NEIGHBORS COMPLAIN シングル「In O
ur Life Steps」に込めた想い ーー
“ヒットチャートNo.1”への新たなス
テップ

大阪発のR&Bバンド・NEIGHBORS COMPLAINが、7月4日(水)にニューシングル「In Our Life Steps」をリリースする。ストリートで磨き上げたライブ力と、ブラック・ミュージックへの溢れるルーツ愛をミックスさせたサウンドで注目を集め、前作「Life Goes On」をリリースして以降は初のロングツアーや海外フェスへの出演など、めまぐるしく新たな経験を積み、着実にステップ踏んできた。そんな彼らの状況ともリンクする新曲「In Our Life Steps」は、壮快なサマーチューンとなっている。また、カップリングでは、結成当初から披露してきた「Gotcha Feelin'」がファン待望の音源化となった。今回のインタビューでは、リリースまでの期間を振り返りながら、楽曲へ込めた想いを語ってもらった。
――シングル「Life Gose On」のリリース前にインタビューでSPICEに登場いただいてから約8ヶ月。リリース後から今日までを振り返ってみていかがですか?
Taka(Dr):あっという間ですね……。この4月と5月には、初のロングツアーで全国12か所をまわったりフェスに出たりと、初めて行く場所やバンドにとって新しい出来事が多い日々でしたね。
Oto(Vo&Key):もうそんなにも経つのか……。内容の濃い1年やったなぁ。
――初めて長期間のツアーを巡ってみて、いかがでしたか?
Oto:単純に演奏面と精神的が、メンバーみんな強くなったと思います。
Gotti(Gt):これからひとつずつ経験を積み重ねていきながら、新しい1歩を踏み出していきたいなと思うキッカケにもなったツアーでした。
Taka:メンバーの絆というか、一体感も増しましたね。いつもならライブが終わると家に帰って、それぞれリセットすることになるのが、ツアー中はずっと車で一緒に移動したりと共に過ごす時間が長かったですから。
Neighbors Complain 撮影=森好弘
――2016年には、ロサンゼルスでのレコーディングも経験されていますが、その時に一緒に過ごした時間とはまた違ったと。
Oto:全く違いましたねぇ…。
Kash(Ba):ロサンゼルスでの時間は、“良いレコーディングにしような”ともっとラフな感じというか。今回は、毎日がライブに直結していたので、どんどん洗練されていく感じがしましたね。
Oto:今回のツアーから、毎回ライブを映像で撮ってみんなで見直したりするようにもなったので、それの影響もあるかもしれないですね。
Kash:たしかに、それを機に演奏面だけでなく、見え方とかもより考えるようになりましたね。
Oto:そうそう。意識的な部分も凄く変わった。
Taka:今までは音声だけやったもんね。それを動画に変えてみました。
Oto:影響を受けてきたアーティストと同じようなライブを、気持ちでは自分たちもできてると思っていたんですけど、実際に動画で見直してみると“ちょっと違うなぁ”と相違に気づくキッカケになったんですよね。そうやって動画を見直しながら、意見を出して話し合う機会が凄く増えましたね。
Taka:見返して反省して、その相違を演奏もパフォーマンスも修正していくことを心がけたツアーでした。なので、今までとはまた違った、洗練させていくような時間を過ごせていたんだと思います。
――前回のインタビューで、結成当初にストリートライブをしていた頃は、バンド名も決まっていなくて音源も無いから、聴いた人が調べたり聴きなおしたりすることができなかった時期もあったと仰っていましたよね。その頃に比べると、昨年7月にアルバム『NBCP』を、それから新作「Life Gose On」をリリースした後に各地を巡るロングツアーなので、事前にバンドのことを知って来てくれているという人たちが多かったのでは?
Gotti:そうですね。初めて行く場所でも、リリース前に比べると新しいお客さんが沢山来ていただけたのは本当にうれしかったですね。リリース後に聴いて、気に入ってくれた人たちが広げてくれていたからなのかなって思うと余計に……。新しい場所にツアーで行くたびに、たくさんの人が僕たちの音楽を気に入って応援して、広めてくださってるんだなと実感することができました。
Kash:曲を知ってライブに来てくれる人が増えたからこそ、一緒に歌ってくれたり、踊ってくれたりするのがステージから見ていても分かるんですよ。そういった様子を見ていると、自分たちのリリースした音楽を聴いて来てくれているんだって、より実感できたところはありますね。
Neighbors Complain 撮影=森好弘
――バンドにとって新しいことといえば、FM YOKOHAMAでレギュラー番組『NBCP』(毎週火曜 25:30~26:00)がスタートしたり、5月には『METOROCK 2018』に出演するなど、これまでに比べてフェスの出演も今年は増えて、より知ってもらう機会が増えてきている印象です。
Gotti:そうですね。フェスに関して言うと、個人的にはストリートでライブをやっていた時の感覚なんです。すごく音楽が好きな人達が集まって、みんなそれぞれに目当てのバンドさんがいるのがフェスだと思うんですけど、僕たちのことを知らない人が沢山いる中で、僕らが演奏して気になったら集まって来てくれて、立ち止まって聴いて下さるんです。それってまさに、僕らがずっとやってきたストリートに近いものがあるんですよね。凄くいいライブをすれば、響く。だから、変に力が入ってしまうことがあるんですけど、それも含めてフェスは楽しいんですよね。
――初じめて聴く人たちを巻き込んでいく、ストリートの経験が生きていると。そういうストリート時代の感覚が生きているなと感じる場面って他でもありますか?
Kash:どんな環境でも、どんな状況でも、僕らがやりたいことができる強みがそうかもしれないですね。ストリートでは十分な機材でライブができるわけでないので、その環境や機材に左右されずに最大限の表現ができるというのは、ストリートの経験が生きているところだと思います。
――これまでとはまた違った環境といえば、3月に出演されたジャカルタの世界的フェス「JAVA JAZZ FES.2018」もそうですよね。
Gotti:世界的なすごいアーティストがたくさん出演されているフェスなので、僕たちの出演が決まった時は、プレッシャーを感じてすごくギターを練習しましたよ(笑)。練習して、練習して、練習して……。最終的には、「僕たち4人でできることをやるしかないな」と思って、それで勝負することにしました。当日を迎えてみると、僕たちのライブをたくさんの方が観に来てくれて、どんどん増えて行って! 個々の演奏では世界一流のアーティストたちには敵わないかもしれないですけど、4人で一丸となってやったライブは負けてなかったなと、そう思えるぐらいの自信にも繋がりました。
Taka:それこそ、海外では僕たちのことを知ってくれている人がまだほとんどいないので、本当にストリートでやっている感覚でした。だけど、しっかりとお客さんからの反響があって、ちゃんと伝わってるんやなと。
Kash:日本語の曲が多いのに、言葉が通じないジャカルタでもきちんと伝わって。僕たちが出演したステージが、円形ということもあって、四方八方にお客さんに囲まれるんです。ライブが進むごとに、お客さんがお客さんを呼んでどんどん増えて大きな渦になっているというか。周りを見ると、みんながワーって盛り上がってくれていたのは嬉しかったですね。
Oto:言葉の壁は、すごく不安材料でした。それでも手を振ったり踊ってくれてる姿を見ると、自分たちがやってきたのは間違いじゃなかったんやなと再認識できたライブになりました。
Neighbors Complain 撮影=森好弘
――Otoさんは、海外で活躍したい一心から英語詞の曲を作っていたけど、葛藤した末に日本人として表現できることを着飾らずに伝えたいと思うようになり、日本語の曲を作るようになったと仰っていましたよね。そういった背景があるからこそ、今回のジャカルタのフェスでとても盛り上がったと聞いて、グッときました。Neighbors Complainの音楽が、日本語で歌っていることが、海外の人にも通用することを証明できたということですもんね。
Taka:たしかに!
Oto:そうなんです。日本語でも勝負できるんやなと実感できた。そういう意味でも、とても良い経験になりました!
――ツアーにフェスへの出演と濃厚な経験を重ねて、いよいよ7月4日にはニューシングル「In Our Life Steps」がリリースされます。この曲の制作はいつぐらいから?
Oto:ツアー中ぐらいですかね。みんなで新曲を書こうと、ツアーを回ってる最中に曲を作っていました。それから、ツアー後に曲出し会議をやって、みんなで書いてきた曲の中から絞った感じです。それから選んだ曲をみんなでスタジオに入って、磨いていって、4月の末にはレコーディングしました。
――今回は夏のリリースということもあり、爽快な夏のラブソングになっていますよね。
Oto:今まで恋愛の曲ってあまり作ってこなかったのですが、今回は夏の恋の始まりからひとつひとつステップを重ねていくストーリーをイメージして作ってみました。頭から映画を観ているような、ストーリーになっているんです。“好き”とか“愛してる”といった感情的な言葉を使わずに、いかに感情を表現できるかということに挑戦してみました。具体的に書きすぎないことで、聴く度に違った角度から聴こえたり、違ったイメージが浮かんでくるような曲になってほしくて。聴く人によって、“前は自分の恋愛と重ねていたけど、5年後、10年後にはまた違って聴こえる…”みたいな、そんな曲になればいいなという想いを込めてこだわっています。
Kash:単純に夏っぽい爽快感だけでなく、ステップを踏んでいく自分たちの今の状況とか、様々なキーワードが噛みあった曲に。その中で、4人の想いやそれぞれがツアーの経験も踏まえながら形作ることができるエッセンスを1曲に込めることができました。
Gotti:そう。恋のステップと、自分たちもひとつひとつステップアップしていけたら、という想いも重ねているんです。サウンド面でいえば、どうすれば夏っぽさが出るかなと話し合って、爽快感だったり涼しさをアコースティックギターで出してみたり。曲の冒頭にヴォコーダーを入れてみたりと試行錯誤しながらレコーディングしましたね。
Kash:ヴォコーダーなんて、レコーディングの当日に入れようかって思い浮かんでね。
Oto:アコースティックギターのどこか有機的な音と、ヴォコーダーのデジタルで無機質な音がうまいこと組み合わさった楽曲になってると思います。
Taka:当日のアイディアでいえば、間奏のところでラテンフィールなクラップを入れているところもそうですね。みんなでクラップの音を増やしていくことで、大サビに向かう盛り上がりに繋がってると思います。
Neighbors Complain 撮影=森好弘
――カップリングには、結成初期のライブから披露している「Gotcha Feelin'」が収録されています。
Oto:これには僕なりの想いもあって。一番最初からライブで披露してきた曲なので、ずっと一番いいタイミングで出したいなと思っていたんですよ。今回も、別の曲の方がいいんじゃないかと見送るアイディアもあったんですけど、このタイミングなら“NBCPらしさ”も出せるし、夏の爽快な感じともマッチするので今しかないかなと収録することにしました。
――ずっとライブで披露してきた楽曲だからこそ、改めて音源にするとなるとまた難しかったりするのでは?
Gotti:レコーディングに関して言うと、難しいというよりも、むしろ新鮮でしたね。ライブでずっとやってきた曲を、とうとうレコーディングするんだという特別な感情になりました。
Kash:何回もライブでやってる曲なので、いざレコーディングしてみると、“もっと良くなるな”という細かい部分が見えてくるので、そこを直しながらもっといいものにしようと。
Gotti:欲張ってしまうというか、改めてレコーディングして音源として残るとなるとついつい色々なフレーズを入れたくなってしまったんですよね。
Kash:いろいろ試してたもんな(笑)。
Gotti:そう!“これいらんな…”とか、言いながら(笑)。それぐらいアイディアが浮かんできた想い入れがある曲です。
――リリース記念のインストアライブに始まり、続々とライブが決まっていますね。
Oto:ライブはライブで原曲と違ったアレンジにしているので、違いを楽しんでいただけたらと思います。
Gotti:聴くと思わず踊ってしまうような曲になればと、リズムに凄くこだわって作ったので、夏に野外やライブハウスで気持ちよく踊って楽しんでほしいですね。
Neighbors Complain 撮影=森好弘
――この数か月を濃厚に過ごされただけに、今度はリリース後にどんな風に新たなステップを踏んで、シーンを駆けあがっていくのだろうかと楽しみです!
Kash:今回のリリースを切っ掛けに、“聴いたことある!聴いてみよかな”って、みんなが気になるようなバンドになれたらうれしいですね。
Taka:僕らのことを知ってもらう機会がもっと増えて、僕らの音楽を聴いてくれる人がもっともっと増えたらいいな。それこそ、この夏のフェスだったり今後のツアーで全国を回って、音楽が好きな人達のアンテナに僕らの音楽が引っかかってほしいなと思います。
Gotti:そうやってゆくゆくは…、“ヒットチャートNo.1”を目指したいです!!
Oto:どんなに会場が大きくなっていったとしても、“一人一人にしっかりと伝える”という気持ちを忘れなければ、“ヒットチャートNo.1”も夢ではないはず。そのためにも、リリース後にいいライブを積み重ねていこうと思います。
取材・文=大西健斗 撮影=森好弘

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