クミコが新作アニメーションをバック
に「最後だとわかっていたなら」を熱

クミコが、6月30日に東京・EX THEATER ROPPONGIにて<わが麗しき歌物語 Vol.1 ~越路吹雪とクミコの歌たち~>と題したコンサートを開催した。

クミコは、3月7日に最新シングル『最後だとわかっていたなら』をリリース。この曲は2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロで亡くなった消防士の手帳に書かれていたとして、テロの追悼集会でも朗読されたことで注目を浴びた詩を日本語に訳詩し、都志見隆が曲をつけた楽曲。原詩はアメリカ人女性のノーマ・コーネット・マレックが、1989年に10歳の息子を亡くした際に綴った一篇の詩で、原作タイトルは「Tomorrow Never Comes」。アメリカ同時多発テロ以降“世界が涙する詩”として知られるようになった。

クミコ自身も、90歳になる両親を3年にわたり介助する日々を過ごしており、この詩に感銘を受けたことから新曲「最後だとわかっていたなら」を歌っている。そして、6月29日にはこの楽曲のショートアニメーションを公開したばかり。映像は「最後だとわかっていたなら」の歌詩をもとにしながら、介護をする側・介護をされる側の両面からの姿が描かれた介護世代の心を揺さぶる仕上がりで、アニメーションを古川タク、ディレクターを斉藤迅が担当した。

コンサート冒頭、グリーンと白とピンクの鮮やかなドレスで客席より登場したクミコは「ろくでなし」で第1部をスタートさせると「ようこそ暑い中をお越しいただきました。皆様本当にありがとうございます」と挨拶。「1部では越路吹雪さんの歌、そして私が歌っておりました想いの深いシャンソンをお贈りしようと思います。しばらくの間、みなさま楽しいお時間をお過ごしいただきたいと思います」と語って「サン・トワ・マミー」、「イカルスの星」、「ちょっとおたずねします」と3曲続けてシャンソンナンバーを歌唱した。
さらに前半では「愛の追憶」、「ジジラモローゾ」と越路吹雪の楽曲を2曲続けて歌唱。水色のドレスに着替えると、「もうちょっと越路吹雪さんの曲も演りたかったのですが、まだまだ歌いたい曲もたくさんありますので、Vol.2とかVol.3とか、またの機会にと思っております。私は30年くらい前<拝啓、越路吹雪様>というステージを、今はなき青山円形劇場で演ったことがあります。そのときから見れば、越路さんの歌が自分の身に沿うような、自分自身の年齢もまた沿ってきたのかなという風にも思いますし、歌のほうも歌の外側を包むものもだんだんとわかってきたような気もします」と話し、自身が訳詩をつけた「もう森へはいかない」、「愛しかないとき」や、代表作でもある「わが麗しき恋物語」などを歌唱して全11曲で第1部を締めた。
第2部は自身のオリジナル楽曲でのステージ。オレンジ色のドレスで登場すると、最新シングル「最後だとわかっていたなら」でスタートする。新曲について「もともとは原作者のノーマさんが10歳の息子さんを亡くされた時に作られた詩が、9.11の追悼集会で読まれたことから一気に広がった。だんだんこういう局面が増えてきていますから、歌うことが他人事とは思えない。一つになってしまったなと思います」と感慨深げに語った。その後は昨年に作詞家の松本隆とタッグを組んだプロジェクト「クミコwith風街レビュー」の楽曲から「しゃくり泣き」や「フローズン・ダイキリ」を、そして2010年の「NHK紅白歌合戦」で歌唱した「INORI〜祈り~」、中島みゆきのカバー「十年」など歌唱。本編の最後は「生まれて来たことこそすばらしい、という歌です」と紹介して「うまれてきてくれてありがとう」で終了した。

迎えたアンコールではピアノの連弾で「愛の讃歌」を歌唱。さらに「普通はここで終わるのですが、今日は特別編にもう一つあるんです。実は『最後だとわかっていたなら』がアニメーションになりました」と明かし、完成した映像を「ちょっと胸が痛くなったり、詰まったりするもの」と表現。「『生きていくって本当にすごいね』と思える、そんな風なアニメーションになっています。そんな歌になればいいなと思います」と述べてからアニメーションをバックに「最後だとわかっていたなら」を熱唱し、大喝采の中コンサートを締めくくった。

クミコは、EXシアターのコンサートが完売につき、10月には東京・Billboard Live TOKYOでのライブも決定している。

<わが麗しき歌物語 Vol.1 ~越路吹雪
とクミコの歌たち~>

2018年6月30日(土) @東京・EX THEATER ROPPONGI
セットリスト
<第一部>
1. ろくでなし
2. サン・トワ・マミー
3. イカルスの星
4. ちょっとおたずねします
5. 愛の追憶
6. ジジラモローゾ
7. もう森へはいかない
8. 愛しかないとき
9. わが麗しき恋物語
10. 最後の恋
11. 幽霊
<第二部>
12. 最後だとわかっていたなら
13. しゃくり泣き
14. フローズン・ダイキリ
15. INORI~祈り~
16. 何度でも恋に落ちましょう
17. 十年
18. 広い河の岸辺
19. 百万本のバラ
20. うまれてきてくれて ありがとう
En1. 愛の讃歌
En2. 最後だとわかっていたなら

<An Evening with クミコ ~sings Eu
ropean Songs~>

日時:10月14日(日)16:30〜 / 19:30〜
会場:東京・Billboard Live TOKYO
出演:クミコ(vo) / 藤原昌生(ピアノ) / 谷源昌(ベース) / 足立浩(ドラムス)他
料金:サービスエリア 8,500円 / カジュアルエリア 7,500円(1ドリンク付き)
発売:Club BBL会員先行 8/1(水)11:00 / 一般予約受付開始 8/8(水)11:00
問:ビルボードライブ東京 03-3405-1133

ニューシングル『最後だとわかっていた
なら』

2018年3月7日発売
COCA-17418 / 1,204円+税
[ 収録楽曲 ]
「最後だとわかっていたなら」
 原作:ノーマ コーネット マレック 訳:佐川 睦
 歌詞構成・作曲:都志見 隆 編曲:武部聡志
c/w「何度でも 恋に落ちましょう」
 作詞:小山田美里亜 作曲・編曲:EDISON

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