋むように君が泣く」が始まると、会場中が感動の大合唱に包まれた。
アンコールでは、このツアーで生まれたファンのコールで呼び込まれ、メンバーも大歓喜。すると、学業で活動を休止している影山優佳が登場。「改めてファンのみなさんに思ったのは、私ってやっぱり、ひらがなが大好きなんだなーって、ひらがなって最高ですね!」と前置きした後、「けやき坂46の活動をお休みさせて頂くことを直接報告しに来ちゃいました。今回けやき坂46にとってデビューのライヴに参加できて嬉しいし、迎えてくれて感謝の気持ちでいっぱいです」と話し、アンコールから参加して、「ひらがなけやき」「僕たちは付き合っている」を披露。さらに、20人が揃い、ダブルアンコールではもう一度「NO WAR in the future」を熱唱して、幕を閉じた。
シリアスかつ、どこか心の奥の闇に触れるけやき坂46の歌は、パフォーマンスとビジュアルで見せる“アイドルショー”とは別の、心を掴むメッセージ性を持つ。そのメッセージ性をしっかりと、必死に伝えようとしてくれる反面、愛らしい等身大の素顔を見せてくれる彼女たちのライヴは、観るほどに応援したくなるのだ。それは、彼女たちが大きな夢を持つからだろう。佐々木久美は最後に、「初心を忘れず、謙虚、優しさ、絆で頑張っていきたいと思います」と宣言。まだまだ坂道を駆け上がっていく彼女たちは、さらに速度を上げ、目指す先に走り出したようだ。その瞬間を閉じ込めた、素晴らしいライヴだった。
写真/上山陽介 文/吉田可奈
※写真は、7月9日、10日、幕張メッセイベントホール公演のものです。
<セットリスト>
0.OVERTURE
1.ひらがなで恋したい
2.おいで夏の境界線
3.最前列へ
4.こんな整列を誰がさせるのか?
5.未熟な怒り
6.線香花火が消えるまで
7.わずかな光
8.夏色のミュール
9.居心地悪く、大人になった
10.ノックをするな!
11.ハロウィンのカボチャが割れた
12.猫の名前
13.それでも歩いてる
14.イマニミテイロ
15.期待していない自分
16.永遠の白線
17.半分の記憶
18.誰よりも高く跳べ!
19.NO WAR in the future
20.車輪が軋むように君が泣く
-アンコール-
EN1.ひらがなけやき
EN2.僕たちは付き合っている
EN3.約束の卵
-ダブルアンコール-
W-EN1.NO WAR in the future

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