山崎あおい 作家、ユニット、ソロ活
動、ようやく音楽を楽しめるようにな
ったという、25歳目前の心模様

等身大でリアリティのある繊細な歌詞と、軽やかで普遍的なグッドメロディーが同世代のリスナーを中心に支持を集めてきたシンガーソングライター、山崎あおい。近年では、他アーティストへの楽曲提供など作家としても活躍するほか、新ユニットの始動など、充実した活動の中で改めて音楽の楽しさを味わっているようだ。今年8月28日には25歳の誕生日を迎える彼女に、2年ぶりに開催するバースデーライブのこと、そして気になる近況について訊いてみた。
ようやく音楽を楽しめてるなっていう感じ。音楽を始めた頃のキラキラした気持ちを取り戻したっていうか、将来のことを話すのがやっと楽しくなった。
――近況からお伺いできますか? 山崎あおいとしての作品はしばらくリリースしてないですが、最近はどうしてました?
結構、頑張ってました。ここ半年くらいは作家的な活動で忙しくしていた感じですね。自分の活動は、ちょこちょこライブはやっていて。アコースティックツアーで全国を回ったりはしていたけど、あとは制作っていう感じですね。
――以前から「作家活動がしたい。山崎あおいが歌わない様な曲も書きたい」とおっしゃってましたもんね。それがついに実現して、アンジュルム「泣けないぜ…共感詐欺」「Urahara=Lover」、鈴木愛理「ハンコウキ!」と立て続けにリリースされました。
ずっとやりたかったことだったので、すごく楽しかったですね。歌の上手いグループだったので、アレンジもバキバキにしてもらって。あと、アンジェルムの曲は渋谷のセンター街で流れてたんですよ。自分の曲では成し得なかったことだったので(笑)、それも嬉しかったです。
――やりたいことをやれている状況なんですね。
そうですね。去年の今頃はすごく悩んでいたんですけど、その頃と比べると、だいぶ生き生きと、希望を持ってやってるかなと思いますね。
――山崎あおいとして、札幌、名古屋、大阪、東京と回った、今年3月のアコースティックライブはどうでした?
そんなに大きくないキャパでやったんですけど、それも楽しかったですね。楽曲提供だけじゃなく、最近、ユニットを始めて。ギターと作詞、作曲、編曲で、あんまりフロントマンじゃない感じで。2人組で、男の子がボーカルでやっていて、出口がいろいろ増えたことで、“山崎あおい”の活動をあんまり変に気張らなくなったというか。楽しめるようになったので、ツアーも楽しかったです。
――そのユニットについても詳しく聞いていいですか。
モータープールっていうユニットなんですけど。シンガーが男性でピアノを弾いて、女性がギターを弾くっていう、いわゆる男女ユニットとは逆の感じでやっていて。もともと地元の友達のシンガーソングライターなんですよ。彼が北海道から上京してきたので、一緒になんかやりたいねって言ってて。ユニットを組むまでは、楽曲提供をする際の仮歌を頼んでいたんですね。その流れで、彼の声にぴったりの曲ができたので、「自分で歌って配信とかしちゃう?」っていう感じで始まった、趣味みたいなユニットですね。でも、それが自分の中でいいバランスになってると思います。
――出口が3つあるっていうことですよね。楽曲提供、ユニット、山崎あおい、と。
そうですね。楽しいです!(笑)
――(笑)基本的にはインディーズ活動で、DIYという感じなのかな?
どうなんでしょうね。実際はそうでもないんですよ。作家の方とモータープールは事務所に入っているので、事務所に任せきりな感じで。音の面では昔から一緒にやってるアレンジャーもいるので、1人で抱え込んでるっていう感じでもないですね。実は今、アルバムを作ってる最中なんですけど、今までお世話になってきた人がレーベルを繋いでくれたり、エンジニアさんを紹介してくれたりして。ほんとに人の善意で成り立ってるなって思います。
――とても伸び伸びとした、本当に充実した表情をしてますね。ご自身の言葉でいうと、どんな日々を過ごしてますか?
ようやく音楽を楽しめてるなっていう感じですね。昔、音楽を最初に始めた頃のキラキラした気持ちを取り戻した……っていうのも変だけど、最近、将来のことを話すのがやっと楽しくなったのかなっていうのがあります。デビューした頃は、将来のことを考えても、自分が消費されてくようなイメージだったんですよ。デビューしちゃったっていうことは、これからどんどん萎んでいくかなっていう気持ちだったんですけど(笑)。最近は、もっとこういうことがしたいなとか、もっとこういう仕事がしたいなとか、いろいろあって。元気になったなっていう感じですね。
山崎あおい 撮影=鈴木恵
――今は将来をどう見てますか。
大きいビジョンはあんまりなくて。その都度やりたいことがパッと浮かんでは、割と近くにあってっていう感じが多いですかね。ずっと、なにかの作品に関わりたいなと思っていて。音楽以外の映画とか、アニメとか。最近そういう、トータルで音楽に携われる機会もありそうで。まだ情報解禁前なので言えないんですけど、楽しみなことが多いですね。
――作家、ユニット、シンガーソングライターという3つの仕事のバランスはどう考えています?
今、一番夢中になってるのは作家活動ですね。将来的にもそれを柱にしたいなと思っていて。山崎あおいの活動は、売れたいとか、『Mステ(ミュージックステーション)』に出たいとか、メジャーな目標ではなくて。作家でありつつも、自分が表に立ってないとわからないこともあると思うし、私でしか歌えない曲ができることもあると思うので、そういうのをちゃんと律儀に続けていきたいなっていう気持ちがあって。
――山崎さんの声の良さはかけがえがないと思っているので、作家で売れたとしても、歌い続けて欲しいんですよね。
歌い続けたいなとは思ってますね。作家でやっていくって決めたとしても、自分でも歌うことにいい影響があると思うので、続けたい。どっちもの活動が、どっちにもいい作用を起こせばいいなと思っていて。上がっていくときは全部一緒に上がっていくイメージでやってます。
――“ギタ女”(ギター女子)ブームに括られて5年経ちましたが。
今でも新山詩織ちゃんとは仲良くしていて。みんなの状況も変わったし、私も変わったけど、しぶとくやっていきたいですね(笑)。しぶとく! 私は性格的な意味で、あまり表に固執しないというか、スターになりたいっていう気持ちで音楽を始めたわけではなかったので、こっちの方が楽しいなと思って。居場所を見つけたっていう気持ちで楽しめてます。よかったかなって思いますね。ユニットは趣味で気ままに。モータープールでデビューしたいっていうよりは、私は彼の声が好きなので、普通にファンとして聴きたいなっていう気持ちで作っていて。そこに自分がいてもいなくてもいいかなっていうテンションですね。
山崎あおい 撮影=鈴木恵
そう言えば今年初めて親から「孫の顔が見たい」って言われたんですよ。私もそんなことを言われる年齢になったのかって。
――そして、8月28日には恒例のバースデーライブが決定しました。二十歳の誕生日から始めたんですが、去年(2017年)だけなかったんですよね。
そうですね。だから、去年の分もできたらなっていう気持ちで、今年はしっかりやろうと思ってます。
――例年、公約を掲げて、次の年のバースデーライブでどれだけ実現できたかを確認してました。昨年は開催されなかったので、一昨年のバースデーライブでした23歳の公約の結果を聞いておいていいですか。1つ目が「ラッパーになる」でした。
デモは作ったんですけど、ボツにしました。あははは(笑)。Aメロはセリフとラップの間くらいのおしゃれな感じの曲を、自分で歌うつもりで書いたんですけど、これはちょっとさすがに挑戦しすぎだって思って。誰か別の人が歌ってくれたらなっていう状態になってます。
――2つ目の「海外で歌う」は?
歌ってないですね。
――3つ目が「年相応の色気」。
どうですかね。1ヶ月で8キロくらい痩せたんですけどね。今日、スカート履いてるし。でもまだ足りないかな。……3つとも達成してない……口だけでしたね(苦笑)。
――(笑)24歳の1年間はどんな1年でした?
いろいろ変わったなって思いますね。去年、想像してなかったことがたくさん起こったなって思います。個人的な感覚としては、すごくよかった1年という感覚ですね。やっと頑張れる環境が整った感じで。25歳はもっと頑張らないとなって思いますね。
――女子として、この夏に25歳を迎える心境は?
ヤバいです、本当に(笑)。音楽で関わってきた人たちって、遡れば私が15歳くらいの時から知ってるので、もう10年ですよね。だから、今まで私の周りにいた人たちは、私を子供扱いするんですよ。「あおいちゃん、お酒飲めるようになったの?」っていう感じなんですよ、未だに。でも世間に出ると、そうじゃないじゃないですか? 25の立派な大人として見られるので、もうちょっとちゃんとしないとなって思います、ヤバいです。
――どんなところがちゃんとしてないんですか?
いまだに公共料金の支払いを忘れたりするので。そういう、根本的な人間としてのだらしなさもありますし、いろいろ自分でやるようになったから、自分でメールを返したり、ホームページを更新したり。そういうことが本当にできないので、できるようになるのが先か、売れて売れてお金を稼いで人を雇うのが先か。どっちかわからないですけど、後者であればいいなと思います。
――後者でいいの? ちゃんとした大人になる発言したばかりなのに?
諦めてる感じもあるので(苦笑)。あ、そう言えば今年初めて親から「孫の顔が見たい」って言われたんですよ。私もそんなことを言われる年齢になったのかって感激して。あと2~3回言われたらプレッシャーになるかもしれないけど、そういう歳になったのかっていう感激がありましたね。周りにはできちゃった婚の友達も出てきてびっくりしてますし、自分は……結婚願望はあったはずですけど、今は無理ですね……。やっと仕事が自分の力でできる様になってきたかなっていう段階なので、プライベートはちょっと考えられないですね、今は。
――(笑)25歳のバースデーライブはどんな内容になりそうですか。
2年分溜まった気持ちを存分に出し切りたいと思います。マニピュレーターとギターと鍵盤でやるんですけど、アコースティックじゃないライブが久々になるので、テンション高く、“私” が楽しめるんじゃないかなっていう感じです(笑)。来る人も楽しんでもらえたらいいなって思います。
――新曲もやりますか?
今、アルバムを作っている最中なので、バースデーライブで未発表の新曲とかも披露できたらなって思いますね。あと、単純にあんまり大人が周りにいなくなったので、好き勝手にやると思います(笑)。
――好き勝手の一部を教えてもらえますか。
ふざけて書いた曲がたくさんあって。あんまりライブではやってこなかったんですけど、そういうのも、ふざけてできたらなって思います。あと、まだ確定ではないんですけど、別のアーティストに成り切ろうとしている節があって。山崎あおい以外の人格が出てくるかもしれないです。誕生日だし、好き放題に楽しもうかなって思ってます。
――お客さんにはどんな気持ちで足を運んで欲しいですか? 最後にメッセージをお願いします。
久々に私を見てくれる人には、リリースもなく、ライブもあんまりしてなかった、ここ1年くらいの活動を心配させていた部分があると思うので、そういう人たちをほっとさせてあげたいなっていう気持ちがありますね。だから、山崎あおいとしての活動もこれから楽しんでやっていきますよっていうことがちゃんと伝わる様なライブにしたいと思います。初めて来てくれる人には、アンジュルムや愛理ちゃんの曲から私を知った、山崎あおいの歌は知らないっていう人たちには、アイドルじゃないけどこういうのもいいなとか、面白がってほしいなと思います。ぜひ、気軽な気持ちで遊びに来てほしいですね。
取材・文=永堀アツオ 撮影=鈴木恵
山崎あおい 撮影=鈴木恵

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