back numberが語る「こわいはなし」

back numberが語る「こわいはなし」
back numberの「こわいはなし」

好きな相手の不幸を願って、付き合う人は恐らく居ないでしょう。
好きな人にはなるべく笑顔で居て欲しい。
他でどんなに悲しいことがあっても、せめて2人で居るときくらいは笑って欲しい。
それは相手を想うからこそ抱く気持ちです。
だから、一緒に居て湧き出してくる相手への不満や要望=「面倒な話」は出来るだけしないでおきましょう。
楽しい話でもなければ、話し方を間違うと2人の関係にヒビが入ってしまいかねない様な繊細な話題な上に、相手を傷つける可能性すらあるのですから。
「わざわいのもの」というキーワード

恋人に本気で嫌われたら、もう…、恋の終わりは近そうです。
それが分かりきっているから嫌われないように、自分の弱さ、嫌な部分、ダメなところ=自分の「汚れ」はそっと隠してしまいましょう。
ダメな部分を見せるのは怖くて、見せた上で嫌われるのはもっと怖い。
嫌われない様に、嫌いにならない様に、汚れは見せ合わない方が良いのです。
…ただ、よく見て見るとそれぞれのフレーズの最後には、「わざわいのもと」という言葉が付いて来ます。
笑顔で一緒にいるためと思い取った行動や隠した気持ちが、むしろ2人の別れを呼び寄せてしまうと、恋愛の皮肉さや難しさを描いた歌詞になっているのです。
恋愛における怖さや怯えを突破する大切さを伝えている1曲
しかし、「こわいはなし」は恋愛の不条理さを嘆く曲ではありません。
この曲はまるで幼少期に触れる機会が多くある昔話のような、面白い効果を秘めています。
昔話は見方を変えればたくさんメッセージを含んでおり、例えば、花咲か爺さんは欲深さを描く事で優しさの意味を伝え、ウサギとカメは油断と地道な努力の対比を描く事でそれぞれがもたらす結果を伝えています。
同じ様に、この楽曲は恋愛における怖さや怯えを「わざわいのもと」という枠で描く事で、それを突破する大切さを伝えているのです。
「二人同じ歩幅でずっと 歩けるはずがないのに」
「二人同じ強さでいつも 想えるはずが無いから」
災いのもとは残念ながら目に見えません。近くにあったとしてもすぐには気づけません。
後になって振り返れば、あぁ…あれがいけなかったのだろうなと、やっと分かる程度。通り過ぎた後でなければ気づけないのです。
だからこそ、あえて目印をつけて「わざわいのもと」を知らせてくれるこの曲はとても有難い存在です。
安定した道も確実な方法もない、どこに行くのも自分次第の恋愛において、「こわいはなし」の物語はきっと私たちを良い関係へと後押ししてくれます。
「わざわいのもと」も気づき立ち向かえば、2人の距離をグッと縮めてくれるきっかけへと変えていけるのですから。
TEXT:柚香

アーティスト

UtaTen

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