ケツメイシ

ケツメイシ

ケツメイシ、
味わいの増した夏ソングを発表

 ケツメイシが5月30日より沖縄県限定&CLUBケツメイシ会員限定で発売、ならびに各種配信サイト、サブスクリプション型音楽配信サービスで配信したシングル「カンパイの唄」。この楽曲は“オリオンドラフト”オリジナルCMソングにも起用され、CMにはメンバーも登場しているのだが、オリオンビールCMで沖縄県外出身のアーティストが出演と楽曲の両方で起用されるのはケツメイシが初めてとあって、ウチナーンチュ(沖縄人)にとってはもちろんのこと、ヤマトンチュ(日本人)の間でも大きなトピックとなった。 

 彼ららしいキャッチーさを備えた、分かりやすいメロディーであるものの、あえて複雑さを排しているような、古今東西、老若男女、誰もが口ずさめる親しみやすさがある同ナンバー。フックもハーモニックではなく、ユニゾン──ほとんど合唱と言っていいスタイルで、シンガロングに適したタイプ…という言い方はおかしいかもしれないが、まさに酒席を彷彿させるものだ。

 三線や沖縄民謡のお囃子を取り入れているのもいい。しかも、いかにも「どうですかー? 沖縄音楽を取り入れましたよー!」というような取って付けた感じではなく、ジャンルをミックスしたというよりも、本土にはない、沖縄ならではのゆったりとした空気感を促すためのフレーバーとして加えた感覚だ。むしろ、ケツメイシの沖縄愛を感じさせる秀作である。

 そんな「カンパイの唄」に次いで、8月8日にはニューシングル「夏のプリンス/風は吹いている」を発売することが決まった。ひと足早く、6月27日からは「夏のプリンス」の配信も始まる。ケツメイシと言えば、「さくら」を連想する人も多いだろうし、彼らには「聖なる夜に」や「冬物語」という名曲もあるが、ファンの間ではやはり夏のイメージが強いグループではないだろうか。ざっと過去曲を振り返ってみても、「夏の思い出」を筆頭に、「男女6人夏物語」「お二人Summer」「LOVE LOVE Summer」「RHYTHM OF THE SUN」と夏を題材にした楽曲は多い。ニューシングルは、そんなラインナップに加わる、新たなる“夏のケツメイシ”である。

 しかし、“新たな”と言ったのは、それが新曲だからというだけではない。「カンパイの唄」がそうであったように、「夏のプリンス」は明るくポップな楽曲ではあるものの、所謂パーティーチューンとは明らかに趣が異なり、絶妙に抑制の効いた楽曲だからである。躍動感が十二分に発揮されつつも決して享楽的に堕すことなく、メロディーもキャッチーだが、サビでござい…とばかりに迫って来るような下世話さがない。全てがとてもいい具合なのだ。

 《じゃあ行こうかあの場所 まずは海》や《熱い太陽 眩しい空と》という歌詞があるように、「夏のプリンス」で描かれているのはまさに夏真っ盛り、気温も湿度も高い、アツアツ、ジリジリとした情景。しかし、全体に、いい意味で落ち着いた空気が支配している。浮足立ってないと表現するのがいいだろうか。
《思い出す 夏休みのサンシャインデイ/Boogie back はしゃいだ夏爽快で/時が経っていても 色褪せない/思い出よ 想い出を 君と作ろう/思い出よ 想い出を…》
《思い出す》や《時が経っていても》という描写が示すように、ここで歌われているのは、まさに夏の只中である今を過去に重ね合わせ、《想い出を 君と作ろう》と、それを未来へつなぐ物語である。メロディーとサウンドが醸し出す空気感は、この歌詞の世界観が大きく影響しているのは間違いない。これもまた、老若男女、誰もが感情移入しやすい内容だと思われるので、リスナーはラップパートで登場するさまざまな夏の描写、キーワードを自らの中に呼び起こし、それぞれの《君》を思い浮かべ、《あの場所》へと気持ちが運ばれることだろう。ようやく邦楽にも、大人も聴くに堪えうる夏ソングが誕生した。「夏のプリンス」をそう呼ぶのは決して大袈裟ではないと思う。

 もう1曲の「風は吹いている」もミディアムのレゲエチューン。どちらかと言えば、こちらにケツメイシの本領発揮を感じるファンが多いのではないかと思うが、これも南国の熱気を孕んだといった感じではなく、サウンド、メロディーともに温かみを湛えている。

 まずサウンド。パッと聴き、それほど音が密集した印象はないのだが、よくよく聴くと音数はかなり多い。ギター、ベース、ドラムス、トランペット、ピアノ、ストリングス、シンセ…などなど。しかし、ごちゃっとした感じが一切ない。かといって、それぞれの音に個性がないわけもなく、ブルージーなトランペットとギターは渋く、ストリングスはさすがにドラマチックに入ってくる。イントロやアウトロ、間奏で聴こえる口笛はそこにある景色を最大限に音像化していると思う。

 サウンドが出しゃばっていないのは、メロディーを立たせるためであるのは言うまでもない。伸びやかな、まさしく風を彷彿させるサビメロを、遮らないような配慮だろう。あるいはその風を煽るような効果を考えた上のことと思われる(ストリングスはそれだろう)。

 では、何故そうした配慮、効果が考えられたのかと言えば、これもまた“この楽曲で何を伝えるべきか?”が明確だからに他ならないはず。「風は吹いている」もまたメッセージがはっきりとしている。
《良い風が吹いてるさ 良い風が吹いてるな/(向い風 強く吹く風は 君を必ず 強くするんだぜ)/良い風が吹いてるさ 良い風が吹いてるな/(追い風 穏やかな風は 君の心を 試してるんだ)》
酸いも甘いも嚙み分けた深く、味わい深いリリックである。まさに夏の只中である8月にこうした力強いメッセージを内包した楽曲をリリースする、ケツメイシの決意、心意気も、リスナーそれぞれに感じてほしいところだ。

TEXT:帆苅智之
シングル「夏のプリンス/風は吹いている」2018年8月8日発売
    • AVCD-94139/¥1,000(税抜)
    • <収録曲>
    • 1. 夏のプリンス
    • 2. 風は吹いている
    •  
    • ◎セブンネット限定特典:蚊取り線香 ケツメの夏
    • ※匂いはランダムでお渡しとなりお選び頂けませんので予めご了承ください。
    • https://7net.omni7.jp/detail/1301395592

★6/27(水)より新曲『夏のプリンス』が各種配信サイト、サブスクリプション型音楽配信サービスにて配信開始!

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OKMusic編集部

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