【ライブレポート】過去に囚われずに自分を生きる、“歌姫”加藤ミリヤが誕生した愛のステージ

【ライブレポート】過去に囚われずに自分を生きる、“歌姫”加藤ミリヤが誕生した愛のステージ

【ライブレポート】過去に囚われずに
自分を生きる、“歌姫”加藤ミリヤが
誕生した愛のステージ

※記事にはツアーの内容詳細が書かれています。ネタバレにご注意ください。
衝撃のオープニング
 2018年6月11日、あいにくの雨にも関わらずZepp Tokyoにはツアーグッズのタオルを肩に羽織った“ミリヤー”達で溢れかえった。
開演時刻を少し過ぎた頃、会場内に流れていたハレルヤと謡う讃美歌が徐々に大きくなり開演を迎えると、赤のペンライトが一斉に灯りミリヤを迎える拍手が起きた。

カメラマン:cherry chill will
 パパパパーン!と会場に鳴り響いたのはメンデルスゾーンの結婚行進曲。オープニングで絶大なインパクトをもたらした結婚行進曲という選曲はツアータイトルの「CELEBRATION」と関連しているのか、これがミリヤの等身大か、このライブが一体どんな作品になっていくのか、様々な思いを抱き冒頭から脳内が忙しく、“結婚行進曲=幸せ”のイメージからハッピーな気持ちにもさせられた。
結婚行進曲のサビの一番盛り上がるシーンで、バンドとダンサーを携え白無垢を纏ったミリヤの姿がライトアップされる。さらにステージの背景では、ツバキや雄鶏の描かれた和風の垂れ幕が存在感を発していた。

カメラマン:217...NINA
そんな衝撃のオープニングを経て1曲目にはニューアルバム『Femme Fatale』に収録されている『I HATE YOU』を披露。
白無垢姿で「殺めたいくらい愛しい」と歌う演出に、苦しいほどの“重み”を感じるのとは裏腹に、ミリヤが自身の歌詞を“歌う”時の姿に軽やかさがあるような、これまでのライブと違った感触を受け始める…。
“歌姫”誕生
 そして続く『AIAIAI』でその感触の正体が何かという答えに確信を持つことができた。この、女性の持つ強さと弱さの両面を前面に出した切ないアップチューンは、リリースされた2012年当時から女子の絶大な支持を受けているミリヤの楽曲のひとつだが、歌い方や歌詞の中で抑揚をつけるポイントがこれまでと違う。
切なさや辛さを歌った歌詞を泣くように歌い上げる姿が共感を呼び、同じ傷を負ったもの同士で支え合うようなライブを繰り広げてきた彼女が、本公演では過去の傷を歌った曲を過去のものとし、歌詞の中でも明るく前を向く部分や歌を届ける相手に寄り添うような部分を特に強く感情を込めているように感じる。
カメラマン:cherry chill will
 そしてメドレーの中に組み込まれた大ヒット曲『Aitai』では、息遣いまではっきりと聞こえるような空間でR&B調のメロディーをピアノに乗せた。
華奢な身体から湧き上がる圧倒的な歌唱力と、これまでの様々な人生の旅が生んだ音楽的感性が凝縮されたようなパフォーマンスが、彼女が“歌姫”と呼ばれるにふさわしい存在となったことを物語っていた。

MCなしで駆け抜けた本編
 ライブ中盤、シルバーのウエディングドレスに白いベールを纏ったミリヤは『Love is…』や、ニューアルバム『Femme Fatale』の新録曲から、全編英詞のバラード『Funny Love』を歌い上げる。そしてさらに同じくニューアルバムからの楽曲『Don’t Let Me Down』では、“私を失望させないで”というタイトルの通り、気丈に愛する人への切なくも愛のメッセージを歌った歌詞と、それとは裏腹に“諦め”や“失望”を表現しているようなメロディーが相まって生まれるミリヤワールドを、全開に届けた。
カメラマン:cherry chill will
 本編最後には2018年5月にシングルとしてリリースされたアップチューン『ROMANCE』を披露し、ここまで一切MCなしでファンと共に駆け抜けた本編を振り返り、目一杯に会場の空気を吸い込んで大きくお辞儀をして退場。
アンコールで再びステージに登場したミリヤは22日に控えた自身の誕生日公演に関して「30歳になる節目を迎える時、みんな(ファン)と一緒に居たいって単純に思った!」「てゆーか、誕生に祝いに来てください!」と笑顔でコメント。
“運命の女性”という意味をタイトルに込めたニューアルバム『Femme Fatale』リリースについても触れ、アンコールナンバー、2曲のメドレーでハッピーな空間をシェア。
アンコールの最後は「誰かを愛し、誰かに愛されて生きてください!」「加藤ミリヤでした!」とメッセージで締めくくった。
カメラマン:cherry chill will
Text:愛香

セットリスト
1. I HATE YOU
2. AIAIAI
3. MEDLEY(1)
 (UNIQUE〜FASHION〜This is my party〜あたしの細胞(新曲)
4. 顔も見たくない feat. JP THE WAVY
5. MEDLEY(2)
 FAMILY〜Kiss〜Aitai
6. BURN(新曲)
7. Love is…
8. 私の名はイノセンス(新曲)
9. Funny Love(新曲)
10. Lonely hearts
11. Don’t Let Me Down
12. Happy Celebration
13. 新約ディアロンリーガール feat. ECD
14. ROMANCE
EN1. I miss you〜今夜はブギー・バック

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