大人も子どもも楽しめる、最高にピー
スフルな音楽空間 『夏びらきMUSIC
FESTIVAL2018』大阪会場をレポート

『夏びらき』2018.7.1(SUN)服部緑地野外音楽堂
2018年7月1日(日)、大阪・服部緑地野外音楽堂にて野外音楽フェスティバル『夏びらきMUSIC FESTIVAL2018』(以下、『夏びらき』)が開催された。2007年に埼玉県・所沢航空記念公園から始まった『夏びらき』も今年で12年目を迎え、大阪で開催されるのは5年目となる。大阪を皮切りに、今年も福岡県・博多埠頭緑地サンセットパーク、埼玉県・所沢航空記念公園の3か所で開催される。初日となった大阪会場のレポ―トをお届けしたい。
11:00。澄んだ青空に照りつけるような太陽が顔を覗かせる。すでに暑くなりそうな予感。まさに夏をはじめるにふさわしい天気だ。オープンと同時に、続々とオーディエンスが入ってくる。服部緑地野外音楽堂はステージがすり鉢状になっており、360℃を客席がぐるりと囲んでいて、場所によっては普段は見ることのできないアーティストの後ろ姿を見ることができる。ステージの上空には、大きなオレンジの花をモチーフにしたオブジェが飾られ、青・白・黄色のフラッグが風に揺れ、ステージではDJ SOUL ONEが、ゆったりと心地の良い音楽が届けられていた。
『夏びらき』の特徴は、都心から1時間圏内に会場がある“都市近郊型の野外フェス”ということ。日帰りで楽しむことができるため、子どもを連れたファミリー層も気軽に参加することができる。12歳以下が入場無料だったり、後方の芝生エリアには、キッズ&ファミリーエリア、授乳&おむつ交換エリア、ワークショップスペースが並ぶ。また客席内には、高齢者・身障者・乳幼児を連れた人が優先的に座れる「おもいやりシート」を設置するなど、大人と子どもが一緒に楽しめるような工夫が随所になされている。
11:30。1階のエリアはほぼ埋まった状態。見渡してみると本当に家族連れが多い。テントやレジャーシートを並べ、ブースで購入したフードやドリンクを手に、思い思いにくつろいでいる。キッズエリアでは、子どもたちが夢中で絵を描いている。いよいよ『夏びらき』が開幕だ。ステージに司会進行役のFM802 DJ竹内琢也が登場し、夏びらきの魅力と諸注意を述べる。
トップバッターは吉田山田。『夏びらき』には10回以上登場している。「昨日は楽しみすぎて寝られませんでした」と山田。1曲目は「しっこ」。続いて「未来」でコール&レスポンス。後ろ側の客席に気遣いながら、漫才のようなテンポ良いMCで盛り上げる。「見たことのないアーティストに出会えるのが夏びらきのいいところ。こういうジャンルもあるんだって発見もあるので最後まで楽しんでいってください」と「宝物」をしっとりと聴かせる。続く「魔法のような」では、《蝶々の羽ばたきだって〜》という歌い出しに引き寄せられるかのように、目の前をアオスジアゲハがひらひらと飛んでいったのが、とても印象的だった。最後に、大切な人を想う『日々』を気持ちよさそうに歌い、ステージを後にした2人。(この後、キッズエリアで山田による紙芝居が生披露されることもアナウンスされた。)
続いてはLUCKY TAPES。ステージ前にはたくさんの人が詰めかけていた。この日はサポートメンバー6名を迎えた9人編成でのバンドセット。SEでメンバーが登場すると大きな拍手が起こる。最初に披露されたのは「22」。ホーン隊が笑顔で楽しそうにステップを踏む。ムーディでグルーヴィな演奏が、野外音楽堂をダンスフロアに変える。「レイディ・ブルース」からの「体温」で一気に熱が上がった客席に、高橋健介(Gt.)が「まだまだいける〜?」の一声でプチョヘンザ! そしてサポートの村上大輔(Sax.)のソロから「Balance」へ。まるで都会の夜を切り取って持ってきたようだ。「シュリー」では高橋海(Vo.)の優しく甘い歌声と、サポートのUKO(Cho.)による美しいハーモニーが響く。体感的には少し涼しくなったが、確実に客席の温度は上がったと感じた。素晴らしい演奏に、なかなか拍手が鳴り止まなかった。
ここで、会場の気温が34℃になったことが知らされる(!)。猛暑日一歩手前だ。改めて熱中症への注意が呼びかけられ、アクトはBASI & THE BASIC BANDへ。大きな歓声で迎えられる。「キムチ」「あなたには」では、両手を広げながらリリックをゆるりと色気たっぷりに綴っていく。立っているだけで汗が吹き出るくらい、ものすごく暑いのだが、その中でも心地よさそうに体を揺らすオーディエンス。というよりも体が勝手に動いてしまうのだ。まさに「巻き込んでいく」という表現がピッタリなほど、会場の後方まで自由に踊らせていく。「笑ってますか、夏びらき」の一言で始まった「笑み」では客席の手が一気にあがる。嬉しそうにオーディエンスとハイタッチするBASI。客席の体調を気遣いつつも、「チルアウト代表と呼んでるんで、まったりラフな感じで」と、近くの人を大切に愛せよというメッセージが込められた「花束」を披露。「I love you baby」という愛に溢れた言葉が会場に満ちていく。そして「JULIET RE EDIT」のあと、「夏!」「びらき!」というコール&レスポンスを経て、休日を彩る「NICE」へ。誰にも邪魔できない最高の日曜日。素晴らしいチルタイムを贈ってくれた。
かなり日差しが厳しくなってくる時間帯、登場したのはbird。大阪の『夏びらき』では初めての出演となる。ギターの樋口直彦と対面形式で向かい合わせに椅子に座り、軽やかなアコースティックギターの音が奏でられ、始まった1曲目は「よみがえれ」。伸びやかなbirdの歌声がスッと空に飛んでいく。続いては「暑いですけどアップテンポな曲です」と始まった「パズル」では、自然と手拍子が湧き起こる。MCでは、birdがオーディエンスの体調を気遣い、塩分補給タブレットを配る場面も。続いてMONDO GROSSOとコラボした「LIFE」を気持ち良さそうに歌い上げる。透明感のある声のため暑さは感じさせないが、歌い終わって「暑い」と額を拭う。こちらも昨年MONDO GROSSOとコラボした「TIME」、そして「GAME」を軽快に歌い上げ、終始、夏の清涼感を届け、日が差し込み始めたステージを後にした。
ここでDJはSOUL ONEからYACCHANにバトンタッチ。そして『夏びらき』恒例の「みんなで乾杯!」タイム。ステージに竹内琢也、BASI(韻シスト)、Rickie-G、主催者の高橋マシがドリンクを持って登場。BASIによる音頭で、会場全員で乾杯!&写真撮影を行った。
イベントも折り返し地点、アクトはFIRE BALL。メンバーが登場するや否や、ステージに詰めかけるオーディエンス。階段の上まであっという間に人で埋まっていく。「Boom/Intro」から立て続けに「Light Up The Fire」「Reggae Bus」「ラガマフィン」「Call This Love」「You Can Get If You Really Want」「俺とお前とボブマーリー」と、アンセムを披露。「今日は楽しんでいきましょう! 横浜観光に俺らと出かけませんか?」と『Under The Blue Light』へ……、ところがここで機材トラブルが発生。あまりの暑さでPCがやられてしまった様子。復旧を試みる間、「じゃあさ、アカペラやろう。車がエンストしたんで電車に乗り換えよう」というメンバーの機転で急遽アカペラでBoney Mの「Rivers of Babylon」を披露。さらに前夜祭に登場したAFRAが飛び入り参加! 華麗なボイパでハーモニーを支える、生のライブならではの贅沢なコラボレーションとなった。無事機材が戻り、改めて曲へ。勢いを取り戻すかのようにタオルを回し、ジャンプジャンプ! ステージを行ったり来たり、自由に動き回る4人の姿に会場中がヒートアップ! 「Burn Bad Mind」「Koomina」「Don’ t Turn Dat Down」「みんなのうた」まで一気に駆け抜ける。ラストは「Wonderful Days」。サビでは大合唱、後方の子どもたちも一緒に手を振り、とてもピースフルな空気に包まれていた。
温まった会場をさらに盛り上げたのは『夏びらき』大阪初登場のRHYMESTER。登場するなり「マイクが暑いもん、こんなことある?」と笑わせる宇多丸(Rap)。1発目に「新曲です!」と「JIN-TRO(Summer Madness)」をドロップ。「手をあげろ!体揺らせ!」に全身で応える会場。続いて「After 6」「Future Is Born」でさらに1つになる。「夏がやってきたぜー!!」とMummy-D(Rap&Total Direction)が叫び、MCを挟み、DJ JINのスクラッチから「ライムスターインザハウス(Sing Sing)」を披露。ここで、FIRE BALLのメンバーが呼び込まれ、オーディエンスは大歓喜。「HEAT ISLAND feat. FIRE BALL」を共に熱唱し、最高潮の盛り上がりを魅せた。最後に「本当は避けたい」というほど重厚な夏ソング「サマー・アンセム」を全力でプレイし、ステージを去った。
ようやく西日が傾き、涼しくなり始めた頃、Rickie-Gが登場。バンドのセッションに誘われ、アコギを手に取り、弦をつま弾くと客席から歓声が上がる。「am 08:59」の心地よく美しいメロディーに、ステージ前に引き寄せられていく人々。演奏に聴き入る人、暑さに疲れた人、全てを包みこむ穏やかな音楽。「めちゃめちゃ楽しませてもらってます! 皆さまに感謝です!」というMCに続いて「Life in Wonderful」を、伸びやかな歌声で歌い上げる。ギターを置いてハーモニカを手に取り、ハンドマイクで「Follow Your Heart」を力強く歌う。後半、ピッチが上がり、激しく煽る場面も。歌い終えると、嬉しそうに帽子を取って大きくお辞儀。最後はRickie-Gとバンドメンバー全員が一列に並んで手をつなぎ、深く一礼。とても大きな愛に溢れたステージだった。
大トリは、『夏びらき』皆勤賞のSCOOBIE DO。「1.2.3.4!」というMOBY(Dr.)のカウントから『アウェイ』『真夜中のダンスホール』と立て続けに大人のロックンロールで魅せる。コヤマシュウ(Vo.)が「夏、開いちゃってますかー! 見事に開いたから開きっぱなしでいこうと思います!」と叫ぶと、オーディエンスが興奮した様子で応える。続く『Get Up』のサビでは会場全体が一体となり、手を左右に振る。『No.3』の後、「俺たちの大切な仲間呼んでいいですかー!」と、RHYMESTERをステージに呼び込む。7人で『やっぱ音楽は素晴らしい』を披露する。驚いたのは、これまでのアクトの中で1番子どもたちを踊らせていたのがSCOOBIE DOだった。ステージの脇で飛び跳ねたり、肩車されながら手をあげたり、芝生エリアでお母さんと手を取り一緒にくるくる踊ったり。陽が沈んで過ごしやすくなったこともあるだろうが、とにかく子どもたちが笑顔で走り回っていた。これこそが『夏びらき』の光景なんだな、と幸せな気持ちになった。『Cold Dancer』をバシッと決め、アンコールでは「最後に俺たちのデビュー曲を聴いてください!」と『夕焼けのメロディー』を熱唱。2018年の『夏びらき』大阪公演は大団円を迎えた。
SCOOBIE DO
最後に、『夏びらき』プロデューサーである高橋マシが挨拶。「5年目の大阪で天気の心配もあったんですけども、ずっと晴れてよかったです。FIRE BALLやRHYMESTERは僕が高校生の時から大ファンで、そして今僕が大好きなアーティストを集めて、皆さんの楽しんでる姿を見れて、ほんとに嬉しいです。来週は福岡、再来週は本拠地埼玉で開催します。良いバイブスを持って来年大阪に帰ってきますので、ぜひまた遊びにいらしてください」と感謝を述べた。
『夏びらきMUSIC FESTIVAL2018』はこのあと、7月7日(土)、8日(日)に福岡県・天神コア屋上広場、7月14日(土)、15日(日)、16日(祝・月)に埼玉県・所沢航空記念公園野外ステージで開催される。ぜひ、最高に自由でピースフルな空間で、新しい音楽に出会ってほしい。
取材・文=ERI KUBOTA  

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

5コメント
  • RT @nukoya_nuko: music-jp 大人も子どもも楽しめる、最高にピースフルな音楽空間 『夏びらきMUSIC FESTIVAL2018』大阪会場をレポート『夏びらき』2018.7.1(SUN)服部緑地野外音楽堂2018年7月1日(日)、大阪・服部… https:…
  • music-jp 大人も子どもも楽しめる、最高にピースフルな音楽空間 『夏びらきMUSIC FESTIVAL2018』大阪会場をレポート『夏びらき』2018.7.1(SUN)服部緑地野外音楽堂2018年7月1日(日)、大阪・服部…… https://t.co/1Rnw3hlJ8k
  • RT @nukoya_nuko: music-jp 大人も子どもも楽しめる、最高にピースフルな音楽空間 『夏びらきMUSIC FESTIVAL2018』大阪会場をレポート『夏びらき』2018.7.1(SUN)服部緑地野外音楽堂2018年7月1日(日)、大阪・服部… https:…
  • RT @nukoya_nuko: music-jp 大人も子どもも楽しめる、最高にピースフルな音楽空間 『夏びらきMUSIC FESTIVAL2018』大阪会場をレポート『夏びらき』2018.7.1(SUN)服部緑地野外音楽堂2018年7月1日(日)、大阪・服部… https:…
  • 大人も子どもも楽しめる、最高にピースフルな音楽空間 『夏びらきMUSIC FESTIVAL2018』大阪会場をレポート https://t.co/3hz17twu0k https://t.co/6uTpH6kOcf