【インタビュー】BRADIO、ファンキー
&エモーショナルでキラリと光る楽し
さを詰め込んだ1stアルバム『YES』

新世代のファンキー&エモーショナルなバンドとして大きな注目を集めているBRADIOが、メジャー1stアルバム『YES』を完成させた。王道的なブラック・ミュージックのテイストと様々なジャンルの要素を融合させ、さらにキャッチーなメロディーを乗せるという手法が採られた彼らの楽曲は個性的であると同時に非常に魅力的だ。昨年のドラマー脱退という危機を乗り越えて、さらなるパワーアップを果たしたBRADIOの全員インタビューをお届けしよう。
■BRADIOの活動を通して得たものを活かして
■今までの自分たちをさらに超えたものが作りたい

――7月4日に、メジャー1stアルバム『YES』がリリースされます。テーマやコンセプトなどはありましたか?

真行寺貴秋(以下、真行寺):テーマは、特になかったんです。僕らはいつもそうで、作品のタイトルも後からつけることが多いんですよ。今回の制作に入る前に思っていたのも、メンバーそれぞれが今まで聴いてきた音楽や、BRADIOの活動を通して得たものを活かして、今までの自分たちをさらに超えたものが作りたいということだけでした。

大山聡一(以下、大山):僕らはいつもとにかく曲をたくさん作って、その中でキラリと光るものを選んでいくんですけど、今回も同じで、ネタをかなり作りました。いろんなタイプの楽曲をやりたいという気持ちがあるし、短期間に集中して曲を作るときは一つネタを作ったら、次はちょっと違う毛色のものをやりたいという気持ちになるんですよ。なので『YES』は、結構バリエーションに富んだアルバムになりました。

酒井亮輔(以下、酒井):いろんな曲が入っているし、どの曲も気に入っています。その中でも特に好きな曲をあげるとしたら、「Sexy Lover」ですね。この曲はどう仕上げるか決まっていない状態だったので、スタジオで音を出しながら正解を探していく感じになったんです。そうしたら、とりあえずドラムがすごいビートできたので、これはヤバいことになりそうだなという予感がして。そこからみんなで丁寧に組み立てていった結果、自分たちの予想を超えた曲になりました。

――「Sexy Lover」は、王道的なブラック・ミュージックをベースにしつつ、現在の感覚にフィットする良質なシティ・ポップに仕上げていますね。

酒井:そう。ミックス次第では……たとえば、ドラムとベースをもっと出して洋楽っぽいテイストにもできたけど、それをやってみたらしっくりこない感じだったんです。やっぱりポップスにしたかったので、歌をメインにして、後ろに黒っぽい要素があるという形に落とし込みました。

大山:「Sexy Lover」は、どうなることか…というのはありましたね。最初は全然こういうグルーブではなかったんです。

真行寺:すっげぇ、ダサかったよな(笑)。

大山:う、うん(笑)。いや、すごく“いなたい”ものを一個やりたいと思ってオケを作ったんですけど、サビは今のメロディーが乗っていたんですね。サビのコード進行が自分的にめちゃくちゃ気に入っていて、これは活かしたいというのが自分の中にあったんです。で、、曲の素材をいろいろ並べてみんなで聴いているときに、「この曲のサビ、めっちゃいいね。でも、そこに至るまでが、まるでダサいな」という話になって(笑)。それで、サビ以外は大幅に作り替えました。

真行寺:良い感じになってよかったです。「Sexy Lover」の歌詞はタイトルどおり、かなりセクシーになっています。本当はここまで振り切らないでおこうかなと思っていたんですけど、プロデューサーの方や作詞家の方とお話させていただく機会が今回ありまして。そこで、自分では見えていなかった自分の像みたいなものを指摘されたんです。「ステージでは、(真行寺)貴秋はこういうふうに見えているよ」とか、こういうふうに、あるべきだと思うよということを言われたときに、自分が思っていたのと全然違っていたんですよ。そのうえで、「セクシーだったり、下世話だったりするものをスマートに歌えるシンガーはいないけど、貴秋だったらそれができる」と言ってもらえたんです。だったら振り切ろうと思って、「Sexy Lover」の歌詞を書きました。
▲1st Album『YES』初回限定盤(CD+DVD)
▲1st Album『YES』通常盤(CD)

――“セクシーな歌をスマートに歌える”というのは、そのとおりだと思います。

真行寺:本当ですか? じゃあ、次作はもっと際どいヤツに挑戦します(笑)。

大山:いいねぇ(笑)。今回のアルバムで、僕の中で印象が強いのは「Funky Kitchen」ですね。この曲ができたときに、アルバムに対する安心感が持てたんです。自分たちはこういうものができるようになったんだ、ついにこれがやれるかと思って、めっちゃ嬉しかった。今回のアルバムはグルーブがスクエアではなくなっていて、それがめちゃくちゃカッコいいと思うんですよ。今まではわりとビートがスクエアで、生だけどちょっと打ち込みに近い感じだったりしたけど、今回はかなり“息吹き感”がある。特に「Funky Kitchen」や「Sexy Lover」は、対流する感じのグルーブがしっかり表現できているんじゃないかと思います。そこを今まではギターのコード・ワークなどに頼っていた部分があって、それはそれで良かったけど、コード・ワークに頼らなくても表現できることに気づいたときに、これはもう無敵なんじゃないかなと思いました。それに、「Funky Kitchen」はタイトルや歌詞も良いと思っています。

真行寺:この曲は“どんな音楽も僕らが料理してさしあげます”ということを歌っているんですけど、キッチンという言葉がどこから出てきたのかがわからない。僕は作詞ノートみたいなものを作っていて、それを見返していたら“キッチンを比喩する”みたいなことが書いてあったんです。どこから、そういう着想が湧いたのかがサッパリわからないんです(笑)。でも、これいいなと思って、使うことにして。「Funky Kitchen」はオープニングにしたいということだったので、アルバムに入ってきた人たちをBRADIOがもてなすという歌詞にしたいと思って書きました。

酒井:「Funky Kitchen」の歌詞は、ライブの導入としても最適だと思う。

真行寺:そうだね。僕は今回の中で1曲あげるとしたら、「きっと遠く キミともっと遠く」です。これは、もともと全然違う曲のAメロに4小節間のフレーズがあって、個人的にそれがすごくいいなと思っていたんですよ。それで、その4小節を僕が勝手にずっとくっつけて、そこに歌メロを乗せたんです。そこからがすごいなと思ったけど、さすがに4小節間ずっと同じフレーズを繰り返しているのをバンドでやるのはどうなんだろうと思っていたんですよ。でも大逆転があって、バンドでもこういうことができるんだとわかった。この曲を作ったときにBRADIOというバンドは本当になんでもできるなと思いましたね。ただただ単調だった4小節間が見事に生まれ変わって、ちょっと感動しました。
▲真行寺貴秋

――BRADIOの懐の深さを感じます。「きっと遠く キミともっと遠く」は、少年を思わせるピュアな歌詞もポイントといえます。

真行寺:この曲はちょっとキラキラした感じがほしいということと、ストレートなものがいいなというのがあって。だから、あまりなにも考えず、スラスラッと書いた感じです。ただ、曲ができた過程を踏まえて、なんでもないところから何かが生まれるということを表現したくて、溢れ出したアイディアがどんどん笑顔に変わったり、一人のアイディアがどんどん街を作っていく、景色を作っていくみたいなことが伝わる歌詞にしたいというのはありました。

――『YES』は、皆さんが音楽を楽しんでいることが反映されてアッパーさや煌びやかさが増幅されていることがわかります。今あげた曲以外にも注目曲はたくさんあって、たとえばシャッフル・ビートと気持ちを駆り立てられるサビ・パートを活かした「スキャット・ビート」などは本当に魅力的です。

酒井:これは、(大山)聡一がネタを持ってきてくれて、最初に聴いたときからメチャクチャいいじゃんと思いました。

大山:これは、ギターロックというよりはちょっと土臭い感じにしたいという話をみんなでして、そういう方向に持っていきました。歌を乗せるのが難しいかなと思ったけど、すぐにメロディーも乗ったんですよね。「スキャット・ビート」は、アルバムのいいフックになっているんじゃないかなと思います。
▲大山聡一

――“音楽で飛ぶぜ”ということを歌いつつ“楽しいだけ 苦しいだけの人生と思うなよ”というメッセージを込めた歌詞も秀逸です。

真行寺:そういう歌詞の書き方を、今回教わったというか。「Boom! Boom! ヘヴン」なんかは特にそうで、アッパーな中に“一瞬にかけてる花火でいたい”という言葉が入っているんですよね。今までだったら全編バカ騒ぎで書いていたけど、ちょっとヒヤリとする瞬間だったり、一回パーティーから引き戻すようなところを作ったほうがいいというアドバイスをいただいたんです。そういう手法を採ってみたら、いいという声をたくさんもらったので、今後はそこも突き詰めていきたいです。

酒井:エロいものはよりエロく、深いものはより深くだね(笑)。

真行寺:そうそう(笑)。
▲酒井亮輔

――今後も楽しみです。ブラック・ミュージック感が希薄で、独自のメロウなテイストをフィーチュアした「Sparkling Night」も印象的です。

大山:「Sparkling Night」は、元々はチャラチャラッと鳴っているギターと歌メロだけのデモがあって、僕の中では最終形が見えなかったんですよ。周りが「この曲いいからあげよう、あげよう」と言っていて形にすることにしたんですけど、やっぱりなかなか見えてこなくて。アレンジで、だいぶ紆余曲折しましたね。もうちょっとグルービーなほうがいいのかなとか、もうちょっと曲の展開があったほうがいいのかなとか、テンポ・チェンジしたらどうだろうとか散々いろんなことをやって、最終的になにもしないことになったという(笑)。この曲は、(酒井)亮輔がフレットレス・ベースを使いたいと言い出したのが大きかったですね。プリプロでフレットレスの音を聴いたときに、“ああ、これで大丈夫だな”と思いました。

酒井:いろんなことを試したけど、曲の雰囲気そのものが大きく変わることはなくて。そういう中で、フレットレス・ベースが合うかなと思ったんですよね。試しにやってみたら、すごくいいんじゃないかということになりました。

真行寺:「Sparkling Night」は、ロマンチックな雰囲気のストレートなラブソングになっています。この曲の歌詞は、仮歌詞がそのままという感じなんですよ。本当になにも考えずに書いたら、みんながそれが良いと言ったんです。曲を仕上げるのに散々時間がかかったのに、歌詞はスンナリという(笑)。自分としては特にサビがそうですけど、この曲はメロディーに対する言葉のハマりがすごくうまくいったと思います。
■セオリーチックではないですね、うちのバンドは
■というか、セオリーはない(笑)

――この曲のサビは本当に心地好いです。ロック感の強い「INAZUMAジャケット」もBRADIOの幅広さを味わえる1曲といえますね。

大山:これは、かなり異色というか独特だと思います。かなり、ふざけた感じというか(笑)。BRADIOはすごくファンキーでグルービーだとか言っていただけるようになってきた中で、自分のルーツを活かした曲もやりたいという気持ちがあって。僕は元々エモ系やパンクもすごく好きで、そういう部分をBRADIOで出すのは面白いんじゃないかなと思ったんです。バンドの基礎の部分のレベルがかなり上がってきているので、こういうものがキャパシティーに入ってこられるようになったんですよね。その結果、「INAZUMAジャケット」は面白いものになったなと思います。

酒井:「INAZUMAジャケット」は「Sparkling Night」の逆バージョンというか。聡一は「Sparkling Night」のギターでかなり悩んでいたんですけど、この曲はベースもかなり迷いました。最終的なギターのアレンジをしてもらって、返ってきたのを聴いたら結構ハチャメチャやっているなという感じだったんですよ。それで、とりあえずベースはデモに近いアプローチでいくことにしたけど、ちゃんと楽曲として成立するのかなという不安があったんです。でも、実際に録ってみたら楽曲の芯がしっかりしているから、なにをやっても大丈夫だという感覚になりました。ドラムとベースだけで聴いたときは、ヤベェなという感じだったんですけど(笑)。この曲を録ったときは、どんな曲をやってもBRADIOになるなと思いました。

――たしかに「INAZUMAジャケット」のベースは他の曲とニュアンスが違っていて、ニューウェイブっぽい印象を受けました。

酒井:そう言われれば、そうですね。わりとスクエアに近くて、ウネっているというよりはタイトかもしれない。ただ、ニューウェイブということは意識していなかったです。楽曲に呼ばれて、自然とそうなったという感じですね。
▲1st Album『YES』初回限定盤(CD+DVD)
▲1st Album『YES』通常盤(CD)

――「INAZUMA ジャケット」もいろいろな要素が重なって、独自のものになっています。ベースの話が出ましたので、続いてプレイに関する話をしましょう。それぞれ今作を録るにあたって、プレイや音作りなどでこだわったことは?

酒井:今回は全編を通して、よりグルービーなベースが弾けたなという印象がありますね。本当に楽しくレコーディングできたし、ドラムが変わったことでドラムのビートも音も前とは違い、そこがすごく刺激になった。引き出しの多いドラマーなので、それに合わせて本当に微妙にベースの音を変えていったりしたんです。プリプロのときはドラムは打ち込みでやっているので“ビシッ!”とした感じで、今まではそれを目指して、きれいに録っていこうというやり方だったけど、今回は全くそういうことがなくて。現場のアイデアがたくさん反映されています。

――現場で対応できるのは、さすがです。今作のベースはグルーヴーという芯を一本通したうえで「Boom! Boom! ヘヴン」のラテン・ノリや「Sparkling Night」のフレットレス・ベースを使ったしなやかなプレイ、スクエアな「INAZUMAジャケット」など、曲調に合わせて幅広さを見せていますね。

酒井:でも、前ほどあちこちに行っている感覚はなくて。一本芯を通したうえで幅を出すということがちゃんとできたことを感じて、それが自分の中で自信になりました。

大山:ギターは、毎回楽曲の中での立ち位置を考えるんですよ。今までは自分の性格的なものもあると思うけど、そうなっているべきものが、そうなっていないのは嫌だというところがあったんですね。でも、ギターの下にいるドラムとベースがこうなっているからギターはこう聴こえるはずだというところでギターのフレーズを考えていたのに、録ってみると“あれ? 思っていたようなギターに聴こえないな”ということが多かったんですよ。今回は、どの曲もイメージどおりにギターがハマっていって快感でした(笑)。それに、前は絶対にこのフレーズじゃないとダメだというものを見つけないと気がすまなかったけど、今回はこのフレーズじゃなくても大丈夫かなということも多かった。ここはこれでいいんじゃないかという感覚になれたというのはありましたね。

――ギターに関しては、楽曲が必要としているギターでいながら、ギタリストとしての顔も見えるというのがいいなと思いました。

大山:そういうものにしたいという思いがあったんです。ギタリスト目線で楽曲を見ると、この人が弾けばどんなものでもこの人になるというパターンと、楽曲のために楽曲にフィットするギターを弾くというパターンがあって。どっちがいいんだろうと考える瞬間が結構あるけど、ギタリストとしては前者のほうが絶対いいんですよ。その世界を少しずつ目指していきたいという気持ちがあると同時に、でも楽曲を総合的に見たいという気持ちもあって。今回は、そういう状態で制作に入っていきました。

――それが、いい方向に出たと感じます。たとえば、ファズ・トーンで洗練感のあるフレージングを行っている「スキャット・ビート」のギター・ソロなどは、楽曲に対するマッチングと個性を両立させています。

大山:あの曲は、7thっぽいリフをやりたいというのが自分の中にあったんです。7thっぽいリフがあって、サビでマイナーに落ちるというのはBRADIOにすごくハマるスタイルのひとつとしてあるんですよ。そういう中で、「スキャット・ビート」みたいに、ベースの前振りがあってギター・ソロという流れの曲は意外となかったんですね。だから、このソロはもうブッ飛ばすしかないなと思って(笑)。それで、フェンダーのチャンプ(ギターアンプ)を借りてきて、ファズを通してシングルコイル・ギターで録るみたいな。こういう音で、こういうフレージングだけど、レスポールは使わないよということを、やりたかったんです(笑)。
――センスの良さを感じます。「INAZUMAジャケット」の荒々しいギターや「Feel All Right」のフュージョンっぽいギターもなども聴き逃せません。

大山:「INAZUMAジャケット」は、昔の自分は本当にああいうスタイルだったので、その頃の自分の感覚を引っぱり出しました。特に、アウトロのギター・ソロとかは、完全にロックですよね。BRADIOというバンドから受けるであろうイメージからは、全くかけ離れているという(笑)。あのソロはさすがにプリプロのときに、みんなに聞きました。これ、許されるのかなって(笑)。

酒井:いや、あれは純粋にカッコいいよ。

真行寺:そう。こういう要素があってもいいんじゃないかなと思った。

大山:みんなの心の広さに救われました(笑)。「Feel All Right」は、楽曲のテイスト的にもフュージョン寄りのコードワークだったりするというのがあって。ただ、僕はフュージョン畑の人間ではないので、転調が多い曲に対する自分なりのリード・アプローチを、わりと実験的にやってみました。グルービーなバンドの中では、うちはめちゃくちゃギター・ソロが多いと思うんですよ。僕自身は、この曲はギター・ソロはなくてもいいんじゃないかと言うことが多いんですけど、メンバーも、プロデューサーも「いや、ソロ弾こうよ」と言うんです。それで、「じゃあ、いかせていただきます」という(笑)。そういう意味では、セオリーチックではないですね、うちのバンドは。

酒井:というか、セオリーはない(笑)。

真行寺:そうだね(笑)。歌は、純粋に楽しかったなというのが録り終わった時の印象でした。今回は個人的に、歌にしても、歌詞にしても目標を持って取り組んだアルバムだったんですよ。もっと明確に自己表現をして、BRADIOでしか聴けないようなものを作りたいと思って。それで、メインのシンガーという部分と、バック・ボーカルの部分と、楽器のような側面の声という三つに分けて、それぞれに力を入れることにしたんです。プリプロの段階から細かく作り込める時間もあったので、歌と向きあう時間はすごく多くて、アルバム全体を通していい歌が歌えたんじゃないかなと思います。

――力強いところはより力強く、繊細なところはより繊細になっていて、表現力にさらなる磨きがかかっています。それに、リズムの良さもさすがです。

真行寺:ありがとうございます。リズムに関しては、さっき話が出たようにプリプロは打ち込みのドラムでやっていたので、本番はグルーブが全然違っていて。それで、現場で気持ちいい歌のリズムを探ったりしながら録っていきました。メンバーもグルーブに関してはしっかり言ってくれるので、勉強になった部分もたくさんありましたね。

――リズムがいいといってもカチカチした歌ではなくて、弾力感があることが魅力です。それに、「Shout To The Top」ではラップを披露していますね。

真行寺:ラップは、ちょっと避けている部分があったんですよ。本家の人たちから“お前ふざけんなよ”みたいな感じになるのは嫌だなと思って。「バトるか?」とか言われたら困るなと(笑)。でも、個人的にはラップもすごく好きで、やらないままで終わってしまうのはもったいないと思ってトライしました。ラップはメロディーよりもメッセージを乗せやすいというのがあって、逆にいえば自分の中に発したいメッセージや意見がないとできないんですよね。そういうところで、ちゃんと自分のことを信じて、それを作品にしているヒップホップの人たちはすごいなと思う。「Shout To The Top」でラップをやって、それを痛感しました。ラップには可能性を感じたので、今後も機会があればやってみようかなと思います。

――また一つ新しい扉を開かれましたね。さて、『YES』はブラック・ミュージックをベースとしながら様々なジャンルの要素を採り入れて、独自の良質なポピュラリティーを持った一作に仕上がりました。『YES』を携えて9月~10月にかけて行う2マンツアー、その後に続くワンマン・ツアーも必見といえます。

酒井:ツアーはアルバム曲がメインになってくるだろうし、今の体制になってから初めてのワンマン・ツアーなので、ちょっと未知数のところがあるんですよ。でも、不安は全然なくて、今のBRADIOをすごく見てほしいです。新曲はライブでも映えるだろうし、過去曲もよりいいニュアンスで聴かせられるようになってきているから。それに、今までどおり仕掛けとかもいっぱい盛り込んだワンマンをやっていこうと思っているので、ぜひ遊びにきてください。

大山:BRADIOのことを、本格的なファンクバンドで敷居が高いみたいに思っている人がいるみたいだけど、『YES』を聴いてもらえばそうじゃないということがわかってもらえると思います。とくにライブはできるだけハードルを低くしたくて、高尚なことを提示したいとかはいっさい思っていないし、踊ることを強要する気もまったくない。キャッチーな曲を楽しくやっている生のBRADIOに触れて、それぞれの楽しみ方で楽しんでもらいたいなと思っています。特に今回のツアーは会場のサイズ感もいろいろで、ギュッとしたライブハウスもあれば、NHKホールみたいな広いところもあるので、いろんな世代のいろんな人にタイミングがあうところでフラッと遊びにきてほしいですね。あとは、今回のレコーディングや最近の活動の中でメンバーに自信がついたり、より成長した部分があって、それは必然的にステージに出てくると思うんです。なので、その辺も楽しみにしていてほしいです。

真行寺:今回のアルバムは守りに入らずに結構攻めた曲がたくさんあるので、ライブはいい雰囲気の緊張感が出るんじゃないかな。そういう中で、“バシッ!”と決まったときの爆発力というのは、会場全体を巻き込むエネルギーを持ったものになると思うんですよ。それを味わってほしいから、もう毎回そういうライブになることを目指していきます。

取材・文●村上孝之

リリース情報

1st Album『YES』
2018.07.04 RELEASE
初回限定盤(CD+DVD)
品番:WPZL-31474/75
価格:3,800円(税抜)
*初回限定盤付属DVD収録内容
シングル「きらめきDancin'」購入者限定イベント『きらダン・ナイト@東京』のライブ映像を収録
通常盤(CD)
品番:WPCL-12896
価格:3,000円(税抜)
1. Funky Kitchen
2. スキャット・ビート
3. Sexy Lover
4. Boom! Boom! ヘブン
5. きっと遠く キミともっと遠く
6. Sparkling Night
7. Shout To The Top
8. きらめきDancin’
9. INAZUMAジャケット
10. Feel All Right
11. 人生はSHOWTIME
12. LA PA PARADISE

ライブ・イベント情報

<YES Release tour 2018 ~ORE to OMAE de BOOM BOOM BOOM~>
09.08 SAT
熊本県・熊本B.9 V1
act BRADIO / UNCHAIN
09.09 SUN
鹿児島県・鹿児島CAPARVO HALL
act BRADIO / UNCHAIN
09.15 SAT
京都府・KYOTO MUSE
act BRADIO / OKAMOTO'S
09.16 SUN
鳥取県・米子 AZTiC laughs
act BRADIO / OKAMOTO'S
09.22 SAT
高知県・高知X-pt.
act BRADIO / Creepy Nuts
09.23 SUN
兵庫県・神戸太陽と虎
act BRADIO / 夜の本気ダンス
09.29 SAT
岩手県・盛岡CLUB CHANGE WAVE
act BRADIO / 感覚ピエロ
09.30 SUN
福島県・郡山CLUB#9
act BRADIO / 感覚ピエロ
10.06 SAT
静岡県・静岡窓枠
act BRADIO / UNISON SQUARE GARDEN
10.08 MON
石川県・金沢EIGHT HALL
act BRADIO / グッドモーニングアメリカ
10.13 SAT
長野県・長野CLUB JUNK BOX
act BRADIO / BLUE ENCOUNT
10.14 SUN
群馬県・高崎FLEEZ
act BRADIO / BLUE ENCOUNT

<YES Release tour 2018 ~ORE to OMAE de BOOM BOOM BOOM~>
ワンマンツアー
10.20 SAT
広島県・広島CLUB QUATTRO
10.21 SUN
香川県・高松MONSTER
10.27 SAT
福岡県・福岡DRUM LOGOS
11.03 SAT
新潟県・新潟LOTS
11.04 SUN
宮城県・仙台darwin
11.10 SAT
北海道・札幌PENNY LANE24
11.16 FRI
愛知県・名古屋DIAMOND HALL
11.18 SUN
大阪府・なんばHatch
11.22 THU
東京都・NHKホール

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