今期のオススメはこれ! 2018「春アニ
ソン」アニソンライターが選ぶべスト
5曲

曲も歌も個性的な楽曲が揃った2018年の春アニソン。オススメ5曲をご紹介します!

豪華なオーケストラサウンドを使用したアニソンに、人気声優アーティストの新たな側面を垣間見せてくれた新曲、男女デュエットによるちょっぴり風変りなポップソングなどなど、2018年の春アニメも新たな名曲が数多く誕生しました。
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今期の特徴を挙げるならば、上記のように曲調や表現方法に、前期以上の多様性が見られた点だと思います。歌も音も実にバラエティ豊か。楽曲が多様性に富んでいた分、リスナーにとっても選り取り見取りで楽しいクールとなったことでしょう。
そんな春アニソンの中から、筆者のオススメ楽曲をベスト5形式でご紹介。いずれも個性的な楽曲揃いです。
オーイシマサヨシ『オトモダチフィルム』(『多田くんは恋をしない』OP)ソロでの楽曲リリースに加え、昨年の大ヒットアニソン『ようこそジャパリパークへ』を筆頭とする各作品、アーティストへの曲提供、Tom-H@ckさんとのユニット「OxT」での音楽活動……と、様々な形態で精力的な楽曲制作を続けるアニソンシーンのキーパーソン、大石昌良さんが久々の「オーイシマサヨシ」名義で発表した待望の新曲。
カタカタ表記でのソロ曲としては約4年ぶりのリリースとなるシングルですが、今作も歌と演奏ともに大充実のナンバーとなっています。
アニメ『多田くんは恋をしない』の世界観に寄せて、カメラをテーマとしたラブソングとして書き下ろされた本曲。一度聴いただけで、まるで身体に染み込んでくるかのような親しみやすいメロディと、オーイシさんの透明感のある歌声が生み出すポップス感覚が何とも堪りません。
思わず口をついて出てくるような歌メロには、アニソンやJ-POPといったカテゴライズすら軽々と飛び越える普遍性とポップ・ミュージックとしての揺るぎない強さが感じられます。
また、サビに入る寸前に挿入されるファルセットボイスでの歌唱や、楽曲全体の多幸感を更に印象的に演出するチャイムの音色など、歌心と良メロ勝負によるシンプルな演奏ながらもそこにプラスアルファで加えられたひと工夫の数々も何とも楽しい限り。
MVでは、超キャッチーなダンスまで披露で、オーイシさんのエンターテイナーとしての才気が大爆発な1曲です!
豪華なオーケストラサウンドに酔いしれる!
こみっくがーるず(赤尾ひかる、本渡楓、大西沙織、高橋李依)『涙はみせない』(『こみっくがーるず』ED)女子高生漫画家たちの日常を描く"きらら系アニメ"のエンディングを飾るキャラクターソング。
同系列の諸作品で使用された主題歌に比べると、ユッタリとしたテンポの楽曲であり、その落ち着いた雰囲気が曲の特徴を決定付けています。
"美メロ"を軸とした洗練されたポップソング……という形容が最もシックリくる曲かと思いますが、そこに青々とした輝きを与えているのが、声優陣による歌声。登場人物のキャラクターと声質に寄せた歌は、オシャレなバックトラックに人間的な温かみを加えると同時に、青春アンセムとしての個性を楽曲に付与しています。
特に印象的なのが、物語のキーパーソンとなる萌田薫子を演じる赤尾ひかるさんの声。今作が主役デビューとなる赤尾さんですが、若手の実力派として知られる共演者に囲まれながらもアニメ本編での活躍と同様に、初々しくもシッカリと自身の存在感を発揮しています。
完成度の高いメロディとキャラクターの魅力を体現した声優陣の歌声。まさに、"キャラソン"の理想形のひとつと言えるでしょう。こちらも落ち着いた色彩と演出で見せるエンディングアニメーションもお見事。
福本莉子『少女はあの空を渡る』(『ひそねとまそたん』OP)オーケストラを用いたスケールの大きなサウンドで、この春に衝撃を与えてくれたアニソンが『ひそねとまそたん』オープニング主題歌の『少女はあの空を渡る』です。
東宝「シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞した福本莉子さんをボーカリストに抜擢しており、その純朴な歌声と勇壮な伴奏の組み合わせがどこかノスタルジックで、どこか不思議なニュアンスをリスナーに抱かせます。
ピュアな歌、本作のサウンドトラックも手掛ける岩崎太整さんによるメロディ、そして、オーケストラサウンドによる豪華で広がりのある演奏……それらが、一体となって作り出される音世界は、とてつもなく感動的であり、細かい理屈や理論を抜きにして涙腺を刺激するような情動を携えています。
また、オープニングアニメーションも一昔前のアニメ作品のそれを思い起こさせるような演出の数々によって構成されており、音と合わせて観る者の郷愁を誘う作りに。
バンドサウンドでもなく、打ち込みサウンドでもない。良い意味で「今風ではないアニソン」であり、だからこそ、新鮮な感覚で歌と映像と対峙できる……新しさと懐かしさが混在する1曲です。
エンディングでは、こちらも岩崎さんのプロデュースでフランス・ギャルのカヴァー曲を使用するなど、その作品性同様に音楽面も一筋縄ではいかない印象を受ける『ひそねとまそたん』。最終回まで、一時も物語と音から目を離せそうにありません。
ちょっぴりヘンテコで可愛いデュエット曲!
村川梨衣『Distance』(『ヒナまつり』OP)人気声優、"りえしょん"こと村川梨衣さんの5枚目のシングルにして、『ヒナまつり』オープニング主題歌。
これまでのシングル曲に比べて、"切なさ"の表現力に重きを置いた印象を受ける楽曲で、歌声もサウンドも胸を締め付けるようなセンチメンタリズムに溢れています。
タイトル通り、別離を迎えた「キミ」との距離を想い描く歌詞も切実なものがあり、切ないリリックを歌い上げる村川さんの表現力に先ずは注目をしたいところ。声質や音域もナチュラルに曲に馴染んでおり、シンガーとしての新たな魅力を見事に引き出したナンバーです。
非常に情緒的でありながら、適度なポップさも忘れないメロディを形作るのは、ロックなサウンドですが、そこに感情を盛り立てるようにレイアウトされたストリングスと鍵盤の音も素晴らしい。
村川さんが歌うアニメ主題歌というと、サードシングルの『Tiny Tiny』(『フレームアームズ・ガール』OP)や、自身が主演したアニメのキャラクター名義でリリースした『リトライ☆ランデヴー』(『えとたま』OP)といったアッパーで元気一杯なナンバーのイメージが強く、また、ラジオやイベントで見せるハイテンションなキャラクターの印象もあった為、今回の新曲で聴くことのできる"エモーショナルなりえしょん"には、思わず不意を突かれてしまいました。
声優としては勿論、ボーカリストとしても躍進を続ける村川さんの勢いが感じられる1曲です。グレート!
ハル(花江夏樹)×ちょこ(田村ゆかり)『欲張りDreamer』(『ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-』OP)個人的にこの春最大の掘り出しものだったアニソンです。人気ソーシャルゲームをアニメ化した作品のオープニングナンバーで、主演の男女コンビによるデュエット曲。
"男女デュエット"というアニメ主題歌としては、ユニークな歌唱形態も然ることながら、風変りで起伏に富んだ構成と、とことんポジティブなメロディが強烈な中毒性を生み出しています。
作詞と作曲は、『Have a nice MUSIC!!』や『ドレミファPARTY』など、『SHOW BY ROCK!!』シリーズの主題歌や数々のキャラソンで知られるno_my(ノーマイ)さん。編曲には、ハロプロ関連の仕事でアイドルファンにはお馴染みの平田祥一郎さんを迎えています。
お二方の陽性な作・編曲術が、可愛い"キャラ声"による歌の掛け合いと絶妙にマッチし、ビザールでありながらもどこまでもポップで楽しいナンバーに。
また、"ソシャゲ"というメディアの特性をメタ化したギャグを中心とした毒とエッジの効いた作風に対し、この曲の真っ直ぐな明るさが凄まじいギャップを生み出しており、結果的に、本編の不条理な展開をより際立たせている点もおもしろいポイントです。
ちなみに、本作の劇伴を担当しているのは、あのマニュアル・オブ・エラーズ。アニソン、劇伴ファンなら決して見逃せないアニメとなっています。音楽もギャグもとにかく楽しいアニメ『ラストピリオド』。この春イチオシの作品です。

ウレぴあ総研

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