【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>PAL
M、「自分が未確認物体みたいになっ
た感じで」

四星球と入れ替わりでEVIL STAGEに登場したのは、大阪が、いや日本が誇るハードコアバンド、PALM。<SATANIC CARNIVAL>初登場であり、容赦なくその爪痕を残すべく、冒頭からギターが不穏な咆哮をあげて、スラッジ感のあるずっしりとしたアンサンブルで、フロントマンToshihiko Takahashi(Vo)をステージへ迎え入れる。歓声のなか、マイクをブン回しながら登場したTakahashiは「Leave Me Alone」からフロアへと飛び込んで、観客に支えられながらシャウトする。ブラストビートにのせ、凄まじい速さでサークルが巻き起こっている。もみくちゃのモッシュピットでは、観客とヴォーカルとの声が入り混じった、歌とも叫びともつかない声が轟いている。熱い光景だ。
「Fighting The Darkness」、「The Neighbor」と、Takahashiは前半の曲ではフロアで観客と肉弾戦を繰り広げ、ドラム、ベース、ギターというステージ上のメンバーは彼の援護射撃をするように、高速の、かつ重厚なサウンドを轟かせる。攻撃的で、キレのいいビートとリフでフロアを大きくかき回し、観るものを力強く引き込んでいった。TakahashiはMCで、「普段は、この幕張メッセのトイレよりも小さいところ(ライブハウス)で、年の半分くらいライブをやってます。こういう大きなところでやらせてもらって、感謝しています」と語る。活動拠点となるライブハウスはアンダーグラウンドだが、国内外のハードコアやメタルの猛者たちと凌ぎを削り、名を馳せているPALM。ステージの大小にかかわらず、戦い方はただひとつ、観客と真っ向からぶつかり合うライブだ。
後半は、8月29日にリリースとなる3rdアルバム『TO LIVE IS TO DIE, TO DIE IS TO LIVE』からの曲を中心に、アグレッシヴなハードコアから、バンドのヘヴィなグルーヴが冴えるストーナー的な曲など、変幻自在なアンサンブルでフロアを翻弄する。頭がもげそうな勢いでヘッドバングしながらプレイするメンバーに歓声が上がり、またTakahashiが大きく自分の胸を叩き、渾身のパワーでシャウトすると、フロアのコブシがより高く突き上げられる。心震わせる、強力な一体感が生まれている。
「いろんな人に、SATANIC CARNIVALに出演が決まって、すごいね、よかったねと言われ続けて、自分がツチノコ、未確認物体みたいになった感じで。でも、日本全国に、こういう未確認物体みたいな、ハードコアというマニアックな音楽をやっているバンドはいっぱいいるんだ」とTakahashiは観客に語りかけた。ラスト2曲は再び、ゴリッゴリに硬質でファストなハードコアを連投して、初登場の<SATANIC CARNIVAL>にPALMの名をぶっとく刻印していった。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎Litchi/Miwamachine

【PALM セットリスト】

01.Intro
02.Leave Me Alone
03.Fighting The Darkness
04.The Neighbor
05.Only Ego
06.Scapegoat
07.Paperwife
08.ex Owner is fucked
09.Burn The Silence
10.Sacrifice
11.Rot Away
12.Holy Outsiders

■<SATANIC CARNIVAL'18>

6月16日(土) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
6月17日(日) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール

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