BRADIO『YES』全肯定の傑作を語る合
言葉は「ファンキー」
ファンキーパーティーピープルに贈る、
BRADIOからの『YES』!ナイスグルーヴ
の秘訣とは?
Photography_Reiji Yamazaki
Interview & Text_Sotaro Yamada
Edit_Kenta Baba
みんなの気持ちが一致した『YES』
大山:そんなふうに言ってもらえて嬉しいです。その手応えがそのままタイトルになっていると言っても過言ではないですね。『YES』という言葉にはいろんな意味を持たせているんですけど、レコーディングや制作の過程で「これだ!」とみんなが感じる瞬間がたくさんあったんです。新体制になって最初のアルバムだし、勢いをそのままパッケージできた感触がありました。曲自体のパワーもそうですけど、レコーディング時の熱量にも手応えがあってすごく良いアルバムになったと思っています。タイトルは最後に決めました。『YES』という言葉が出た途端、3人とも「イイねえ!」って盛り上がりました。
酒井 : ライブリハーサル終わりの帰りの車のなかで話していて、誰かが「YES!!」って言ったんですよね。で、「それ、良いんじゃね?」と。あれは誰が最初に言ったんだっけ?
真行寺 : ヤスじゃなかった?
大山 : そうだ、何の気無しの普通の会話のなかで「シンプルなタイトル付けたいよね」という話になって、サポートでドラムに入ってくれているヤスが「YES!!」って叫んだんですよね。その言葉がみんな印象に残っていて、いざタイトルを決める段階で「ていうか、あの言葉めちゃくちゃ良いんじゃない?」と。
――みんなの気持ちが一致した肯定の『YES』だったんですね。今すごく良い雰囲気ですけど、2017年10月にメジャーデビューしてから現在まで怒涛の日々だったと思います。勢い良くスタートを切ったと思ったら、2018年1月にまさかのメンバー(田邊有希)脱退。BRADIOにとってキャリア最大のターニングポイントになる出来事だったと思います。年末年始、大変だったんじゃないですか?
大山 : 年末にはまだ脱退は決まっていなかったんですよね。ただ、みんなその雰囲気は感じていました。年明けてすぐ『きらめきDancin’』のレコーディングだったんですけど、彼(田邊)はその時には意思を固めていて。新年一発目ですごいピンチが訪れたという状況にはなりました。もちろん大変だったけど、このバンドを始める前にみんないくつもバンドを組んでいろんな経験をしてきているし、すべて順調に進むわけではないということもわかっているので、「どうしよう」というより「どうやろう」というモードにすぐ頭がシフトしました。サポートメンバーのヤスがクイックに動いてくれたり、いろんな人が手助けしてくれたりして、チームみんなが「やってやろうぜ!」という雰囲気になったんです。不安がなかったわけではないけど、いろんなことが制限されることが確定したことで、逆にチームとして今まで培ってきたチカラがぐっと出せたんじゃないか。そんな気がしています。良いムードでアルバムに向かえました。
「ああ、グルーヴってこういうふうにつ
くっていくんだ」
大山 : リズムセクションが変わってグルーヴがあたらしいものになったので、そこから必然的にアレンジも派生していきました。曲をつくっている時よりもレコーディングに入った時にみんなでつくるグルーヴがめちゃくちゃファンキーだった、ということだと思います。
――ちなみに、最初にできた曲はどれでしょう?
酒井 : 昔から持っていたネタを使いつつ全部あたらしく作り直しているので、全曲あたらしいと言えばあたらしいですね。でも順番でいうと、年始にレコーディングした『きらめきDancin’』が最初かな?
大山 : そうだね。レコーディング時のグルーヴや熱量がすごく良かったんです。「ああ、グルーヴってこういうふうにつくっていくんだ」ということが肌感でわかったし、みんな成長できたと思う。そういう勢いや気持ちが『きらめきDancin’』とは曲調の違うほかの曲にも反映されていきました。
――『きらめきDancin’』のギターはすごく大胆ですよね。ファンクのなかに日本のロックを感じます。
大山 : 自分が通ってきたサウンドをうまく取り入れるということは、昔からテーマにしていることでもありますからね。今回は面白く取り入れられたと思います。
――ギターソロにはLUNA SEAを感じます。もうちょっとBPM上げたら『ROSIER』のSUGIZOさんパートが聴こえてきそう。
大山 : それは……どうでしょう(笑)? もしそうだとしたらかなり嬉しいです。SUGIZOさんの血は確実に自分のなかに入っているので。
大山 : 少し期間をいただいて練習しました。
――身体の強さとリズムには何か関連があると思いますか? (酒井)亮輔さんは身体を鍛えていると聞きましたが。
――以前、田島貴男さんとの対談で亮輔さんが体幹トレーニングやボクシングの話をされていたのが印象的でした。その後、ボクシングは始めました?
酒井 : やってないです(笑)。もうちょっと身体をつくってからやらないと、たぶん手首をやられるなと思って。家で体幹トレーニングをするくらいですね。トレーニング系の本を買って読みながら。
――サッカーの長友選手の本とか。
酒井 : まさにそれです(笑)。あの本を参考にして、毎回1時間半くらい体幹トレーニングしていますね。普通の筋トレと違うので、今まで痛くなったことのないところが筋肉痛になります。あれはおすすめですよ。
――最近のBRADIOには、そういうスポーツモードもありますよね。貴秋さんはマラソン始めるし。
真行寺 : (笑)。歌とマラソンも、関係なくはないと思いますよ。マラソン初めてからステージ持ちがだいぶ良くなりましたし。
――走ると声が通りやすくなる、みたいなことは……。
真行寺 : どうですかねえ……ありそうで、なさそう(笑)。
「『Boom! Boom! ヘブン』は自分にしか
歌えない歌」
――アルバムのリード曲は『Boom! Boom! ヘブン』です。こんなに楽しい曲なのに、ふっと悲しい歌詞が挟まれていますよね。「涙に溺れて」から始まり、「華々しくともいつかは散るじゃない」という部分など。貴秋さんは、自分の経験を反映させて歌詞を書くのか、それとも完全に自分とは別の空想として書くのか、どちらでしょう。
真行寺 : 両方ありますけど、『Boom! Boom! ヘブン』は想像ベースでした。僕はパリピではないしクラブにも行きません。なんならキャバクラにも行ったことないしお酒も飲めない。だから憧れがあるんですよね。それと、今回はちょっと皮肉も入れてみました。「みんなこういうのが楽しいんでしょ?」という。『Boom! Boom! ヘブン』を通して、自分にしか書けない歌詞や歌えない歌があるとすごく感じましたね。
真行寺 : 下ネタとか(笑)。
大山・酒井 : (笑)。
――でも、貴秋さんの下ネタっていやらしくないですよね。
真行寺 : いろんな人にそう言ってもらえることが多いんですよね。「チ◯コを握っていても許せるシンガー」とか言われる。
――MVでも思いっきり股間握ってますもんね(笑)。
真行寺 : 周りにそう言われたことで自分の見え方を知りました。その気付きを活かせたのかなと思うし、そういう意味ではふっきれたとも言える。これが自分らしさなのだとしたら、それはどんどん出していった方が良いと思うようになりました。
――いやらしさがないのはなぜだと思いますか?
真行寺 : 夜のお店に行かないから(笑)。
大山・酒井 : (爆笑)。
――でも、『Sparkling Night』はちょっとエロいと思いました。
大山 : こういうセクシーな表現ができる人もなかなかいないですよね。
真行寺 : この曲では、それまで自分が行けなかったところまで行って書けたかなという気がします。それはプロデューサーさんに引き出してもらいました。
――アーバンな感じもあります。歌詞はどこからインスピレーションを得ましたか?
真行寺 : 僕はいつも音ができてから歌詞を書くので、インスピレーションは音の雰囲気です。そこに言葉を乗せていく。
――「シャンパンにダイビング」などの歌詞は、簡単なフレーズだけどあまり思い浮かばない気がします。
「ファンキー」は、合言葉
大山 : すごく良いバンドがたくさんいると思っています。僕らより若くてもしっかりした意志を持っている人がたくさんいて、そこはもう、素直にすごいなあ、という気持ちです。アプローチは違うけど素晴らしいライブを観る機会も多いし。SCOOBIE DOや鶴、田島貴男さんなど、器が違う先輩もたくさんいます。本当にみんなすごいな、というのが率直な気持ちです。でも、僕らは僕らがやるべきことを突き詰めていけばいいと思うし、僕らにしかない魅力もあると思っている。そういう部分を色濃く出していきたいですね。
酒井 : 僕は、たとえば東京スカパラダイスオーケストラさんは観ていてやっぱりえぐられる感じがあります。マインド面ですごくファンキーだし、ああいうひとつのファンクな塊になりたいなと。
――では最後に。今のBRADIOにとって、「ファンキー」とは何ですか?
作品情報
2018.07.04 RELEASE
通常盤(CDのみ)
品番:WPCL-12896
価格:3,000円(税抜)
・収録楽曲(全12曲)
1. Funky Kitchen
2. スキャット・ビート
3. Sexy Lover
4. Boom! Boom! ヘブン
5. きっと遠く キミともっと遠く
6. Sparkling Night
7. Shout To The Top
8. きらめきDancin’
9. INAZUMAジャケット
10. Feel All Right
11. 人生はSHOWTIME
12. LA PA PARADISE
■シングル・アルバム連動特典
デビューシングル「LA PA PARIDISE」、2ndシングル「きらめきDancin’」そして今作メジャー1stアルバム「YES」に付属する『ファンキー応募券』の特典内容も遂に近日公開!
3枚の応募券を手に入れた人だけが応募できる豪華特典にご期待ください!
※『ファンキー応募券』は各CD帯に付いています。
BRADIOオフィシャルサイト
BRADIOオフィシャルTwitter
真行寺 貴秋Twitter
大山 聡一Twitter
酒井 亮輔Twitter
BRADIO『YES』全肯定の傑作を語る合言葉は「ファンキー」はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
関連ニュース
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。