【Pop'n'Roll編集長対談】寺嶋由芙×
山村哲也、アイドル戦国時代を経て、
今アイドルサイトを立ち上げる理由

Pop'n'Rollという新しいアイドルサイトが2018年8月20日に誕生します。アイドルブームのピークを過ぎたと言われているこのタイミングで音楽サイトBARKSが立ち上げるPop'n'Rollとはどんなものなのか? 寺嶋由芙編集長、長谷川瑞(つりビット)副編集、茉井良菜(煌めき☆アンフォレント)副編集という3名の現役アイドルが編集者となって発信する“アイドルの、アイドルによる、アイドルのためのアイドルサイト”Pop'n'Rollについて、統括編集長を務める音楽ライターの山村哲也と編集長の寺嶋由芙が、スタートまでの経緯とサイトの展望を話します。
■アイドルが勇気や希望や頑張る活力を与えてくれる
存在であることを改めて知ってもらいたい(山村)

山村:8月20日から“アイドルの、アイドルによる、アイドルのためのアイドルサイト”Pop'n'Rollがスタートするのですが、その前にどうしてこのサイトを作ろうと思ったのか? Pop'n'Rollはどんなことを発信していくのか?ということをちゃんと説明しておきたいなと思って、今日はこんな場を作ってみました。由芙さんも編集長をお願いする前の話しって詳しくは知らないと思うし。

寺嶋:そうですね。

山村:なので先ずは僕の方から順を追って話していきますね。去年の年末にBARKSから新しくアイドルに特化したサイトを作りたいので、編集長になってもらえませんか?という連絡をもらったんですよ。それで年が明けてから何回かスタッフと会って、どういうサイトにするのか会議をしていたんだけど、その時僕は今更普通のアイドルサイトを作っても誰も見ないだろうなと思っていて。「どういうものがいいと思いますか?」って聞かれたので、前からちょっと考えていたアイデアを話したんです。それが現役アイドルが作るアイドルサイトっていうものだったんです。

寺嶋:ふむふむ。

山村:中堅アイドルグループの解散や有名なメンバーの卒業とかがここ数年で頻繁になってきて、アイドルシーンって外からは活気がなくなっているように見えるじゃないですか。

寺嶋:縮小している感がちょっとありましたよね。

山村:そうそう。でもそういう中で新しいグループはどんどん出てきているし、戦国時代と言われた時に沢山のアイドルができたことで、以前はあまりなかったメンバーの移籍みたいなことも起こっていて、数年前とはまた違う面白さを僕は感じているんですよ。曲としてのジャンルもどんどん広がっていて、そういう枠にとらわれない感じはアイドルだけだと思うし。なので、そういう今のアイドルの面白さを、実際に活動しているアイドル側から発信することができないかなと思ったのと、アイドルってこんなに可愛くて、みんなに勇気や希望や頑張る活力を与えてくれる存在なんだよっていうのを、改めて知ってもらえるサイトをやりたいなと思って。あとこれは友達から聞いた話なんだけど、小学校の七夕の短冊の願い事に数年前は「アイドルになりたい」って書いていた子が沢山いたけど、今は「ユーチューバーになりたい」とかになっているらしくて。

寺嶋:(爆笑)。そうなんだー。悲しい。

山村:まぁそこはブームみたいなものだったり、運営の不手際や失敗事でブラックな情報が出ていたりするからだと思うんだけど。だから以前はアイドルになりたいと思っていて今はそこに夢が見られなくなった子にも、ちゃんとしたアイドルの姿を見てもらって、もう一度夢を見る気持ちになってもらえたらいいなというのもあって。

寺嶋:あの時の気持ちを思い出してもらおうみたいな。

山村:うん。それをやるには、現役アイドルにアイドルのいい所を発信してもらいたいなと思ったんだよね。それで由芙さんに編集長をオファーしたんです。

寺嶋:ありがとうございます。

山村:自分の中で編集長は由芙さん一択な感じだったんですよ。アイドルが好きでファンの気持ちもわかっていて、アイドルの中でもお姉さん的な人がいいと思ったから、これは寺嶋由芙だろうと。だから正直由芙さんに断られたらどうしようと思っていたんだけど、話しを聞いた時はどう思いました?

寺嶋:いやービックリしました。編集長ってことで、私で大丈夫なのかなって。でも今言って頂いたように年齢的なこともそうだし、この5年ちょっとぐらいかな、アイドル戦国時代と言われていた2010年以降をリアルタイムで見て来たアイドルだから、それでお役にたてればいいなと思いました。名前だけ使って頂くんじゃなくて、会議にもちゃんと呼んでもらえるし立ち上げから関わらせて頂いているので、今までにはない感じになっているんじゃないかなと思っています。
■ちゃんとやっている子達に
光が当たるサイトにしたい(寺嶋)

山村:僕やスタッフは由芙さん達のやりたいことの道を作る裏方だと思っているので。じゃあせっかくなので副編集長の話しもしておきましょうか。由芙さんが進行もできるしっかりとした人だから副編は違うタイプの人がいいと思ったんだけど、一人は強いアイドルヲタの子が欲しいなと思って。

寺嶋:良菜ちゃんですね(笑)。

山村:そう。煌めき☆アンフォレントの茉井良菜さん。これ良菜さんにも話しているから言ってしまうけど、最初はつりビットの安藤咲桜さんにオファーしたんですよ。でも彼女は今年大学受験なのでスケジュール的にお断りされてしまって。それでどうしようと考えて、名古屋に住んでいる三重のご当地アイドルだけど東京に毎週のように来ているし、僕が知っているアイドルの中ではトップクラスのアイドルヲタクだったから良菜さんにお願いしました。彼女は引き出しが多くて東だけではなく西の方のアイドルにも詳しいし、文章が書きたいと言っていたから適任じゃないかなと思ったところもあったので。由芙さんと良菜さんから参加のOKがもらえたので、もう一人の副編は2人をつなぐパイプ役もできるようなフラットな考えを持っていて、実際アイドル取材とかに行ってもらった時に、どんなジャンルのアイドルからも嫌われないタイプの人がいいなと考えて、長谷川瑞さんにお願いしました。瑞さんは写真が撮れるからカメラマンな動きもできるし、一見頼りなさそうに見えて実はつりビットのリーダーとしてしっかりしていて、あの可愛らしさは男女問わず絶対嫌われないタイプの人だと思うんですよ。そんな理由で2人に副編集長をお願いしたんですけど、由芙さんは2人をどう思いました?

寺嶋:今まであまりご一緒したことのない2人で、この企画だからこそみたいな所もあったのでいいなと思いました。瑞ちゃんは打ち合せで会った時に中学生だと思っていて(笑)。つりビットちゃんはずっと小さい子ってイメージがあったから、「この日は学校があるので」って言っているのを中学校かな?と思って聞いていたんですけど、大学だったからびっくりしたんですよ(爆笑)。毎回会うたびに癒されます。あのゆっくり喋る感じが可愛いですよね。良菜ちゃんはヲタク感が求められているというのをちゃんとわかっていて、ヲタク視点での意見をガンガン出してくれるのがいいなと思いました。2人の役割分担をバッチリ振ってもらったからっていうのもあるけど、本人達もそれをわかって動いてくれているのがすごくいいと思います。

山村:良菜さんはイベントで共演したアイドルに推しがいると、ヲタさん達と一緒に物販に並んだりする人なんですよ。

寺嶋:えらい! ガチなんですね。でも私もアイドルネッサンスのブロマイドを買っていたので人のこと言えないです(笑)。でもそういうことが起こっているのって世間の人は知らないから、アイドルがアイドルを推しているとかっていう現象もこのサイトを通じて面白く見てもらえたらいいですよね。あと女の子のヲタクとか。アイドルをやっていてもおかしくないぐらいキラキラした子が実はアイドルヲタクだっていうこととかも、知らない人にとっては結構衝撃なんじゃないかなと思うので、ヲタクの子達の中では普通のことだけど、今そこを改めてPRするっていうのは面白いのかも。

山村:うん。そこも今後の会議で考えていきましよう。では最後に編集長としてPop'n'Rollで発信したいことを話しておきましようか。

寺嶋:アイドルの楽しさをもう一度ちゃんと発信したいですよね。辞めちゃう子や解散するグループがいると、どうしてもみんなのテンションが下がるじゃないですか。そこでヲタ卒する人もいるし。なんかそういう人達はそれとして、残っている人達の良さにもう一度目が向けられるようになったらいいなと思う。今って色んなタイプのグループが沢山出て来たので、あまりプラスではない情報も出ちゃっていた時期だと思うんですよ。問題になることだったり、過激過ぎてしまうことだったり、そういうものをみんなで頭を冷やす機会じゃないけど(笑)、ちゃんとやっている子達に光が当たるようなサイトに出来たらいいなと思います。一部の情報に惑わされないようなちゃんとした情報をPop'n'Rollでは出していきたいですね。
撮影:Ikuya Nishikado

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

新着